小野田プロはスピンの少ない高弾道ドローでキャリーが5ヤード伸びた!
9月の初めに米国と欧州のツアーに投入されると、契約選手はもちろん、契約外の選手も手にするなど話題となったタイトリストのニューモデル「TSi」ドライバー。PGAツアーでは新シーズン使用率No.1を獲得し、ただいま最も人気の高いシリーズとなっている。プロが求める性能が詰まったドライバーということが証明できそうだ。ちなみに現在の使用状況は、米・欧州・国内男子ツアーあわせて130人以上もの選手が「TSi」を実戦投入している。モデル比率は米・欧州ツアーで「TSi3」が約7割、「TSi2」が約3割なのに対し、国内男子ツアーでは「TSi3」が約3割、「TSi2」が約7割と、傾向が異なるのも興味深い。まずは「TSi2」を愛用する小野田プロに登場してもらおう。
静岡県出身の小田野享也プロは、大学3年の時に出場した「中部オープン」で大会史上初となるアマチュア優勝を遂げ、14年にプロ転向。19年は賞金ランク96位に終わったが、平均ストローク72.27、パーオン率は67.66%で15位、好データを残し今後の活躍が期待されている。
シーズン途中に『TS2』から『TSi2』へとスイッチしたわけだが、その理由は「クラブの進化を明確に感じ取れたから」で、スムーズに移行できたという。「『すぐに使いたい』と思ったのは、飛距離の差が実感できたことが大きいですね。データ上も、コースで実際に打ち比べてもキャリーで5ヤードほど飛距離が伸びていました。全体的にスピン量が減ったのが飛距離アップに貢献していると思います。振っても吹けない、高弾道でしっかり飛んでいたのが好印象でした」と、より低スピンになったことが飛距離アップにつながったと話す。
今季は飛距離アップを求めて、またさらに高いレベルのプレーを目指して、スウィング改造を決断。フェードからドローへと球筋を変えた。このことも『TSi2』がハマった要因だったという。「アウトサイドインにカットに振っていたので、それを矯正したくてやや右に出して落ち際に左へ曲がるドローへと球筋を変えたんです。けれどスウィングで無理してボールをつかまえにいけば、左へのミスが気になります。つかまりのいい『TSi2』なら、やや右に打ち出していっても、『戻ってきてくれる』という安心感が持てています」。右に抜けるドローヒッター特有のミスが出にくく、イメージ通りのスウィングができているそうだ。
自信を持って振れているのは、ミスに強いことも後押ししている。「タイミングがズレて『これは助からない』と思った弾道でも、それほど曲がらず、ラフで止まっていることが多いですね。また、ミスしてヒールヒットしても右に曲がる度合いが少ないと感じています。ミスはミスとして受け入れなければダメな時もあります。ただ、その度合いが狭まり、次の一打でチャンスが残されるのは、とても大きいことです」。ミスヒットに対する寛容性の高さは、スコアアップに直結するほどと感じている。飛距離アップとともに「すぐに使いたい」と思わせた要素だろう。
アドレスがしやすい点も気に入っている。プロでも調子を崩す原因はアドレスにあることが少なくなく、その効果は侮れない。「ヘッド形状は綺麗な曲線で違和感なく構えられます。またフェース中央が強調されたデザインなので、毎回同じ位置にボールを置きやすいんです。ちょっとしたことですが、同じアドレスを取るのは簡単ではありませんから、嬉しいですね。」(小野田プロ)
改めて飛距離アップが小野田プロにもたらすメリットについて尋ねると、「ドライバーのキャリー5ヤードは、1打以上の価値があると思っています。例えば、越えられなかったハザードをクリアできるようになれば、チャンスは広がります。それが1ラウンドで何ホールか出てくれば、4日間では大きな差になります。数字にすればたった5ヤードかもしれませんが、スコアにはとても大きな影響力を持っているんです」と、ツアーを戦うプロらしいコメントが返ってきた。「飛距離が出て、ミスヒットに強い、その上感触も良くて構えやすい、進化したドライバーは多くのゴルファーのプレーを助けるはず」と、我々アマチュアゴルファーも試すべきとアドバイスをくれた。
「スピン量が安定したから試合でも思い切り振れる」と幡地プロも『TSi2』を絶賛
今年11月に行われた「医療従事者応援・ISPS HANDAゴールデン・ミックス・トーナメント!!」で、プレーオフを制し優勝した幡地隆寛プロ。2019年は賞金ランク67位でシード権を逃したものの、ドライビングディスタンスは日本人選手歴代最高となる315.3ヤードを記録。スケールの大きなゴルフが魅力だ。
優勝した試合でも手にしていた『TSi2』。ドライバーを換えて実感しているのがスピン量の安定だ。ヘッドスピードの速い幡地プロは、クラブの入り方がちょっと変わっただけで大きくスピン量が変化してしまうのが悩みだった。ややロフトがつけばスピンが増え、フェースの上目に当たればドロップ気味と、どちらも飛距離をロスするので思い切り振れなかったという。
「『TSi2』を打って驚いたのは、少々打点がズレてもスピン量が安定すること。だから余計なことを考えずに安心して振れる。お陰でショットが安定しています」。大したミスではないのに、大きな差が出ていたスピン量が、一定のレベルで安定したことで、ドライバーショットに自信が持てたわけだ。
『TSi2』のつかまりの良さも、理想的なフェードボールに貢献している。「僕はローテーションをしやすいタイプ。だけど、ここ一番は絶対に左に行かせたくないんです。ですからつかまりの良いヘッドとの相性がいいんだと思います。クラブがつかまえてくれると思えば、スウィングで無理することがなくなりますから。向いた方向に打ち出し、右に曲がるフェードが打ちやすいです」(幡地プロ)
構えやすさについても話を続ける。「開いて構える癖があるんですが、『TSi2』は座りがいいので同じところで構えられますね。真っすぐ出していくイメージが持ちやすい形状も気に入っています。食いつきのいい打感で、フェースに乗っている時間もあるので、出球のコントロールもしやすい。とにかく、良いショットの感触が残るから、気分良くラウンドできます」と、ピタリとフィーリングが合うようだ。
『TSi2』に換え、スピン量が安定したことで球のバラつきが抑えられたという幡地プロ。使うほどにクラブへの信頼感が増している。「フルスウィングをすると出球がコントロールできないので、いつも試合では6〜7割で振っています。『ここは勝負』というときでも8割が最大値でした。でも、『TSi2』に換えて、徐々にその基準を上げられています。キャリー310ヤードで越えればチャンスという場面でも、思い切ってチャンレジしていける。そんな勇気をくれるドライバーです」(幡地プロ)
操作性を求めるなら「TSi3」がおすすめ。どちらを選ぶかはあなた次第
『TSi』シリーズのドライバーにはもうひとつ、洋ナシ型のヘッド形状を持つ『TSi3』もラインアップ。幡地プロはこちらも試打してその性能を十二分に理解。そこで『TSi3』についてのコメントももらうことにした。
「タイトリストの伝統的なヘッド形状で、とても構えやすいです。打ってみると、『TSi2』よりも遊びがあって、操作性が高いと感じます。ヘッドがブレにくいから振れる『TSi2』に対し、意のままに操れるのが『TSi3』。スウィングタイプやプレースタイルに合わせて選べば間違いないでしょう」それぞれの個性を踏まえて選ぶのが賢明だろう。
数々のコメントから、愛用する2人のプロに極めて高い満足度が感じられた『TSi』シリーズのドライバー。その進化はプロだけでなく、我々アマチュアにも大きなベネフィットを与えてくれるはずだ。