いよいよ開幕を迎える国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」。例年通り、オフに米ピン本社を訪れ優勝者に贈られるゴールドパターの授与と、クラブフィッティングを行った鈴木愛は、どんなクラブで開幕戦に臨むのか。在米ゴルフジャーナリスト・アンディ和田がレポート。

17本からコースによってベストの14本を選択

昨年は7勝を挙げ2度目の賞金女王に輝いた鈴木愛。 2014年、公式競技の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」での初優勝から、PINGのクラブを使用しての優勝数は「16」を数えます。

画像: 20-21年シーズンの開幕戦「アース・モンダミンカップ」で2017年以来の優勝を狙う鈴木愛

20-21年シーズンの開幕戦「アース・モンダミンカップ」で2017年以来の優勝を狙う鈴木愛

そんな彼女がオフシーズンにアリゾナ州フェニックスにあるPINGの本社を訪れ、今シーズン用にフィッティングを受けたクラブは下記の通りです。

ドライバー: PING G410 LST 10.5度
ホーゼルセッティング: (マイナスロフト1度、3度フラット)
シャフト:ALTA JCB RED S
長さ:45.5インチ
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

3番ウッド:PING G410 14.5度
ホーゼルセッティング: (ロフトプラス1度、ライ角ニュートラル)
シャフト:ALTA JCB RED S
長さ:43.0インチ
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

5番ウッド: PING G410 17.5度
ホーゼルセッティング:スタンダード (ライ角ニュートラル)
シャフト:ALTA CB65 RED R
長さ:42.5インチ
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

7番ウッド:PING G410 20.5度
ホーゼルセッティング :スタンダード (ライ角ニュートラル)
シャフト:ALTA CB65 RED R
長さ:42.0インチ
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

ユーティリティー:PING G400 22度
シャフト:フジクラMCH 70 R
長さ:39.5インチ
ライ角:スタンダード
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

ユーティリティー: PING G400 26度
シャフト:フジクラMCH 70 R
長さ:39.0インチ
ライ角:スタンダード
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

アイアン: PING i210 5番~9番、PW
シャフト:日本シャフトNS 950
長さ:37.75インチ(5番アイアン)~35.75インチ(9番アイアン)
PW 35.5インチ
ライ角:0.75度フラット
バランス:D-0
グリップ:イオミック スティッキーグリップ 1.8 下巻1枚

ウエッジ:PING Glide 2.0 SS 50度、 54度
シャフト:CFS R
長さ:35.5インチ(50度)、35.25インチ(54度)
ライ角:1.5度フラット
バランス:D-1
グリップ:イオミック スティッキーグリップ

ウェッジ:PING Glide 2.0 SS 58度(ハーフムーンソール形状)
シャフト:CFS R
長さ:35.5インチ(50度)、35.25インチ(54度)
ライ角:1.5度フラット
バランス:D-2
グリップ:イオミック スティッキーグリップ

パター【1】:PING VAULT Anser 2
長さ:33インチ
ライ角:68度
ロフト:2.5度

パター【2】:PING G Le2 ECHO
長さ:32インチ
ライ角:70度
ロフト:2.5度

あれ、クラブ本数が多いのでは? と思われクラブ本数を数えられたのはクラブマニアの証明ですね(笑)。 はい、リストアップしたクラブの本数は全部で17本あります。

・7番ウッドか22度ユーティリティ
・26度ユーティリティか5番アイアン
・パターはブレオードタイプかマレットタイプ

開催コースやコンディション、気象状況によって3本を選んでくるという意向でしょう。ユーティリティやウエッジは最新モデルではなく、使い慣れたモデルを使い続けるという所は鈴木選手の職人肌を感じます。

またドライバーとフェアウェイウッド、アイアン、ウェッジでそれぞれ微妙にライ角が違うのもクラブ調整のこだわりを感じる見逃せないポイントです。パターはマレットタイプのほうが1インチ短く、そのぶん、ライ角は2度アップライトになっています。

米女子ツアーでPINGの契約プロ担当を務めるスコット・ウォルパ氏から鈴木選手の話を聞くことができましたので紹介いたします。筆者からの、鈴木選手は渋野日向子選手よりも0.75インチ長いドライバーを使っているが、どんな理由だと思うか? という質問に、彼はこう答えてくれました。

「45.5インチのドライバーを使うことでヘッドスピードを増やしドライバーのキャリーを伸ばせるというのが最大の理由です。2人の弾道の違いはヘッドスピードもありますが、体型の違いの影響が強いです。 アイのスピード源は脚力の強さ。パワーがあるのはもちろんですが、滑らかなスウィングスピードをキープできているのは下半身のしっかりとしたリードができるからでしょう。狙ったターゲットからほとんど外れることはない正確なショット力。 ボールの横回転は少なく、とても再現性が高いです。

アイ(鈴木選手)は現在ミッドマレットタイプとブレードタイプの両方を使い分けています。 マレットパターはヘッドが重めの設定ですが、パターの色と柔らかいインサートが気に入っているようですね。今季使用する予定の2本のパターの他に『Vault Piper - C』というセンターシャフトのパターでも優勝したことがあります。 『Vault Voss』でも優勝していますからPINGの優勝パター金庫にはいろいろな種類のアイの優勝パターがありますね」

通算16勝を誇る鈴木愛のゴールドパターは16本貯蔵されている(写真提供/ピン社)

現在のPINGのグローバル契約選手の中で最多優勝数の女子プロは鈴木愛。カナダの新鋭ブルック・ヘンダーソンはメジャー優勝を含む12勝。 東京オリンピックは来年に延期となってしまいましたが、2桁優勝者の ブルック対アイの戦いをこの秋のメジャー戦、そして来年のオリンピックで観るのが楽しみですね。

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