咋秋に発売されたタイトリスト「TSi」シリーズに、今春、軽量でつかまりのいい「TSi1」とヘッドサイズ430ccと小ぶりの「TSi4」の2モデルが追加され、「TSi2」「TSi3」とともに4本が出揃った。その4モデルの性能を、プロゴルファーの鈴木悠介の試打とクラブ設計家の松尾好員氏のヘッドデータ分析で明らかにしてみよう。

軽量の「TSi1」はヘッドスピードがアップ、球も上がりやすい

「TSi」シリーズのドライバーは今シーズンのPGAツアーで使用率No.1をキープ。4シーズンぶりに復活優勝を遂げたジョーダン・スピースに、WGCデルテクノロジーズマッチプレーを制したビリー・ホーシェル、LPGAではゲインブリッジ選手権で勝利したネリー・コルダなど、今季好調な選手の活躍を「TSi」シリーズが支えている。4本の中から自分に合ったモデルを選べれば、大きな武器になってくれるのは間違いなさそうだ。まずは、新たに登場した「TSi1」を俎上に載せてみよう。

Sフレックスで300gを超える「TSi2」&「TSi3」に比べ約30g、1割程軽く作られている「TSi1」は軽量モデルながら、LPGAの勝利に貢献するポテンシャルの高さが魅力だ。

画像: 「TSi」シリーズ最軽量モデルの「TSi1」ドライバー

「TSi」シリーズ最軽量モデルの「TSi1」ドライバー

試打者の鈴木悠介プロは「軽くて振り抜きやすく、実際にヘッドスピードが1m/s上がりました。適度にスピンが入るのでボールが上がりやすく、非力な人でも球を上げてキャリーで飛ばせるモデルですね」と、力まず打てるやさしいヘッドだという印象を受けたようだ。

画像: 試打者の鈴木悠介プロ(写真左)と、クラブ解説はクラブ設計家の松尾好員氏(写真右)。

試打者の鈴木悠介プロ(写真左)と、クラブ解説はクラブ設計家の松尾好員氏(写真右)。

クラブ設計家の松尾好員氏は、超軽量の仕様でより高弾道が打ちやすいと分析する。「重量が軽くて振りやすい。4モデルのなかでは唯一のフックフェースで、構えたときに球がつかまるイメージが持てます。高重心設定で、リアルロフト角も多め。ヘッドスピードの遅いゴルファーでもスピンが入って球も上がりやすく、弾道も安定しやすいです」(松尾)

ツアーで証明された「TSi」シリーズの高いパフォーマンスに、振りやすさやつかまりをプラスしつつ、重量だけは削ぎ落とした「TSi1」。飛距離アップを望むゴルファーの選択肢のひとつになるのは間違いなさそうだ。

(※)2021年4月26日時点の成績より

小ぶりヘッドの「TSi4」は低スピンで強い弾道が打ちやすい

もう一つの新作「TSi4」は430ccの小ぶりなヘッド。いかにも強い球がでそうな顔つきで、アドレスすれば難しそうな雰囲気も感じられるが...

画像: 430ccとクラシカルで小ぶりな洋ナシ形状ヘッドの「TSi4」ドライバー

430ccとクラシカルで小ぶりな洋ナシ形状ヘッドの「TSi4」ドライバー

「“ドーン”という中弾道の棒球で、とにかくボールスピードが速く飛びますね。小ぶりなヘッドですが、それほど難しくないし、小さい分、振りやすい。アゲンストで飛距離が出ない人やバックスピン量が多過ぎて飛距離をロスしている人にもぴったりです」(鈴木プロ)

松尾氏は「輪郭が丸く、小ぶりなヘッドは、操作性がよく、球をつかまえやすい。スイートスポットの位置がフェース中央よりもややトウ寄りで、フェード系弾道に操作しやすく、浅い重心深度によりスイートスポットの高さも低いので、低スピンになりやすいですね」と、操作性が良いと評価する。

ホールレイアウトに合わせて球を打ち分けたい、フェード系だがスピン量を増やしたくないといったゴルファーにはベストマッチ。それでいて、よりボールスピードが出せるので飛距離にもこだわれる。難しさの中にも、やさしさを秘めているモデルだといえる。

新素材フェースとヘッドの空力設計が高初速の秘密

ここで「TSi」シリーズ4モデルに共通する飛びの進化の秘密を紹介しよう。まずはフェース全体の素材として新たに採用された「ATI 425チタン」。これは従来の「6-4チタン」に比べて変形しにくく、強度と柔軟性が飛躍的に高められたという革新的な素材。そのためフェースを薄くすることが可能になり、なおかつヘッドモデル、ロフトごとに肉厚を最適化することでボールスピードの向上に貢献。と同時に薄肉化による余剰重量をモデルごとに最適配置することで、慣性モーメントをより大きく、重心位置もより最適化することができたという。

画像: 航空宇宙の分野でも採用されている「ATI 425チタン」をフェース素材として採用

航空宇宙の分野でも採用されている「ATI 425チタン」をフェース素材として採用

また、それぞれのヘッドの空力特性を大幅に向上させていることも「TSi」シリーズの特徴。この2点によってフェースの広い範囲で圧倒的に速いボールスピードを実現し、飛距離アップを可能にしたのだ。

画像: 「TSi」シリーズ4モデルともに初速の速さを感じるという鈴木プロ

「TSi」シリーズ4モデルともに初速の速さを感じるという鈴木プロ

人気の「TSi2」はミスに強く直進性が高い万能ヘッド

続いて紹介するのは昨年秋に発売され、多くのゴルファーに支持されている「TSi2」。大型ヘッド時代のオーソドックスな形状だ。直進性が高く、やさしくボールをつかまえ大きく飛ばせる、4つの中では、一番守備範囲が広い万能ヘッドといえるだろう。

画像: 高慣性モーメントでミスヒットにも強い設計、幅広いユーザーに対応する「TSi2」ドライバー

高慣性モーメントでミスヒットにも強い設計、幅広いユーザーに対応する「TSi2」ドライバー

「横幅が広い丸型形状で、いかにもやさしく打てそうなイメージ。深い重心深度と大きな慣性モーメントを持ち、芯を外れたミスヒットに、より強くなっている。後方が低いシャローバック形状なので、アッパーブローがイメージしやすく高い弾道が打てます」(松尾氏)

鈴木プロも「多少、芯を外しても曲がりが少なく、飛距離もほとんど変わらない。投影面積が大きいので安心感があり、弾くような爽快な打感と打音は、さらに飛んでいる気にさせてくれます」と、ミスへの強さを感じた様子。

これまでなら林にいっていたミスも、ラフで止まってくれるやさしさがある「TSi2」。左右にミスの心配があるゴルファーなら、まずは右へのミスは大怪我にはならない、そんな自信を持たせてくれるだろう。

顔が良くて叩ける「TSi3」はPGAツアーで高使用率を誇る

打たずとも「これだ!」と思わせる、伝統的な洋なし型のヘッドは、ジョーダン・スピースやビリー・ホーシェルらPGAツアーの選手からも人気が高い。その理由を、まずは鈴木プロが代弁する。

画像: ソール後方に全5段階でトウ・ヒール側に調整できる可変ウェートを搭載した「TSi3」ドライバー

ソール後方に全5段階でトウ・ヒール側に調整できる可変ウェートを搭載した「TSi3」ドライバー

「とにかく吸い付くような打感は、打っていて気持ちいいですね。それでいて飛距離が出て、球も強く風に負けない。逃げ顔で、左を恐れずに叩けるのもツアープロが好むポイント。決め手は、フックやフェード、球の高さも操作性しやすいヘッドであること。マイナス要素が見つかりませんね」(鈴木プロ)

操作性の良さは松尾氏も納得のようだ。「インテンショナルにドロー、フェードと弾道を操作できます。前モデル「TS3」より重心距離が長く、重心深度も深くなり、ヘッドの慣性モーメントが少し大きくなり、重心の高さも標準的で適度なスピンを得やすくなって、弾道がより安定します」(松尾氏)

やさしく打ちたいけど、つかまり過ぎるのは振りにくい、球の打ち分けもしたいけど、飛距離に妥協はできない。そんなわがままなリクエストにも、すべて応えてくれるのが「TSi3」。打てば、この完成度の高さに惚れ惚れするだろう。

今回新たに2モデルが加わり、全4モデルとなった「TSi」シリーズ。どれも初速が速く、飛距離が出る上、ミスに強いのが共通点。異なる性格を見極め、自分に合ったモデル選びを楽しんでみては。

This article is a sponsored article by
''.