「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」は1997年生まれのルーキー関藤直熙(せきとう・なおき)の優勝で幕を閉じた。現地で取材したプロゴルファー・中村修が最終日のプレーをレポート!

関藤直熙がコースレコードの9アンダーを叩き出して優勝

「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」最終日は選手たちがスコアを伸ばしあう展開になりましたね。グリーンの状態がとても素晴らしく、雨の影響で地面が軟らかくなっていてグリーンを狙ったショットは止まるし、でもパットはしっかり転がってくれる、プロにとっては絶好のコンディションでした。

そんななかで優勝を決めたのは23歳の若手、関藤直熙。最終日に9アンダー61ストロークとコースレコードを叩き出し、通算14アンダー。2日間ノーボギーでの快勝となりました。今大会ではコース上にリーダーボードがないため、ほかの選手のスコアがわからない状態でのプレーでしたが、そういった状況でも自分のプレーに徹し、終始落ち着いていたのが印象的でしたね。

画像: トータル14アンダー、2日間を通してノーボギーでプレーし「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」を制した関藤直熙(写真/JGTO images)

トータル14アンダー、2日間を通してノーボギーでプレーし「JGTO共催ゴルフパートナーエキシビショントーナメント」を制した関藤直熙(写真/JGTO images)

実は関藤、国内男子ツアーでこそルーキーという立ち位置ですが、昨年はアジアの下部ツアー「アジアン・デベロップメント・ツアー」で2勝し、賞金王に輝いている実力者。海外の場で揉まれながらも勝ち切れていますから、今大会でも持てるポテンシャルを発揮できたのでしょう。

会見では自分のプレースタイルについて「ドライバーはそんなに飛ぶほうじゃない(280~290ヤードくらい)けど、積極的に(ドライバーを)使って攻めていくスタイルです」と語っていました。さらに、「2日間ノーボギーで行こうと思っていた」とも話してくれました。思うだけならともかく、実際にやってのけるのですから凄いですよね。

画像: 関藤本人曰く「そんなに飛ぶほうではない」というドライバーは、平均280~290ヤード。「積極的に攻めていくプレースタイル」だと言う(写真/JGTO images)

関藤本人曰く「そんなに飛ぶほうではない」というドライバーは、平均280~290ヤード。「積極的に攻めていくプレースタイル」だと言う(写真/JGTO images)

ノーボギーでスコアを伸ばせた要因は、やはりラフに外さなかったことが大きいでしょう。ラフが深めのセッティングであることに加え、雨の影響で重かったでしょうからね。アイアンのショットがキレていて、ピンに寄るのでイージーなバーディパットを量産。ショットとパットがかみ合ってビッグスコアを叩き出しました。

広島国際学院高の一年後輩で、昨年の三井住友VISA太平洋マスターズでアマチュア優勝を果たした金谷拓実さんの活躍も刺激になっているようで、将来の目標を聞くと「海外に出て活躍したいです。最終的にはマスターズ出場を目指しています」とやはり世界を目指している様子。今後が楽しみな選手がまた一人現れましたね。

優勝した関藤をはじめ、今大会ではルーキーたちの活躍が目立っていました。トータル13アンダーで2位タイの和田章太郎は関藤とのデッドヒートを繰り広げ、最後まで試合をけん引していましたね。

また、初日を2アンダー43位で終えた池村寛世も、最終日に前半で5つ、後半で3つ伸ばしてトータル10アンダー5位タイと躍進しました。堀川未来夢、星野陸也など初日に調子の良かった若手選手たちはスコアを伸ばしきれなかったものの、優勝争いの中で存在感を見せていました。

新しい顔ぶれが活躍して、若返りが印象的だった今回の試合。このようなフレッシュな選手が躍動できたのも、もちろん試合があったから。試合自体がなければ選手たちのオフの間の努力の成果を披露する場もありませんからね。昨今の情勢の中で開催に踏み切ってくれた主催者のゴルフパートナー、そしてJGTOには、いち取材者としても感謝したいと思います。各選手たちのプレーを見ていても、レベルアップした自分たちのプレーを見てほしい、そんな意気込みや迫力をひしひしと感じました。

JGTOの青木功会長からは「(今シーズンも)何試合かやる予定でいる」とのコメントがありました。先行きはまだ不透明ですが、試合を楽しみに待ちたいと思います。

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