「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー初優勝を飾った岩井千怜。史上初の双子プロの初Vと20年度プロテスト合格者初のツアーVも飾った。プロゴルファー・中村修がそのスウィングを解説。

双子の岩井姉妹はプロテスト合格前から注目されていましたが、二人揃ってプロテストに合格し昨年はステップアップツアーでも立て続けに姉妹で優勝を挙げていました。これまで何度か姉妹を取材してきましたが、姉の明愛は攻撃的、今回優勝した妹の千怜はステディなプレースタイルでしたがは昨年のQTで失敗して以来攻めるスタイルに変更。ツアーで生き残るためには何が必要なのか肌で感じていたようです。

画像: NEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝を飾った岩井千怜(写真は2022年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/KJR)

NEC軽井沢72ゴルフトーナメントで初優勝を飾った岩井千怜(写真は2022年のNEC軽井沢72ゴルフトーナメント 写真/KJR)

今回初タッグで初優勝をサポートした佐藤大輔プロキャディに話しを聞くと「逃げたくないのでピンまでの距離だけ教えてください」と言われたといいます。

「ここ最近の最終組でプレーした経験からか、優勝にはどういうプレーが必要か自分なりの答えをもっていて、それを貫く強さがありました。ルーキーらしからぬ隙を見せないプレーで勝ち切った点も大いに誉めるべきポイントでした」「佐藤大輔キャディ)

最終日の左ドッグレッグの1番ホールのティーショットで右の林の上からドローボールでフェアウェイをとらえ佐藤キャディを驚かせたというスウィングを見てみましょう。

グリップもアドレスもオーソドックス(画像A左)。左腕が地面と平行になる位置でシャフトが垂直に立つアーリーコック(画像A右)。手元を胸の前にキープし、テークバックの早い段階で背中がターゲットを向き、トップの形を作ることでコンパクトでも捻転のある点がメリットになっています。

画像: (画像A )アドレスもグリップもオーソドックス。左腕が地面と平行の位置でクラブが垂直になり早い段階で背中がターゲットに向く(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

(画像A )アドレスもグリップもオーソドックス。左腕が地面と平行の位置でクラブが垂直になり早い段階で背中がターゲットに向く(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

そのまま深く捻転し、切り返しからは少し体の開きが早く見えますが、顔の向きがキープされていることで左へ突っ込むことなく、クラブはインサイドからインパクトへと向かいます(画像B)。

画像: (画像B)コンパクトだが深い捻転のトップから顔の向きを一定にキープして切り返す(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

(画像B)コンパクトだが深い捻転のトップから顔の向きを一定にキープして切り返す(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

画像Cでも顔の向きをキープし続けています。そのことにより右サイドに軸を残してビハインド・ザ・ボールを守り体幹を使って打ち抜く様が見て取れます。

画像: (画像C)ここでも顔の向きをキープし軸を保ち体幹を使って打ち抜いているのがわかる(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

(画像C)ここでも顔の向きをキープし軸を保ち体幹を使って打ち抜いているのがわかる(2022年Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント 写真/大澤進二)

球を置きに行かずに躊躇なく振り抜くのは勇気がいることですが、岩井選手は短いツアー参戦期間で驚くべきスピードで多くを学び分析し、それを実行してきたからこそ優勝争いの中でもタイミングが狂わない自分のスウィングを見せてくれましたのだと思います。飛距離も伸びているというのも納得の躊躇のないフィニッシュまで振り抜いたスウィングでした。

優勝会見でも自分の言葉で話し自立を感じさせる弱冠二十歳。佐藤キャディの言葉を借りれば「真っすぐで爽やかで気持ちのいいゴルフ」でこれからもツアーを盛り上げる存在になることでしょう。

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