プロギアの「LS」シリーズと共に発売された「05アイアン」は、プロギアアイアンズシリーズのNEWモデル。ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーが「しっかり飛ばせて狙えるアイアン」をテーマに、3レングスという工夫が盛り込まれている。みんなのゴルフダイジェスト編集部所属でプロゴルファーの中村修が、その特徴を検証した。(協力/船橋カントリークラブ)

ミートしやすくシンプルに距離を打ち分けられる

6番からのセットアイアンを一目見ると、「05アイアン」の持ち味がすぐにわかる。ミドル、ショート、ウェッジで、それぞれクラブ長が統一され、3レングス仕様になっているのだ。6番と7番が37.5インチ、8番からPWが36.5インチ、48度からの3本のウェッジが35.5インチ。クラブが8本あるものの、長さのバリエーションは3つ、ロフトは7番で30度だ。

画像: 6、7番が37.5、8〜PWが36.5、48度からのウェッジが35.5インチという設定

6、7番が37.5、8〜PWが36.5、48度からのウェッジが35.5インチという設定

「まず、長さが3種類なので、スウィングがシンプルになりますね。クラブが8本あれば、ボールと体との距離や左右のボール位置を、8通り用意しなければなりませんが、これならミドルとショート、そしてウェッジと3つでいい。だから必然的にミートしやすくなって、ミスが減らせます。アイアンはクラブ長が長くなるほど、『ミートしにくくなる』と苦手意識を持つゴルファーが少なくないのですが、そんなゴルファーでもやさしく飛ばすことができると思います」と、3レングスのメリットを語る中村。

画像: 中村プロはまず「スウィングがシンプルになる」と3レングスのメリットを解説

中村プロはまず「スウィングがシンプルになる」と3レングスのメリットを解説

多くのゴルファーが悩む、長い番手での距離の階段、具体的には「6番と7番の距離の差が出にくい」問題も、長さが同じことでミートしやすく、ヘッド性能やロフトの違いで距離を打ち分けられるという。

長さだけじゃなく、他にもミートしやすい理由があると中村。「ヘッドの重心やクラブ重量、バランスなど距離を打ち分ける上で大切なもののバランスが整っていると感じます。すべて専用設計だからなせるワザ。同じ長さはロフトピッチを5度、長さが変わるところは4度にするなど、細かな設定も効いています」(中村)

一般的な飛び系アイアンはロング番手のロフトピッチが詰まっていて、番手が長くなるほど飛距離差を出しにくくなる。それに対して短い番手は、逆に飛距離差が大きくなってしまうという傾向がある。「ところが『05アイアン』はその難題を長さとロフトで解決して、番手ごとの飛距離の階段をきれいに作っている。だから飛ばして狙えるアイアンとなっています。完成度が高いですね」(中村)

画像: 重量やロフト等の設定を工夫されているので、しっかりと距離を打ち分けられる

重量やロフト等の設定を工夫されているので、しっかりと距離を打ち分けられる

3レングスアイアンは、試行錯誤の賜物だ

ミドルとショート、そしてウェッジと3つの長さの「05アイアン」。このアイアンが製品化されるまでには、長い道のりがあったという。まずプロギアがアイアンセットの長さに注目したのは約10年前。「アイアンは飛ばすものじゃなく、狙うもの。とことん方向性の良いクラブを作りたい」と、7番をウェッジのように振るために、2インチ短くして従来のピッチングウェッジの長さに設定したセットを試作。

画像: 2インチ短いセットは長い番手で高さが出ないために距離が落ちてしまう結果に

2インチ短いセットは長い番手で高さが出ないために距離が落ちてしまう結果に

しかし、「打ちやすいけど、番手が長くなると球が上がらずスピンも入らない」と試打した中村が言うように、PWでは128ヤードとまずまずだが、7番160ヤード、5番164ヤードと球が上がりやすいヘッドが使われていたにもかかわらず、思うような結果が得られなかった。この段階で製品化されることはなかったが、長さや重さがスウィングに及ぼすデータが蓄積されることとなる。

画像: 次に試作したのがワンレングス。アメリカでは使いこなして活躍するプロもいるが‥

次に試作したのがワンレングス。アメリカでは使いこなして活躍するプロもいるが‥

それから5年が経った頃、ワンレングスアイアンを使用したプロがPGAツアーで活躍。そのプロに感化されて、全番手8番の長さに、同じ振り心地になるように細かい調整が加えられたワンレングスアイアンを試作する。

試打した中村のデータは、PW117ヤード、7番145ヤード、5番160ヤード。「ロフトが寝ていれば問題ないが、ロフトが立ってくるとヘッドスピードが出ないので球が上がらない。結果、距離が出ません。シャフトが短くしなりも使えない。それにウェッジが長くなるので目標を狙いづらい」(中村)。短くすることで打ちやすさは向上したものの、今までと同じ作り方では難しいことがわかったという。

画像: 太グリップにするなどの工夫もしたが、長い番手ではHS不足から距離が出せなかった

太グリップにするなどの工夫もしたが、長い番手ではHS不足から距離が出せなかった

その2年後に、「05アイアン」のベースとなる試作品が登場する。ロフトを5度ピッチにして、7番から9番、PWからSWまでをそれぞれ同じ長さにした2レングスアイアンだ。「振り心地が良く、ロフト通りに飛んでいる」という中村プロの試打結果は、PW141ヤード、7番170ヤードと上々。当時、テストに協力したゴルファーからも高評価を受け、「3レングスアイアン」誕生の足がかりとなった。

画像: 2レングスではシャフト硬さを番手によって変えることも行い、好結果につながった

2レングスではシャフト硬さを番手によって変えることも行い、好結果につながった

3レングスはやさしさだけじゃない、アイアンらしさがある

ヘッドスピード40m/s前後のゴルファーが「しっかり飛ばせてやさしく狙える」がコンセプトの「05アイアン」。7番でロフト30度とストロング設定だが、やさしさに振り切ったわけではなく、しっかりとアイアンらしさが感じられるのも所有感を満たすポイントだ。

画像: 右から左へと進化。ヘッドにも様々な試行錯誤が施され「05」アイアンが生まれた

右から左へと進化。ヘッドにも様々な試行錯誤が施され「05」アイアンが生まれた

見た目について中村は、「ヘッドはやや大きめで安心感があります。ヘッドサイズとソールの厚さで打ちやすさを感じますが、ちょうど良いバランス」と話し、打感についても「弾く感じが少しあるけど、吸い付くようなやわらかさも感じられますね。一般的なポケキャビに比べてマイルドで、余韻が楽しめる」と、軟鉄鍛造ボディと弾きの良いフェースとのマッチングにも文句なしの様子。

画像: それぞれの番手での打ちやすさを追求しつつ、アイアンならではの打感にもこだわった

それぞれの番手での打ちやすさを追求しつつ、アイアンならではの打感にもこだわった

シャフトには打ちごたえのある「MCI FOR PRGR」を採用する。「ロフトは立っていますが、シャフトのおかげでヘッドが走ってくれるので、番手なりの理想の弾道になりやすいですね。こう言うと、『頼りなさ』を心配する人がいますが、ヘッドとの相性が良く、引っかけやすいということはありません」(中村)

画像: 「MCI FOR PRGR」シャフトが番手なりの弾道をしっかりと生み出してくれる

「MCI FOR PRGR」シャフトが番手なりの弾道をしっかりと生み出してくれる

プロギアの歴史を振り返ると、他ブランドとは一線を画すクラブが多く生まれている。中村も「プロギアだからできたアイアン」という3レングスの「05アイアン」。今年6月の発売以来、好調なセールスも続いているそう。使ってみるとワンステージ上のアイアンショットを体感できるかも。

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