8年目のブランドチェンジ!「エボリューション」から3次元設計の「NX」へ
フジクラ「スピーダー NX」
2014年から大ヒットを続けてきた藤倉コンポジットの『スピーダーエボリューション』シリーズ。累計出荷数110万本を超えた8年目に、ネクストステージを目指し、素材から製法まで大幅リニューアルに踏み切った。従来の概念を覆し、新次元への変革を遂げたシャフトとして、ブランド名も一新した『スピーダーNX』は、ネイビーを基調に鮮やかなブルーを配したデザインで登場。
フジクラは、独自の3次元モーションキャプチャーシステム「enso(エンソ)」でスウィング中のクラブの動きを解析し、スウィングの過程とボール弾道の関連性を見出し、その長年蓄積した膨大なデータから最適解を導き出した。さらに従来のEI(剛性)分布に緻密にコントロールされたトルク分布を組み合わせる設計技術「VTC(VARIABLE TORQUE CORE)」を採用することで、3次元設計に進化。中調子の振りやすさと高初速・高弾道の両立を実現している。

「従来の『スピーダー』シリーズは走り感と打感の軽やかさが際立っていた、でも『NX』は落ち着いた走りで、打感に厚みがあって押せる感じがする。『ベンタス』のブルーほどしっかりした分厚い感じではないので、スムーズに振り抜きやすい。大型ヘッドでのつかまり具合も適度で、高弾道で飛ばせます」(堀越)
第5世代 “PD”は操作性の向上を極めて最大飛距離を狙う
三菱ケミカル「ディアマナPD」
三菱ケミカルの『ディアマナ』シリーズ第5世代は『TB』シリーズからスタート。そして、9月に『DF』シリーズの後継となる『PD』シリーズがリリースされた。安定感と飛距離の両立をテーマに、先進材料と開発技術を惜しみなく投入。弾性率と強度の両立を実現した高性能炭素繊維「MR70」を製造プロセスから見直し、同社従来品より弾性率で約10%、強度は約20%も向上したという。さらに強靭で高い補強効果を発揮するボロン繊維も複合されている。
シャフト形状の骨格を決める「マンドレル(芯金)」を従来モデルの2倍以上、プリプレグを様々な形状に切り出して最適な位置に配置する「パターン」を3倍以上用いて、より緻密にスペックバリエーションを構築。40~80g台をラインナップしているが、重量によるバット径差、性能やフィーリングの違和感は最小化されている。

「スウィングタイプに関わらずタイミングが取りやすいと思う。叩きにいっても左は怖くない。弾道高さが抑えやすいぶん、スピン量も減る傾向なので、逆にロフトの大きいヘッドと組み合わせて打ち出し高さを確保できるほうが、ラクに振れると思います」(堀越)
女子プロの世界ランカー絶賛!コアはグラファイト、表面にスチール繊維を融合 トゥルーテンパー「スチールファイバー i」「スチールファイバー fc」
2019年にトゥルーテンパースポーツの一員となったエアロテック社。そのトップブランドがアイアン用の『スチールファイバー』シリーズだ。シャフトのコア部分はグラファイトで、最も外側の層にスチールファイバー(繊維)を巻き付けた構造。スチールファイバーは髪の毛の約10分の1の細さで、1本のシャフトに長さ約94㎞分が巻き付いているという。すでにツアープロの愛用者も多く、世界のトップで活躍するネリー・コルダ(iシリーズ)、リディア・コ(fcシリーズ)も使用中だ。
主要モデルは2タイプ。ツアープロからのフィードバックを元に、安定性と飛距離性能のバランスが取れた『i』シリーズと、ロング・ミドルアイアンは中高弾道、ショートアイアンは抑えた弾道で狙えるように調整された『fc』(フライトコントロール)シリーズがある。いずれも重量バリエーションが豊富なので、自身の体力、スウィングに合ったスペックを選ぶことができる。

「『i』は振り抜きやすい。90g台の密度が高いカーボンシャフトにありがちなもたつき感、変な走り感がなくていい。『fc』は球がすごく上がりやすい。それでいてつかまりすぎない。これならスピン量も適正に入っているはず。女子プロに人気がある理由がよくわかります」(堀越)

トゥルーテンパースポーツインクジャパン 公式サイト
www.truetemper.co.jp今どき大型ヘッドのパワーをロスなくダイレクトに伝える
グラファイトデザイン「ツアーAD UB」
現代のドライバーは、大型・高慣性モーメント化が進んできている。グラファイトデザインでは、そういったヘッドの性能をさらに引き出し、ボールにパワーをダイレクトに伝える新モデル『ツアーAD UB』を展開している。ネーミングの「UB」は「アップ&ビヨンド」の頭文字から。8月に出場した試合の第2ラウンドで松山英樹が『ツアーAD DI』からシフトしたことで話題になったが、テイストはかなり近く、より弾道の高さを抑えやすい設計になっているという。
高強度・高弾性炭素繊維「トレカ®M40X」を先端から中間部に、先端部には「トレカ®T1100G」を使用することで先端から先中部の剛性を高めることにより、ヘッドの無駄な動きを抑え、強く叩けるインパクトを実現。また、高剛性化によりねじれを抑え、スローテーパー設計によるタイミングの取りやすい挙動と相まって、エネルギーロスを極限まで減らしている。

「叩いても左へ行かない感じは『DI』によく似ている。ただ、少し弾く感じがあって、打感は軽やかで振り抜きやすい。弾道のスピン量と打ち出しの高さは『DI』よりも抑えられる感じなので、ベテランゴルファーはロフト大きめのヘッドと合わせるといいでしょう。フックを気にせず、思い切って叩いていけます」(堀越)
「手元のしなり粘り」が技巧派ヒッターに狙える一撃をもたらす
トライファス「バシレウスδ Ver.Ⅱ(デルタツー)」
しっかり叩いて飛ばしたい。手ごたえを感じたい技巧派アスリートゴルファーが求めるのは、強い手元しなりを継承しつつ、現代の主流である大型ヘッドを“あるべき場所”に確実に戻せる先端のサポートアクションとの整合性。初代『デルタ』はPAN系50t+ボロン繊維を主軸とした材料構成で、その“極限の手元のしなり感設計”を実現した。
だが、『デルタツー』ではそのすべてをリセット。さらなる高みを目指して、トライファスの技術の粋とも言えるピッチ系超高弾性80t+PAN系高弾性40tのダブルバイアス構造を採用し、「ロートルク」「手元のしなり粘り」「高精度で調整された先端挙動」の融合を果たした。先端から中間部へのしなりは抑え、技巧派ヒッターの強いリストターンから生まれる厚いインパクトへの耐性を高めている。ロートルク設計によるヘッドの安定した挙動で左へのミスの不安も解消。ロースピンの棒球=ライナー系の強弾道を叩き出すことができる。

「暴れたり走りすぎたりしない、スウィングを素直に反映するシャフト。弾道がかなりロースピンのライナー系なので、ロフトが大きめのヘッドと合わせたほうがラクかも。とにかく左へ行く感じはないので、いくらでも叩いていけます。ただしスライサーには、つかまり切らないのでオススメしません」(堀越)