2018年のマスターズを制したパトリック・リードのスウィングから、プロゴルファー・吉田一尊がアマチュアの参考になるポイントを抽出して解説!

パトリック・リードのスウィングでまずアマチュアの参考になるポイントのひとつが、バックスウィングの上げ方です。バックスウィングではクラブをシャットに上げていく選手も多いですが、リードの場合は左手首を手の甲側に曲げる背屈の動きが入っています。

画像: 左手首は背屈させ、左ひじも曲げてオーバースウィング気味にクラブを上げていく。トップでも背屈していてフェースはオープン(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

左手首は背屈させ、左ひじも曲げてオーバースウィング気味にクラブを上げていく。トップでも背屈していてフェースはオープン(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

トップでも手首は背屈されていて、フェース面が正面側から見えるくらいオープンです。さらに左ひじも曲がっていてオーバースウィング気味、右ひざも若干ゆるませながら上げています。

要するに腕をぐっと締めているのではなく、全体的に柔らかく使っているんですね。体が固くてなかなかバックスウィングで大きく振りかぶれないという方はリードのバックスウィングをマネしてみると良いですね。

切り返しを見てみると強烈なタメが作られていますが、これも背屈によって手首が曲げやすくなっているから。ただ背屈にして大きくタメを作るとフェースが開いて右に飛びやすいというデメリットもあるので注意が必要です。

もうひとつ切り返しで面白いのが手元の動きです。後方から見てみると、切り返しで一瞬手元が体の正面側に動くんです。フェードボール打ちのキャメロン・チャンプにも同様の動きがみられますが、これは切り返しで早めに体を回転させることで腕が前に引っ張られているんです。

画像: 切り返しで手元を前に出す動きが入ることでクラブが背中側に倒れシャローにクラブが下りる(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

切り返しで手元を前に出す動きが入ることでクラブが背中側に倒れシャローにクラブが下りる(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

この手元が前に出る動きによってクラブは背中側に倒れます。いわゆるシャローイングの動きですね。よく言われているシャローイングは腕が後ろ側に倒れるタイプですが、これは腕を前に出すことでクラブを倒しているんです。

正面側へ動いた手元にヘッドもついていってしまうと典型的なドスライスの原因になるカット軌道ですが、クラブが後ろに倒れることでリードやチャンプみたいにループするようなクラブの動きが作られるわけです。もちろん強くグリップに圧がかかっているとできないので、なるべく手首を柔らかく使うことが大事ですね。

そのまま深い前傾を維持しながらアイアンのようにインパクトするのですが、もう一つ参考にしたいのがフォローでの動き。フォロースルーで腕をローテーションさせたあと、フィニッシュで止まらず手元を時計回りに回転させるイメージでクラブを抜いているんです。タイガー・ウッズなどほかの選手もフェードやスライスを打つときに同じような動きをするので、観戦していて見覚えがある方もいるのではないでしょうか。

画像: フォロースルーで手元を時計回りに回す動きが入る。これは球がつかまり過ぎるのを嫌がって起きている動きだと吉田(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

フォロースルーで手元を時計回りに回す動きが入る。これは球がつかまり過ぎるのを嫌がって起きている動きだと吉田(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

もちろんインパクトを過ぎてボールは離れているので、フォロースルーで何かをしてもボールの飛び方が変わるわけではありません。でもスウィングイメージとしてフォロースルーでクラブが巻き付いてくると左わきが畳まってつかまり過ぎてしまう気がしてしまうんですよね。

かといって左ひじを抜いてインパクトしてしまうと距離もまったく出なくなってしまいます。だからこそ、インパクトしてフォローでしっかり腕がローテーションされたあとに、「でも球はつかまえたくない」という気持ちが表れてそういった動きが起きているんです。

先ほども言ったように完全にインパクト後の動きなので、ボールの飛び方が変わるわけではないのですが、フェードやインテンショナルスライスを打つ際のイメージ作りとして、ショット前に腕のローテーション後にクラブを抜いていくリードのようなスウィングを素振りで行っておくのはオススメですよ。

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