
創業者ボブのボブ・パーソンズはインターネット関連企業で成功を収めた起業家。自ら熱狂的なゴルフ愛好家を自負する彼が世界最高のゴルフクラブを設計・開発することを目的に2014年に設立したのがPXGだ。
大手ゴルフ用品企業とのつながりがほとんどなかったPXGは、コストや時間に糸目をつけず製品開発を行い、パフォーマンス性を徹底的に追求した。
まず開発に取りかかったのがアイアンだ。PXGのクラブというと‟あのアイアン“をイメージする人も多いのではないだろうか。
「ブレードアイアンのような見た目でキャビティバックのようにやさしく打てて、高く、遠くへ飛ぶ」、パーソンズ氏が開発チームに初めに出したミッションがこれだ。
パーソンズ氏がイメージしたアイアンを開発するにあたって開発陣が選んだヘッドの構造は中空、しかし既存の中空アイアンと同じ構造では鉄パイプでボールを打っているような打感だった。
そこで役に立ったのがパーソンズ氏の海兵隊経験だ。PXGのクラブのナンバーともなっている0311部隊のコンバットライフルマンとしてベトナム戦争を経験した彼は、ライフルの台尻部分に反動吸収のためによく使用されている素材のことを思い出した。「ソルボセインのようなものでクラブの空洞を埋めることはできないか」と考えた。

PXGのクラブの最大の特徴ともいえるウェイト
PXGの特徴である、あのクラブヘッドに「ネジ」がついたビジュアルも、同じようなきっかけから生まれている。開発者のシュワイガート氏が質量特性をわかりやすく示すため、クラブヘッドに穴を開け、そこにオモリをつけていった。ヘッドの周辺にオモリを配置したことは、求めていた性能だけでなく、偶然にもパーソンズ氏も思わず足を止めてしまうようなルックスを誕生させた。これがPXGの「見えるウェイト」が誕生したエピソードだ。

いままでになかったデザインとパフォーマンス、そして高価格。PXGはクラブ業界に革命を起こした
このようにゴルフ界とゴルフクラブ業界に革命を起こしたPXGが2022年また革命を起こす! それは……。「最先端のテクノロジーをすべてのゴルファーに体験してほしい」、PXGがもつブランドのイメージと高級ラインと同じコスメティックとパフォーマンスでドライバー価格3万円台(税抜き)のシリーズを発売するというのだ。
この新しい「0211」シリーズはドライバーからフェアウェイウッド、そしてハイブリッドまでを揃えるラインナップ。各モデルの特徴を見ていこう。
DRIVER
ブラックの精悍なボディ、ディープフェースで強い弾道を生み出す。ヘッド素材にはフラッグシップモデルに使われている「Ti811」チタンを採用。初速性能は旧モデルよりも格段にアップしている。
●ロフト角/9、10.5、12度 ●ヘッド重量/203g ●長さ/45.5インチ ●価格/4万700円(税込)

アスリート好みのデザインと打感。フラッグシップモデルの高級感も受け継いでいる
FAIRWAYWOOD
フェアウェイウッドは上級者好みのクラシックなヘッド形状。構えやすいうえに心地よい打感とコントロール性能をもち、最適なスピン量でターゲットを狙える。
●番手/3W(15度)、5W(18度)、7W(21度)●価格/2万7500円(税込)

球のつかまりがよく、操作性が高いフェアウェイウッド
HYBRID
そしてハイブリッド。オーソドックスな形状と精悍なブラックのカラーリングはどのクラブとも合わせやすく、ウッドとアイアンの間を見事につないでくれる。飛距離性能が高いうえにスピンを入れやすく、ピンをデッドに狙える。
●番手/3UT(19度)、4UT(22度)、5UT(25度)、6UT(28度)●価格/2万4200円(税込)

ロングアイアンからミドルアイアンの距離をやさしく、強い弾道で打てるハイブリッド
PXGのクラブは「すべての新製品は既存のものより格段に優れたものでなければならない」「すべてのイノベーションはパフォーマンスを向上させるものでなければならない」「インパクトの瞬間は、楽しみを高めるものでなければならない」というパーソンズ氏のの信念を体現している。
もし、このクラブたちの性能が他メーカーの高級クラブたちに勝ったら……。ゴルフクラブ界にとっては大きな衝撃で、ほかのメーカーは今後の見直しをせざるおえなくなるかもしれない。