タイガー・ウッズの登場で当時は「出っ歯ウェッジ」といわれていたストレートネックでティアドロップ型の「クリーブランド」や「ボーケイ」のウェッジが大人気となりました。
日本のプロもストレートネックのウェッジに完全にシフトし、あんなに使う人が多かったグースネックのウェッジはだんだんと影が薄れていきました。
そしてちょうど2000年あたり、ウレタンカバーのボールが主流となり、角溝と平滑なフェース面のウェッジとの組み合わせにより、短い距離のアプローチでもグリーン上でギュギュッと止まる「激スピン化時代」に突入していきます。
その代表とも言われたのが「フォーティーン MT-28」です。「フォーティーンのウェッジは止まる、スピンが凄い!」。このウェッジの登場でフォーティーンはウェッジメーカーとしても台頭していくことになります。
しかし、この「MT-28」と同じ名前を持ちながら、大ぶりなフェース面にグースネックという仕様で異彩を放っていたのが2006年登場の「MT-28 J.SPEC」です。

ティアドロップ型のウェッジが全盛のなか、数少ないグースウェッジの代表だった「MT-28 J.SPEC」
いわゆる日本型のウェッジは衰退し、市場にはグースネックのウェッジがなくなりつつあったときに、低く抑えた球でスピンがかけられる、ラフからでも打ちやすい、グースは日本の芝に合うという定説に答えてくれたウェッジでした。
「MT-28」を難しく感じていたゴルファーがやさしく使え、ソールは広くてバウンスも利いている。
いまはどのメーカーにもグースタイプのウェッジはありますが、「MT-28 J.SPEC」にようやく時代が追いついてきたといえるでしょう。

このなんともいえないグースの度合いが、日本人ゴルファーをホッとさせる
構えると、なぜだかホッとするグースの度合い、バックフェースは一部分が深くえぐられたキャビティ形状。当時はやさしさと謳ったかもしれませんが、ひょっとすると高重心ウェッジの先駆け的モデルだったのかもしれませんね。
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