新構造がこれまでにない打感と弾道を生み出す
すべてが一新されたという『BERES NX』シリーズ。ドライバーではカーボンクラウンの格子状の凸凹が印象的だったが、アイアンにはどんな仕掛けがなされているのか。
クラブを手にした岸部プロは、ヘッドを見ながら「いろいろ秘密がありそうですね」と興味津々。

『BERES NX』のウッド類の試打が好結果だったので、アイアンも大いに期待する岸部プロ
まず気になったのがバックフェース下部にトゥからバー状のものが挿入されている点。このバーはバックフェースの凹み部分からも視認できる。「ウエイトが入っているのかな?」と岸部プロ。
半分正解だが、正しくはタングステンウエイトと振動吸収樹脂がミックスされたバーなのだ(#5〜#8に採用)。バーの約9割は振動吸収材で約3グラム、トゥ側に10グラムのタングステンウエイトと6.5グラムのウエイトスクリューが付き、インパクト時の衝撃をやわらげるのはもちろん、トゥ寄りにウエイトを持たせることで直進性のアップやミスに対する寛容性を生み出している。

打感とやさしさを向上させるためのバーを挿入。極薄のLカップフェース(#5〜#8)で飛びを追求
試打をスタートさせた岸部プロは「ボールがしっかりとフェースに乗るようなマイルドな打感・打音で、ポケキャビのような弾く感覚はありません。気持ちよく打ちながらも、インパクトが重過ぎないので、初速が出ているようなスピード感も味わえます」と、軟鉄アイアンのような打感・打音だという。
内蔵されたバーと共に打感や打音の向上に貢献しているのが、バックフェースのエンブレムの中にぎっしりと入れられた衝撃吸収樹脂の存在。ただのプレートではなく、しっかりと機能を持たせた無駄のないデザインになっている。バーとエンブレム、フレームとフェースのパーツ構成で、ポケキャビでも中空でもない新たな構造も、これまでなかった感覚、弾道を実現しているポイントだろう。
スピン量は確保しつつ高さが出るから飛ばせる
普段は7番アイアンで140ヤードが目安という岸部プロ。試打を行うと7番で145〜150ヤードの距離をコンスタントに記録した。
「コントロールして打っても、自分の距離が簡単に出ています。しっかり振れば高さが出るので、プラス1番手くらい飛んでいますね。ただ飛ぶだけじゃなく、高さも出てスピン量が落ちてないのがスゴイ」と、番手なりのスピン量を確保して高さも出ていながら飛距離が伸びたと自らの弾道を分析する。

スピンがきいた弾道で飛距離が伸びる。飛び系とはまったく異なるアイアンらしい弾道
7番でロフト27度のストロングロフトながら高い打ち出し角を確保できたのは、低重心の構造とソールとフェースがつながったLカップフェースの効果が大きい。衝撃吸収材の採用によりヘッド剛性がアップし、フェースの肉厚を極限まで薄くすることが可能となり、スピン量の確保と高い反発性能を両立したという。
つまり、フェース単体では高い反発性能を広範囲で実現しつつ、重心設計や衝撃吸収材との相乗効果で高い打ち出し角、番手なりのスピン量を確保できたというわけだ。

「ピンをデッドに狙っていける弾道をやさしく打てるアイアンです!」と岸部プロ
HSアップも期待できるVIZARDシャフト
高さや飛距離が出ている理由に「コレの影響も大きいですよね」とシャフトに着目した岸部プロ。「適当な重量で振りやすくて、インパクトではヘッドが走ってボールをつかまえてくれる」と、ヘッドスピードアップも期待できるシャフトだという。
今回『BERES NX』アイアンに装着されているのは、ツアーでも人気のVIZARDブランドのシャフト。幅広い層が扱いやすい軽量モデルで、手元側はタイミングが取りやすく、先端部分はインパクトでヘッドを走らせ適正スピンで安定した弾道を生むように設計されている。
ボールを楽につかまえてくれる「VIZARD FOR NX」シャフトも好結果の秘密
試打を終えた岸部プロは、「最新のクラブは、飛ぶ・上がる・つかまるとやさしく打てるのはもちろん、それに格好良さもミックスされているのがスゴイところ。『BERES NX』アイアンは、オーソドックスな顔でデザインや機能にこだわりが感じられるクラブ。打ち味もマイルドで、ゴルフ歴が長くアイアンにこだわりを持つ人でも気持ちよく打てるのも特徴。アベレージゴルファーから中級者まで満足できる人は、とても多いと思います」と、完成度の高さも薦められるポイントに挙げた。
性能だけでなく、手頃なサイズとオーソドックスな形状も多くのゴルファーを満足させるもの(画像は#7)
一新された『BERES NX』は、トラディショナルな形状でありながら使ってみるとやさしい『BERES NX』はその狙いどおり、ゴルフをエンジョイする幅広いゴルファーのニーズに応えるクラブだろう。