ピッタリ寄せるつもりで打ったのに、ボールの手前にクラブがザックリ……これから冬を迎えてグリーン周りの芝が薄くなると起こりがちなミスといえばこれだ。こんな悲劇を防ぐため、USLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬に失敗しない冬芝のアプローチを教えてもらおう!

ロフトの立ったクラブを選ぼう

芝が元気な10月までとは変わって芝と地面の隙間がなくなってくるのが11月以降の季節。ボールと地面との隙間がないことが、ザックリのミスが出やすい要因だ。

そんな薄芝からのアプローチでは、サンドウェッジ(SW)ではなくピッチングウェッジ(PW)など、ロフト角50度以下のクラブを使うのがいいと小澤美奈瀬は言う。

画像: 冬芝のアプローチにはSW(58度)、48度のウェッジ、UT(23度)の3本の選択肢の中から48度とUTの使用を勧める小澤美奈瀬プロ

冬芝のアプローチにはSW(58度)、48度のウェッジ、UT(23度)の3本の選択肢の中から48度とUTの使用を勧める小澤美奈瀬プロ

「SWを使用している人には、50度以下のロフトの立ったウェッジを使うことをおススメします。クラブのロフトが立っていることで、ボールと地面の隙間にリーディングエッジを入れようとするのではなく、自然とフェース面でボールを打つことが意識できます。打ち出しは低くなるので手前から転がしてピンに寄せるイメージを持ってください」(小澤美奈瀬)

画像Aは冬芝になった地面とボールの隙間が少なくなった場所で58度のSW(左)と48度のウェッジ(右)と比べたもの。左のSWはリーディングエッジが芝に刺さり、いかにも手前に刺さりそうに見えるが右の48度のウェッジではそうは見えない。この10度のロフトの違いが重要なのだ。

画像: 画像A:ロフト58度のSW(左)だとリーディングエッジから芝に刺さりそうに見えるが、48度のウェッジ(右)では芝の上を滑ってボールにコンタクトできそうに見える

画像A:ロフト58度のSW(左)だとリーディングエッジから芝に刺さりそうに見えるが、48度のウェッジ(右)では芝の上を滑ってボールにコンタクトできそうに見える

打ち方はいたってシンプルだ。右足つま先の前にボールをセットしてほんのわずかにターゲット方向にシャフトを傾けたハンドファーストな形にすればアドレスは完成だ。

「フェースをボールに向けたままテークバックをしたら、切り返しからお腹を使って手元をターゲット方向に動かすことで手元が先行しアドレスで作ったハンドファーストな形でインパクトすることができます。ボールを上げないアプローチなのでフォローは低くなります」(小澤美奈瀬)

画像: 画像B アドレスで作ったハンドファーストな形をキープしながらお腹の力を使って手元を先行させるように振る

画像B アドレスで作ったハンドファーストな形をキープしながらお腹の力を使って手元を先行させるように振る

UTを使えばもっとやさしい

22度や24度のUTであればリーディングエッジが芝に刺さるザックリのミスはまず起こらないため、ぜったいにミスしたくない場面では有効。ただし長さもありロフトも立っていることで飛び過ぎる可能性がある。ポイントは思い切って短く持つことだと小澤。

「グリップとシャフトの境目くらいまで短く持つとパターのようにストロークできます。ボールに近く立って手首を使わずにパットと同じイメージでストロークします。左腕とクラブを一直線にしたまま振ると飛び過ぎずに距離感も合わせやすいですよ」(小澤)

画像: 画像C シャフトとグリップの境目付近を短く握りボールの近くに立ち(左)パットと同じようにストロークする

画像C シャフトとグリップの境目付近を短く握りボールの近くに立ち(左)パットと同じようにストロークする

「芝の薄くなったグリーン周りではできるだけロフトの立ったクラブを選ぶとやさしくなります。そういう意味ではパターの選択肢も大いにアリですがグリーンに到達するまでに芝の影響を受けやすいのでPWやUTでの練習をしてみてはいかがですか」(小澤)

季節に合わせたクラブ選択でスコアメイクをするのもゴルフの楽しみの一つ。ぜひお試しあれ。

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