現在開催中の国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」。その二日目の模様を、ライブ配信を介してスタート時から通しで観戦したプロゴルファー・中村修がレポート!

強風が午後スタート組に直撃

アース・モンダミンカップ2日目は雨こそ降りませんでしたが、代わりに強風が選手たちを襲いました。7~8時台は風もなかったので午前スタート組は影響が少なかったですが、9時過ぎ辺りから風が出てきて、10時を過ぎるころには強風に。ピークはお昼頃で、木更津観測台の発表によれば、瞬間最大風速で15.7m/sもの強風が吹いていたそうです。

通常の試合であれば天候でスコアが大きく左右されることは少ないのですが、今大会は出場人数が多かったがために、初日は午前組が、2日目は午後組が天候による影響を大きく受け、組み合わせの運不運が顕著に出てしまいましたね。

そんな中でもプラチナ世代の古江彩佳は通算2アンダー、安田祐香、吉田優利は通算1オーバーで予選を通過。プラチナ世代の実力をしっかり実戦で見せてくれました。

さて、本日スコアを大きく伸ばしたのはまず田中瑞希。前半で3バーディ、後半で4バーディ2ボギーとスコアを5伸ばし、トータル9アンダーで暫定単独首位に躍り出ています。ちょうど風が強くなる前に前半を終えられた、という運の強さもちろんありますが、初日の4アンダーに続き、コンディションが悪い中でもしっかりスコアを伸ばせています。

もう一人、好調なプレーを見せていたのが鈴木愛。前半からショットが決まってバーディチャンスにつけ続けていましたが、バーディは1つしか決めきれずパーを積み重ねます。

最終ホールの9番で強風に負けて池に入れトリを叩いてしまったものの、今日2アンダーの、トータル6アンダーで暫定2位タイで予選通過です。“優勝請負人”の異名を持つ清水重憲キャディとのコンビも息が合っていてすごく良かったですね。

畑岡奈紗も強風が吹く午後スタートで、出だしで2連続ボギーとするものの、崩れずにこらえたのは流石の一言。最終的にひとつスコアを伸ばしてトータル3アンダー暫定15位タイで予選通過を決めています。

71位タイ、渋野は無念の予選落ち

12時10分スタートの渋野日向子は、2日目はイマイチピリッとしたプレーができていないという印象を受けました。全体的にパターのタッチは合っているようなのですが、ショットが風に翻弄されているように見受けられました。

画像: 12時10分、強風が吹くなかスタートした渋野日向子(Getty Images/JLPGA提供)

12時10分、強風が吹くなかスタートした渋野日向子(Getty Images/JLPGA提供)

出だしから強風が吹いていましたが、INスタート出だしの10番ホールは2メートルのパットを決めてパーとします。パーを重ねていきますが、14番、林からの脱出でボールが木に当たってしまって打数を重ねてしまいます。試合後の会見によれば番手選択を間違えて、ボールが高く出過ぎてしまったようですね。結局ボギーパットも外してダボを叩いてしまいます。

続く15番のパー3ではピンから3メートルの位置につけて怒りのバーディ。16番も5メートルのバ-ディパットを残しましたが、惜しくも外してパー。17番ではアプローチでチップインバーディを決めます。

画像: 17番のアプローチは見事チップインバーディに(Getty Images/JLPGA提供)

17番のアプローチは見事チップインバーディに(Getty Images/JLPGA提供)

そして前半最終ホールの18番パー5。グリーン左のフェアウェイバンカーからの3打目、アプローチがグリーンをオーバーしてしまいます。返しのアプローチでオフの間に練習を重ねたであろう“新たな引き出し”、フェースを開いてのロブショットで狙いましたが、これがハーフトップ気味に入ってしまってピンをかなりオーバー。ボギーとして、1オーバーで折り返します。

画像: 18番の3打目のフェアウェイバンカーからのショットはグリーンをオーバーしてしまう(Getty Images/JLPGA提供)

18番の3打目のフェアウェイバンカーからのショットはグリーンをオーバーしてしまう(Getty Images/JLPGA提供)

後半もバーディチャンスに付けれずパーを重ねていきますが、5番ホールでピンそば1メートルにつけて念願のバーディ。しかしその直後の6番でグリーン右横からのアプローチを5メートルほどショートしボギーとしてしまいます。

7番もバーディチャンスにつけたものの外してしまいパー。8番もアプローチが寄らずにボギー。最終ホール9番、池越えのティショットはアイアンでギリギリグリーンオンに成功したものの、長いバーディパットを決めきれず、パー。トータル2オーバーで暫定71位タイ。カットラインに1打届かずとなりました。

画像: 渋野の開幕戦は惜しくも予選落ちに終わった(Getty Images/JLPGA提供)

渋野の開幕戦は惜しくも予選落ちに終わった(Getty Images/JLPGA提供)

バーディは獲れていますが、その流れを上手く維持できなかった2日目でしたね。試合後の会見では「このオフにやってきたことがすべて意味のないことのように感じてしまった。アプローチでチップインもしたけど、ボギーも打ってしまった」とコメントしています。

渋野を指導する青木翔コーチも「僕もそうとう悔しいです」と胸のうちを明かしてくれました。

「初めてシード選手として出場する開幕戦、当然プレッシャーもあるでしょうし、オフの間に二人で決断したスウィングの調整も、もうちょっと僕なりにやり方があったんじゃないか、という(コーチとしての)反省点もあります。そうとう悔しい。あと、思ったより試合から離れていた部分が響いたとは感じました。でもそれってみんな一緒で、その中でもとくに鈴木愛選手はそういった部分を上手くコントロールできていて、それはすごいことです。それを渋野にどう伝えていくか、というのは僕も考えなければいけません」(青木)

昨年の成績から最注目選手と言える渋野ですが、ツアー歴はまだ2年目。「試合でできるようになっていかないと自信もつかないのでやり続けていた。試合と練習では違うんだなと思った」とコメントしているように、こういった試行錯誤もこれから積み重ねていくであろうキャリアの中で活かされる経験となるでしょう。

いよいよ明日からは決勝ラウンド。波乱含みの開幕戦を制するのははたして誰になるのか。引き続き観戦してレポートをお届けします。

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(内容を一部訂正しました。2020年6月27日1時15分)

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