「日本シニアオープンゴルフ選手権競技」に出場したアマチュアゴルファーの水上晃男(みずかみ・あきお)さんが8位タイと史上最高順位でローアマ(アマチュア最高順位)を獲得した。本人に話を聞くと、快挙の裏には水上さんの徹底した“準備”の力があった。

「今回、日本シニアオープンに出場するにあたり『単独でローアマを獲りたい』という思いがあり、コースの情報を増やすため練ラン(練習ラウンド)は他の選手に比べて多めにしました」と話す水上晃男さん。

2019年に出場した日本シニアオープンでは55位タイでローアマを獲得しているが、そのときは金子光規さんと同順位。単独でローアマを獲るためには「情報量を多めに入れること」が大事だと、「8月末からの毎週土曜日と指定練習日の計4回ほど練ランした」という。そのポイントは、「コースを知っている人と回ること」だ。

「開催コースであるシャトレーゼヴィンテージGCはプレーしたことがないコースだったので、コースを知っている友人にお願いをして一緒に回りました。というのも、コースを知っている人と回ると打つ前に情報を貰えるため、初めてでも2、3回プレーしたくらいの情報量を得ることができるんです。コースのクセやグリーンの傾斜などを教えてもらえるので、よりコースを理解できるようになるというわけです」

画像: 日本シニアオープンゴルフ選手権競技で史上最高順位(8位タイ)でローアマを獲得した水上晃男さん(撮影/矢田部裕)

日本シニアオープンゴルフ選手権競技で史上最高順位(8位タイ)でローアマを獲得した水上晃男さん(撮影/矢田部裕)

優勝した手嶋多一を筆頭に、日本シニアオープンの上位選手はレギュラーツアーで活躍したビッグネームがズラリと並ぶ。そんななか、アマチュアがトップテン入りできた背景には、このような綿密な準備があったのだ。

そして水上さんの準備力は、なにも今回に限ったことではない。今大会では用意されたヤーデージブックを使用したそうだが、水上さんは試合ごとに作成する”お手製ヤーデージブック”を自宅に何百冊も保管しているという。

「大会によってはヤーデージブックがないことがあるので、Googleマップの航空写真を参考に簡単なヤーデージブックを作ります。練ラン前にA4用紙に各ホールのグリーンとハザードを書いた紙を18枚、全体のコースレイアウトを書いた紙が1枚の計19枚を用意して、ハザードまでの距離やグリーンの傾斜や切れ方、コブまでの距離など自分が必要なことをメモしていましたね」

このように“お手製ヤーデージブック”をつくることは知らないコースでもスコアをまとめるために効果的だという。日本シニアオープンでのように複数回、それもコースを知っている人とプレーするのは普通のゴルファーには難しいが、これなら真似できそうだ。

画像: 水上さんの"お手製ヤーデージブック"。ハザードまでの距離やグリーンの傾斜が細かく書き込まれている

水上さんの"お手製ヤーデージブック"。ハザードまでの距離やグリーンの傾斜が細かく書き込まれている

「コースの全体図をコピーして当日の朝に風向きを書き込むだけで番手選びの参考になるはず」(水上さん)だという。このような日ごろからの準備が快挙につながったのは想像に難くない。

そんな水上さん、普段はどんな練習をしているのだろうか?

「仕事が休みの土日は必ずゴルフに行っていて、ラウンドしたあとに練習するのが日課です。ホールアウト後にミスが多かったところや苦手なことを練習するようにしています。また最近は友人に教えて欲しいと頼まれることがあるので、人に教えることで今まで気付かなかったことを知ることができ、勉強になるなと感じていますね。あとは自宅でバットを振るようにしています」

よくラウンド後に練習するのは上達に効果的だと聞くが、まさにその方法を取り入れているのが水上さん式。大会前にコースを調べる予習、プレーのあとにミスを反省する復習を欠かさない水上さん。

子どもの頃、誰もが勉強では予習・復習が大切だと教わるが、どうやらゴルフでもそれは同じことのよう。水上さんの練習方法、そしてプロにも負けない「準備力」は多くのアマチュアゴルファーの参考になるのではないだろうか。

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