見た目では判断できないシャフトの進化。だから違いがわかる男が実際に打ってその性能を判断する。新作シャフトの傾向について堀越良和プロが一挙試打!堀越プロの評価をもとに、話題のモデルからベストな一本を選んでみては。あなたのゴルフをまた一歩、前進させるかも?

新感覚の加速感!スウィングリズムの安定とインパクトの強さを両立
フジクラ「スピーダーエボリューションⅦ」

藤倉コンポジットは、2018年のモデル『スピーダーエボリューションⅤ』をベースに、最新のヘッドに合わせた最適な剛性設計を取り入れることでアップデートしたシリーズ7代目『エボリューションⅦ』を2020年9月から発売している。超高弾性炭素繊維平織シート「70tカーボンクロス」を採用。層間のズレが非常に少ないため、インパクト時のブレを抑えるとともに、距離や方向の安定性が高まるなど、多くのメリットを持つ。また、エネルギーロスが小さく、伝達効率に優れているため、出力を自在にコントロールできる。

また、潰れや曲げの強度を高める「マルチフーププライ積層設計」を採用。しなり量を適正に抑えることが可能となり、スウィングの再現性を高めることに貢献している。そして『Ⅳ』から受け継がれている「MCT®(メタルコンポジットテクノロジー)」により、安定感の高いしなり戻りを実現している。

画像: 「スピーダーエボリューションⅦ」

「スピーダーエボリューションⅦ」

「『スピーダー』シリーズの奇数モデルは基本的に先中調子の走り系。でも『Ⅶ』は走りすぎない感じで、つかまり具合がちょうどいいです。少しトウ寄りに外しても左に巻かないし、下寄りに当たってもロフトが立ちすぎず、つかまる感覚で打ち出し角度もそこそこいい感じで飛んでいきます。大型ヘッドに合うと思いますね。」(堀越)

ツアープロの要求に応えて操作性をさらにアップ!
トライファス「バシレウスベータ2」

プロツアーが認めた強弾道設計の初代『バシレウスβ』が、5年の歳月を経て進化した。「フェースに乗る」「しっかりたたける」「自在に操れる」というツアープロの要望に、さらに高次元で応えるため、全長80t超高弾性繊維+ PAN 系40tのダブルバイアス構造、さらに超高弾性70tクロスシートを先端バイアスに配置している。

画像: 「バシレウスベータ2」

「バシレウスベータ2」

新たに配置されたのは、手元の細微なしなりによる操作性の向上。先端のメカニカルなアクションで球を「乗せ」、ハードヒッターの厚く「押し出す」インパクトを飛距離へと変換する。左へのミスの不安を打ち消し、ハードヒッターのスウィングにリニアに反応させることをメインコンセプトに、軽量モデルも低トルクに設計。あくまでも「ゴルファーが主である」ことを主眼に置き、「シャフトの全てを制御するため」の設計となっている。新たに40g台の「軽量高剛性スペック」もラインナップされている。

「切り返しでしなりを感じ、リリースが静かに進行するイメージ。軽量でもインパクトで手元が浮かず、リニアモーターカーのようなスーッと滑らかな加速感で球をつかまえてくれます。それでいてたたきにいってもつかまりすぎないので、左へのミスが怖くない。振れば振っただけ飛ばせるイメージですね」(堀越)

ブランド誕生から10周年!PGAツアープロが育んだメイド・イン・ジャパン
日本シャフト「N.S.PRO MODUS³ TOUR105」

日本シャフトの『モーダス3』シリーズは、2009年にプロトタイプがUSPGAツアーでデビューした。しかし、ハードヒッターを意識した“ただ重くて硬いだけ”の135g超のスペックでは、ツアープロの要求を満たすことが出来なかったという。そこから1年間の短期プロジェクトで「今までにない画期的な二面性を持つシャフト」の設計開発がスタートした。

画像: 「N.S.PRO MODUS³ TOUR105」

「N.S.PRO MODUS³ TOUR105」

ツアーレップのリー・オイヤーを通じて、ツアープレーヤーのフィードバックを受け、スウィングの2つのリリースタイミング、アーリーリリースとレイトリリースに適応するシャフトを目指し、極端に高い先端剛性と、極端に低い中間剛性を組み合わせることに。設計自由度が低いと言われたスチールシャフトで、独自の肉厚調整加工技術「MSAテクノロジー」を駆使し、設計限界を突破して生まれたのが初代モデル『モーダス3ツアー120』だ。その操作性の高さが評判となり、ツアーでの使用者が続々と増加。今やツアー御用達ブランドの一角を担っている。

「最近のUSPGAツアー選手の傾向として、ハンドファーストでボールをとらえようとするために、アイアンは重心距離がやや長めのヘッドを選ぶようになってきています。そういったヘッドとのマッチングがすごくいい。弾き感がある割に走りすぎず、打球の吹き上がりを抑えています」(堀越)

最新素材の組み合わせで打点が安定する、“叩ける”弾き系を実現
グラファイトデザイン「TOUR AD HD」

現代のウッドは、フェアウェイウッドも含め、大型・高慣性モーメント化が進んできている。グラファイトデザインでは、そういったヘッドのポテンシャルを最大限に引き出す新モデル『ツアーAD HD』を9月から展開している。ネーミングの「HD」は「ハイパードライブ」の頭文字から。新素材カーボン「トレカ®M40X」を先端から中間部に、先端部には「トレカ®T1100G」を使用することで先端から中間部の高剛性化を図り、インパクト時のパワーロスを極限まで軽減した。先端挙動が安定することから、打点のバラツキを抑え、スピン量の安定を実現している。

画像: 「TOUR AD HD」

「TOUR AD HD」

手元部から先端部まで合成を細分化したファストテーパー設計を採用し、振りやすさを追求。スピード感があり振り遅れにくく、ボール初速をアップさせるという。あらゆるタイプのゴルファーに対応できるよう、ラインナップは40g台から80g台まで用意されている

「バット(手元側)が太くなく、切り返しでしなってもスムーズに戻る、弾く感じがあります。でも、つかまりすぎる感じはない。左を恐れずにしっかり振っていけます。オフセンターヒットにも強いですね。フェースの下寄りに当たってもドロップせず、キャリーが出ます。スピン量も確保できています」(堀越)

王道“青マナ”が新ステージへ。大慣性モーメントヘッドを最適インパクトに導く
三菱ケミカル「ディアマナ TB」

三菱ケミカルのフラッグシップブランド『ディアマナ』シリーズは、新たなステージへと進化。次世代を担う新モデル第1弾が〝青マナ〟の伝統・王道を踏襲した『TB』シリーズだ。最新クラブトレンドである高重量・大慣性モーメントヘッドを最適なインパクト条件に導き、やさしさ=ミスヒットへの寛容性をあわせ持つ、ムーズなスウィング軌道を描く剛性分布を開発。幅広いタイプのプレーヤーにマッチするモデルを目指した。

画像: 「ディアマナ TB」

「ディアマナ TB」

炭素繊維の性能を最大限引き出す新開発樹脂「#371レジン」を採用。さらにシャフト形状の骨格を決める「マンドレル(芯金)」を従来モデルの2倍以上、カーボンシートを様々な形状に切り出して最適な位置に配置する「パターン」に3倍以上の品種の炭素繊維を用いて、より緻密にスペックバリエーションを構築。各スペック間の性能やフィーリングの違和感が最小化されている。

「素直で穏やかな挙動は従来の“青マナ”と同様のイメージ。でも、たたいても左へ行きません。それでいて右に出る感じもなく、つかまり具合がちょうどいい。オフセンターヒットしても当たり負けません。軽量モデルにありがちな手元の浮く感じもなく、スムーズなしなり戻りと振り抜きの良さを感じられます」(堀越)

「KBSツアー」に待望のウッド用モデルが新登場!
FSTジャパン「KBS TD」

ツアープロやトップアマから支持されている『KBSツアー』シリーズに、かねてより要望の高かったウッド用モデルがラインナップに加わった。アイアン用のスチールシャフト『KBS ツアー』の剛性分布を踏襲することにより、カーボンシャフトでも安定した飛距離と方向性の良さ、アイアンとリンクするスムーズなフィーリングとパフォーマンスを実現している。

画像: 「KBS TD」

「KBS TD」

多くのゴルファーにマッチするよう、重量帯は40~80g台と幅広いバリエーションを用意。「フレックスによる先入観で選ばず、自分に合ったシャフトを選んでほしい」という開発者のキンバリー・ブレイリーの思いを込めた、新しい「カテゴリーシステム」を採用。数字が小さいほど軟らかく、大きくなるほどに硬くなる設定(カテゴリー3がS相当)になっている。すでにUSPGA ツアーに投入され、トッププロたちも使用し始めており、その性能は折り紙付きだ。

「余計な動きをせず、プレーヤーの意図通りに動くシャフトですね。入射角のコントロールなどもしやすく、弾道の操作性が高いです。走り系が好きな人には物足りないかもしれませんが、ウッドでもコントロール重視の上級者には好まれるはず。他の重量、カテゴリーの違いも打ち比べてみたいです」(堀越)

誰でもたたける、飛ばせる。「アッタス」第12弾は歴代モデル初の中元調子
シャフトラボ「ATTAS DAAAS」

シャフトラボの人気ブランド「アッタス」シリーズも第12弾がデビュー。歴代モデルの剛性分布を検証し、クセがない振り心地はそのままに、手元のしなりを追求。手元部分よりもグリップ下付近をやわらかくしならせることで、通常の元調子系よりもしなりを感じやすい設計に。結果、ダウンスウ
ィングで自然にタメを作ることができ、打ち急ぐことなく安定した弾道を実現できるという。

画像: 「ATTAS DAAAS」

「ATTAS DAAAS」

また、最近の慣性モーメントの大きいヘッドに対応すべくロートルクも追求。過去のたたき系シャフトに使用した素材よりも粘りのある素材を採用しつつ、先端部には高弾性「トレカ®M40X」を使用することで弾き感を演出。この配置によるトルクを抑えるテクノロジー「S.T.T(StrikeTorque Technology)」を新たに開発し、ヘッドのブレを抑えることで、ポテンシャルをさらに引き出すことができる。フレックスにSRやSXを追加し、多様なニーズに応えられるラインナップを用意している。

「少し手元が太い感じ。ワッグルすると手元寄りでしなりを大きく感じます。でも振ってみると、意外としっかりしています。しなり戻りはヘッドとシャフトの先のほうがブーンとひとつのカタマリになって振り抜ける感じ。たたける“厚い”インパクトを実現してくれます。直進性が高く、高い弾道になります」(堀越)

This article is a sponsored article by
''.