AIが初めて「JAIL BREAKテクノロジー」を設計!
新モデルが発表されると、ドライバーに目を奪われがちだが、フェアウェイウッドとユーティリティも新作では大きな変化を遂げている。2本の柱からブレードへと進化した「JAIL BREAKテクノロジー」を、今作では初めてAIが設計。その結果、フェアウェイウッドでは2本のブレード状の間隔が広がり、ユーティリティでは逆ハの字へと構造が変化。フェースのたわみ量がアップし初速アップはもちろん、スピン量や方向性を安定させることに成功したのだ。

2本のブレードの感覚が広がったFW(写真左)と逆ハの字状となったUT(写真右)
ラインナップはそれぞれ2モデル。フェアウェイウッドが低&浅重心の「EPIC SPEEDフェアウェイウッド」と、ラージヘッドでドローバイアスの「EPIC MAXフェアウェイウッド」。ユーティリティがエクストリーム・タングステンウェイト採用でミスに強く球も上がりやすい「APEXユーティリティ」と、操作性の高いコンパクトヘッドの「APEX PROユーティリティ」。どちらもターゲットを明確にしたヘッドだ。

写真は左から「EPIC SPEED」「EPIC MAX」のFWと「APEX」「APEX PRO」のUT
バランスが良くプレッシャーの掛かるシーンでも平常心が保てる「EPIC SPEED」
「キャロウェイのフェアウェイウッドって、昔から顔がいいんだよね」と言いながら試打を始めた吉田プロ。新作のヘッドを見ると、「適度な大きさで安心感がある。フェースはストレートで、そのトウ側に絶妙な丸みがあるからイメージも出しやすい」と、見た目の美しさに満足気だ。

「EPIC SPEED」(写真左)はシャープな顔つき。「EPIC MAX」(写真右)は一回り大きなヘッドで安心感がある
人工芝の上から放ったショットは、ロフト15度の3Wでヘッドスピード44m/s、飛距離261ヤードをマークした。「文句なしの飛距離ですね。飛び過ぎってくらい飛んでいるから、仮にバッグに入れるなら5Wからでいいかもしれません(笑)。振り抜きがいいので、飛距離はもちろん方向性も高まりそうです」(吉田プロ)

1発目からナイスショットを放ち、260ヤード前後の飛距離をたたき出した。方向性も文句なし
バランスの良さも気に入った様子。「適度にフェースの厚みがあるので、ティショットでもフェアウェイからでも打ちやすいと思います。ティショットでフェアウェイウッドを持つ時って、ホールが狭くプレッシャーのかかるケースが多いですよね。そんな時でも、『EPIC SPEEDフェアウェイウッド』ならスピン量の少ない風に強い球が出ているので、安心して振れそうです」と、データを見ながら顔をほころばせた。

「適度なフェースの厚みと風に強い低スピン系のボールで安心して打てる」と吉田プロ
「EPIC MAX」はつかまる、上がる! 絶対的な安心感でラクに打てる
ラージヘッドで慣性モーメントが大きく、ドローバイアスでつかまりやすい「EPIC MAXフェアウェイウッド」。吉田プロは「フェアウェイウッドが苦手になる主な原因は、“球を上げにいくこと”と“飛ばしたい欲張りな気持ち”の2つ。やや大きめのヘッドで、“つかまってくれる安心感”があるヘッドは、アマチュアの救世主」と、苦手意識を払拭させる可能性があると話す。

「EPIC MAX」(写真上)はシャローフェースで上がりやすさ、つかまりが抜群。写真下は「EPIC SPEED」
ロフト15度(3W)の試打結果は、HS46m/sで飛距離は「EPIC SPEEDフェアウェイウッド」と同等の261ヤード。こちらの方が、やや打ち出し角が高く、スピン量も多めで球が上がっている印象だ。
「これだけ上がってくれるなら、フェアウェイからのショットをラクにしてくれますよ。ミドルアイアンを打つような力感で振っても、ボールが上がって前に飛びます。トウやヒール、ちょっとしたミスでも球の勢いが大きく落ちることもない。フェアウェイからのショットのイメージが変わると思います」と、クラブが長く地面から打つ難しいフェアウェイウッドが、やさしく打てるようになると話す。

この日の最大飛距離は「EPIC SPEED」と同じながら、弾道はより高くスピンも多めだった「EPIC MAX」
ライが悪くミートしにくいところからも結果が出せる「APEX」のUT
オーソドックなヘッド形状で構えやすく、タングステンウェイトで重心位置を最適化。ミスヒットに強く、ボールが上がりやすい「APEXユーティリティ」。吉田プロが、ロフト21度(4H)を打つと、HS41m/sで飛距離239ヤードをマークした。「前に行きながらもボールが上がってくれて、しっかりとキャリーが出ています。上がった分、球が弱くなることがなく、フェアウェイからでもティショットでも頼りになりそう」と、その弾道を高く評価する。

ややフェースが厚く大きめな「APEX」(写真右)。写真左はシャープな「APEX PRO」
試打を続けるとミスへの強さも感じたようだ。「多少打点がズレても、スピン量や出球のバラツキが少ないですね。ユーティリティは、左足上がりや下がり、ラフなどライが悪くミートしにくいところからも打つクラブなので、この安定感は武器になります。弾きがいいから、ハーフショットでも距離が稼げて、いろんなシチュエーションで役に立ちそうです」(吉田プロ)
ミスへの強さや高い飛距離性能は、フルショットに限らず、困った時に威力を発揮するわけだ。

吉田プロは飛距離だけでなく「APEX」のやさしさや対応力も高く評価した
「APEX PRO」は上げる、抑える、曲げる、イメージ通りの弾道になる!
ティショットをミスしてセカンドで距離が残った時や、長めのパー3のティショットなど、使用頻度の高いユーティリティ。状況によって球筋をコントロールしなければならないケースも少なくないだろう。そんな時に威力を発揮するのがコンパクトなヘッドの「APEX PROユーティリティ」だ。吉田プロも「ロングアイアンのような感覚で打ちやすいです。球筋をコントロールしやすいので、ある程度ボールの打ち分けができる人向き」と、その印象を語る。

球筋をコントロールしやすそうな形状の「APEX PRO」(写真左)。写真右は「APEX」
ロフト23度(4H)で飛距離は237ヤード。「APEXユーティリティ」よりもスピンが多く、データからも弾道が操作しやすいことが想像できた。「いろいろな弾道が打てるので、ティショットで使ってみたいですね。風の影響を受けないように、抑えて打ってフェアウェイを狙うなど、このクラブならいろいろやりたくなりますね。コンパクトなヘッド形状は、ラフから躊躇なく打てるのも魅力です」と、具体的なシチュエーションを連想させる、抜群の操作性があるようだ。

それぞれ性格が異なる2つのモデル。UTに何を求めるかで選びたい
フェアウェイウッドとユーティリティ、タイプの異なる2モデルを打ち終えると「ターゲットが明確で特徴のあるクラブなので、選びやすいと思います。また、どのヘッドもバランスがいいので、結果も出しやすいはず。いつもならアイアンでレイアップする状況でも、“狙ってみよう!”って、その気にさせるクラブ。ゴルフが楽しくなること間違なしです」と、締め括った。