どうすればいつでもどこでも理想的なパットが打てるようになるのか? 多くのプロやジュニアゴルファーをパット巧者へ導くパッティングコーチ・橋本真和に、上達に不可欠な要素と自宅でできる練習法を連載形式で教えてもらおう!

打ち出しのズレは何度まで許されるのか?

 パットの最重要ポイントは打ち出し。百点満点のストロークができても打ち出す方向がズレたら入らない。では、どれだけズレたら入らないのか? まずはその現実を知っておこう。

「カップの直径は10.8センチでボールの直径は4.2センチです。半径はそれぞれ5.4センチと2.1センチ。これらからボールがほぼカップインするであろう幅を計算すると、カップの半径からボールの半径を引いた3.3センチがカギ。つまり、カップの中心から左右3.3センチの範囲にボールの中心がくれば確実に入り、それより外にズレると外れる確率が高くなります」(橋本真和コーチ・以下同)

画像: 画像A 真っすぐのラインでは、2メートルを過ぎると打ち出しが1度ズレると入らなくなる(写真は橋本真和コーチ)

画像A 真っすぐのラインでは、2メートルを過ぎると打ち出しが1度ズレると入らなくなる(写真は橋本真和コーチ)

ボールが半分以上カップを覗けば入ることは何となくわかるが、厳密にはこういうこと。ついでにこの範囲内に打つにあたり、何度以上ズレたら入らないのかを距離別に示してもらうと以下の通り。

1メートル 1.89度
2メートル 0.95度
3メートル 0.63度
4メートル 0.47度
5メートル 0.38度
6メートル 0.32度
7メートル 0.27度
10メートル 0.19度

「1メートルなら許容範囲は比較的大きいですが、2メートル以上になると1度ズレたら入りません。しかもこれは真っすぐなラインのデータ。曲がりや上り下りが入るとさらに難しくなります」。
“PGAツアーの選手が何で3メートルを外すんだ!?”と思いがちだが、当たり前の話だったのである。

35センチ先に置いた幅55ミリのゲートを通せるか?

「打ち出しはフェースの向き、クラブパス(ストローク軌道)、打点の3つで作られますが、一番大事なのはフェースの向き。例えばフェースが2度オープンだとクラブパスが2度アウトサイドインでもボールは約1.6度右に打ち出されます。これはフェースの向きが92%、クラブパスが8%影響することを示しています」

画像: 画像B パターマットにコショウや七味の瓶を置いてゲートを作り、その間を通す練習が打ち出し角をそろえることに効果的な"家練習”だ

画像B パターマットにコショウや七味の瓶を置いてゲートを作り、その間を通す練習が打ち出し角をそろえることに効果的な"家練習”だ

打ち出す角度はフェースの向きで決まるといっても過言ではないのだ。

「お家練習の第一弾は、自分のボールの打ち出しが何度ズレているかを確認するメニュー。パターマットにコショウなどの瓶を2つ並べてゲートを作り、その間を通して2メートルのパットを打ちます。ゲートの幅、ボールからゲートまでの距離、許容角度は以下の通りです」

ゲート幅     55ミリ   50ミリ    50ミリ
ゲートまでの距離 35センチ  27センチ    43センチ
許容角度     1度      0.75度    0.5度

まずは2メートル以内の打ち出しのズレを許容範囲内にすること。パターフェースの35センチ先に置いた幅55ミリのゲートを通す。打ったボールがゲートに当たらなければ打ち出しのズレは1度以内に収まっている。次に50ミリで27センチ先、50ミリで43センチ先へと難易度を上げる。

画像: 画像C 35センチ先に55ミリの幅で瓶を置き、このゲートを通すことができれば打ち出し角のズレは1度以内になるので、2メートルをカップインさせることができる

画像C 35センチ先に55ミリの幅で瓶を置き、このゲートを通すことができれば打ち出し角のズレは1度以内になるので、2メートルをカップインさせることができる

「43センチ先の幅5センチのゲートを通せなければ、打ち出し方向が0.5度以上ズレています。3メートルのパットを入れるには、これを通すことが条件の一つと言っていいでしょう」

 練習ついでにこの模様をボールの後方から動画に撮っておくのがおすすめだと橋本コーチ。

「フェースを右に向けて真っすぐ打っている、あるいはフェースの向きは真っすぐでインサイドアウトに振っている、といったことがわかると今後の練習メニューが絞られてくるので効率よく上達できます」

自宅のパターマットでコショウや七味の瓶を使って遊び感覚でまずはやってみる。ショートパットの上達につながるのだ!

取材協力/越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオ

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