ユーティリティというクラブジャンルの草分け的メーカーである「キャスコ」が、なんとロフト角46度とウェッジ並みに寝ているユーティリティを新たに発表した。一体どういう意図が!?

ロフトが立って「8番アイアンも難しい」というゴルファーが増えている

ロングアイアン相当の距離をやさしく打てる“お助けクラブ”として登場したユーティリティ(以下UT)。その中でも日本のゴルフメーカー、キャスコが1999年に発売した「パワートルネード」はUTというジャンルの草分け的クラブのひとつと言えるだろう。

そんなUTの老舗であるキャスコが2019年に発売したパワートルネードシリーズの最新昨「UFO by パワートルネード」に、なんとロフト角42、46度モデルが新たに追加された。

画像: キャスコのユーティリティ「UFO by パワートルネード」になんと42、46度のモデルが追加された

キャスコのユーティリティ「UFO by パワートルネード」になんと42、46度のモデルが追加された

“42、46度のUT”と聞くとかなり物珍しく感じるが、そもそもUFO自体が一風変わったモデル。#33(ロフト15度)から#99(ロフト38度)まで合計7番手ぶんと、一般的なUTよりもかなり豊富なラインナップで、フェアウェイウッドからショートアイアン相当までの距離をUTならではのやさしい高弾道で打てるようにしよう、というコンセプトのモデルだ。

そんなUFOに、さらに下の番手を追加した理由はミドル、ショートアイアン相当のロフトを持つモデルの売れ行きが好調で、さらにその下の番手のラインナップも望まれていたからだという。その理由について「昨今の飛び系アイアンブームに起因するのではないか」とキャスコの広報担当は言う。

「最新のアイアンではロフトの立ったモデルが多くなっていて、『(今どきの)6、7番はもう打てない。8番もちょっと……』みたいな方がおそらく多いのではないかと考えています。ロフトの立っているアイアンの扱いに悩んでいる方は、ショートアイアンでも球が上がらなくてグリーン上で止まらない、という問題もありますし、非力な方であればあるほど(アイアンを)ダウンブローに打つことができず、高さも出せませんから」(キャスコ広報担当)

でもアイアン並みにロフトの寝たUTならロフト通りに球を上げてくれるしやさしく打てる、飛距離も“出過ぎない”というわけだ。

ちなみに、今回追加された42度のUFOと同ロフトのピッチングウェッジでそれぞれ100ヤードの距離を打ち比べるとどのような違いが出るのか。メーカーがアマチュアに対し行ったテストでは、スピン量の平均値はウェッジが約7900回転、UFOが約5800回転と差が出たが、UFOは弾道の最高到達点がウェッジよりも高く、それによってトータル飛距離に関してはほぼ同等の結果が出たという。

飛び系アイアンが隆盛を極めることで、ウェッジ並みのロフトのユーティリティが登場する。必要は発明の母というが、これもそのひとつと言えるかも。

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