2019年のルール改正によってできるようになった、ピンを差した状態でのパッティング。もはやすっかり日常風景の感があるが、「気を付けなければいけない点もあります」というのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

ピンの傾きに注意しよう

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。この間久々にプレーに行ってきました。とても楽しくプレーできたのですが、ちょっと気になったことがあります。それはピンを差したままのパッティング。

2019年1月に行われたルール改定によってグリーンに乗ってもピンを差したままパッティングをしても良いということになりました。私も時短になるので差したままパッティングすることが多かったのですが、よくピンに弾かれるんですよ。

画像: 2019年のルール改正によって認められるようになったピンを差した状態でのパッティングには「意外な落とし穴がある」と小倉氏は言う(撮影/圓岡紀夫)

2019年のルール改正によって認められるようになったピンを差した状態でのパッティングには「意外な落とし穴がある」と小倉氏は言う(撮影/圓岡紀夫)

そんなのお前のパッティングが強すぎるだけだ! という声がたくさん聞こえてきそうですが、たしかにそうです(笑)。もともと私はカップの向こう側にぶつけて入れる結構強めのタッチで打っていたのですが、それが通用しなくなってしまいました。自分では絶対入っているタッチなのに弾かれちゃうんです……。ルール上は抜いても良いのですが、コロナの影響でピンに触るのもあまりよろしくない状態になってきましたから個人的には由々しき問題なのです。

ツアープロやメディアなどが、ピンを差したままと抜いた状態どちらが入る確率が高いのかという実験をやっていて、どの結果も概ね「ピンを差したままのほうが入る確率が高い」というものでした。とある実験ではピンの素材などにもこだわってやっていましたね。

ここからは個人的な考察ですが、これはピンが垂直にしっかりと固定されている場合かなと思っています。ゴルフコースで用いられるピン、旗竿は外径や横断面に規定はあるものの、固定方法に大きな決まりはないようです。そのためピンの中には傾いてしまうものもあるでしょう。

ピンが一方向に傾いていると当然傾いている側の入り口は狭くなりますから、弾かれる確率は高まります。2019年のルール改定を意識して改良されたピンならまだしも、もともとのピンは2メートル以内から差したままボールを入れる前提で作られていないのですから、多少の傾きは仕方ないでしょう。

その対策として、私はラインを読むときにピンの傾きも一緒に確認するようにしています。もしこちら側に傾いていたら、中心に差し直して打つようにしています。

ゴルフ規則ではストローク前にピンを差したままにしておくことに加え、ホールの中心に立つように差し直すことも認められています(規則13.2a)。

ただし、認められているのは中心に立つよう差し直す場合のみ。たとえば、ボールが入りやすくなるように故意にピンを傾けるといった行為は一般の罰となるため注意してくださいね。

とはいえ、弾かれるときは何やったって弾かれるんですけどね……。みなさんはそんな経験ありませんか?

 

This article is a sponsored article by
''.