ゴルフクラブの設計技術の進化は著しいが「それゆえに、歴の長いゴルファーにとっては形状から感じるクラブ性能と実際の性能が一致しないことがミスの原因につながっている場合もあります」というのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

ゴルフ歴の長いゴルファーほど侵されやすい? 形状と性能の不一致の怖さ

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。2021年も秋のシーズンを迎え、続々とニューモデルが発表されています。どのクラブも特徴があってゴルファーの可能性を高めてくれるモデルばかりでした! 秋から年末にかけて支出が多くなりそうですよみなさん!

さて今回のお話は、そういったニューモデルをまとめて試打させて頂いているときにちょっと感じたこと。それは、ヘッド形状から見て取れる性能と実際に打った時の性能が一致していないクラブが増えたなということです。

これは主にドライバーに当てはまるお話なのですが、現在の技術ではヘッドのボディを成形するのに、適正な重量に対して必要な強度をクリアしながら非常に軽量に作ることができます。その余剰重量を任意のポジションに配置することによって重心位置を調整し、狙った性能に”味付け”しています。だから形状と性能が一致しないのです。これは高性能なクラブを実現するうえでもはや基本というか、必然の手法と言えます。

20年ほど前のクラブは、そこまで軽量化の技術はなくヘッドのボディの形状がそのまま性能を表していました。たとえば”洋ナシ型”と呼ばれるヘッド。ややトウ側にボリュームがあり、トウ側に面積があるぶん重心距離がトウよりになるため、ヘッドターンが穏やかになります。そのためハードヒッターや左のミスを嫌うゴルファーに好まれました。形状と性能がリンクしていたこともあり、クラブの形状、いわゆる”顔”がとても重要視されていたのです。

画像: 洋ナシ形状ならばつかまりづらく左へのミスが起きづらいといったクラブの常識も、技術の進化によって一概に言えなくなったと小倉氏

洋ナシ形状ならばつかまりづらく左へのミスが起きづらいといったクラブの常識も、技術の進化によって一概に言えなくなったと小倉氏

では、性能と形状が一致しないクラブは何か問題なのか? と言われると正直なところ、何も問題ありません。問題があるどころかこの性能と形状の不一致のヘッドが作れるようになったおかげで強いお助け機能を搭載したクラブでも“イイ顔”のヘッドが作れるようになったのですから、ユーザーとしては大変素晴らしいことだと思います。

ですが、ゴルフ歴の長いゴルファーにはちょっとした支障が出るかもしれません。性能と形状が一致したクラブでゴルフを覚えたゴルファーにとっては、こういったクラブを使うと、予想外のミスになってしまう可能性があるからです。こういったヘッドはこんな弾道になるはずなのに……このヘッドでこんなミスになるはずない! といった形状に対してイメージが残っているため、悩まなくてもいい悩みを抱えてしまうかもしれません。

ドライバーが苦手な方でたまにこういったイメージにとらわれ過ぎてしまっている方がいらっしゃいます。今度ますます形状と性能の不一致化が進むでしょうから、結果を求めるのであれば、あまり形状と性能に対するつながりにこだわりは持たないほうが良いかもしれませんね。

画像: 日本イチ飛ばす女子大生・長谷川円香がゴルフ女子に特別レッスン!飛距離はどれだけ伸びるのか youtu.be

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