
テーラーメイドから新しく登場した「P700」シリーズのアイアン。4モデルのうち今回はよりコントロール性能や打感の心地良さを求めるプレーヤー向けの「P7MB」と「P7MC」をサウスゴルフアカデミーでレッスンをおこない、ゴルフダイジェストでもクラブの試打を長く担当してきた2人、内海大祐プロと香西成都プロにとことん打って性能を分析してもらった。

ゴルフダイジェストの試打企画でもおなじみのこの2人。サウスゴルフアカデミーの内海大祐プロ(左)と香西成都プロ(右)がテーラーメイドのニューアイアンをとことん試打した
まずはテーラーメイドが誇る世界のトッププロたちのリクエストに基づいて設計されたという「P7MB」。小ぶりなヘッドで薄いトップラインとソールが特徴だ。軟鉄(S25C)をなんと5回鍛造して(通常は2、3回)仕上げているというヘッドの打感も気になるところ。

バックフェース中央部の盛り上がり。ここが打感とコントロール性能をアップさせていると2人
アスリートがアイアンに求める機能を
極限まで求めた「P7MB」
内海:超小顔でよりアスリート好みになりましたね。
香西:このリーディングエッジの感じといい、上級者にとっていいクラブだなという気がしますね。
内海:どういう人向きかというとズバリ、1ヤード単位で距離をコントロールしていきたい人。と、まではいかないけど、それくらいのコントロール性能が欲しいという人にいいでしょう。打ってみると打感が良くて、手でボールを投げていくような感じが出せるアイアンでした。
香西:ブレード型、マッスルバックのアイアンはフェースをターンさせやすくてボールをつかまえやすいんだけども、逆にミスするとフェースがギュンって走って逆に左へのミスが出やすい。でも「P7MB」はそれがなく、ヘッドが小さい割には安定していましたね。
内海:でもさすがに芯を外すとミスが手に伝わってきて、少しのミスでもわかるほど繊細な感じです。
香西:ミスはミスでしっかりとわかりますが、上級者にとってはそれがいい、それも求める機能なのです。

バックフェースの重量配分が絶妙で、スピンコントロール、抑える、あえて曲げる、上級者が求める性能が盛り込んであると内海プロ

小ぶりなヘッドに加えて抜けのよさにも香西プロは注目。「アイアンを極めたい人にはたまらないモデル」

キャビティの微妙な肉厚変化が打感とコントロール性能をきわめている
「P7MC」のわずかなやさしさが
アスリートにはたまらない!
内海 またいいの作りましたね。「P7MB」よりわずかにやさしいのがいい。
香西:ボールは上がりやすいし、球も拾いやすいかんじですね。ミスしたときもスイートエリアがちょっと広いから安心かな。
内海:ソールの幅は狭くて抜けがよく、トップブレードはやや厚みがある感じ。とくに僕はトップブレードが薄いより厚いほうが好きなので、これはいいですね。トップブレードが厚いとスクエアに構えられるし、安心感があり強い球が出るイメージがします。
香西:ほぼストレートだけどわずかにグースが入っていて上がりやすいし、つかまる。僕が使うならこのアイアンですかね。
内海:スイートエリアも広くなって、ミスしたときの距離の落ち方が「P7MB」よりは少ない。シビアじゃない。打感は変わらないくらい軟らかいです。
香西 見た目はセミキャビで「P7MB」と変わらないくらいシャープに見えますが、そのくらいやさしく仕上がっているアイアン。
内海:「P7MB」も「P7MC」も打感が良く、前のモデルよりもさらに軟らかくなっていますね。ボールがフェースにくっついている感じがします。球の高さも出る。どちらもアイアンの名器になるといってもいいと思います。

自分が使うならこれですね。アスリート志向の人にはじゅうぶんなやさしさが入っています

セミキャビティだけど、打感は「P7MB」と変わらないくらい軟らかくていい。ボールがフェースにくっついている感じがする
では最後にこの2モデルで迷った人へ選び方のポイントだが、これは2人とも共通で
「P7MB」が「プロのようなアイアンショットを極めたいアスリートゴルファー。ほんのわずかのミスでも、お助け機能よりミスがミスとわかり、いいショット悪いショットの差が出ることを求めている人」に、
「P7MC」が「競技志向で打感や操作性にこだわるけれど、ちょっとやさしいクラブが欲しい人」に向いているという。
ショートアイアンを「P7MB」、ミドルアイアンを「P7MC」というのも魅力的なコンボだとのことだ。
取材協力/サウスゴルフアカデミー千葉校
テーラーメイド「P700シリーズ」 公式ホームページ
