発売以来、好調な売れ行きを誇るピンの「G430」シリーズ。その中でもっともボールのつかまりのよいドローバイアス設計の「G430 SFT」をゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広がシャフトチューンしてみた。

前回同様、シャフトを選ぶ前に「G430 SFT」のヘッド性能を十分に理解しましょう。「G430 SFT」はヘッド体積460ccと「G430 MAX」と同じヘッドサイズです。
ロフト角度は10.5度のみの設定でヘッド重量も基準モデルの「G430 MAX」に比べ3グラムほど軽く設定されています。重心深度は「G430 MAX」と同様の46ミリオーバーと深いですが、ヒール側に重心があり、重心距離は5ミリほど短い41.5ミリと、ヘッドが返しやすい設計になっています。

ヘッド後方のウェイトは2ポジション設けてありますが表示が「DRAW」、「DRAW+」の2つと明らかにドローバイアスモデルのヘッドだということを感じさせてくれます。
左右方向のヘッド慣性モーメントは「G430 MAX」よりも小さくなりますので左に振り抜きやすいヘッドに仕上がっています。

スピード感が増す「LA GOLF Aシリーズ50」

「LA GOLF」はアメリカのロサンゼルスに本社のあるシャフトメーカー。USPGAツアーのプロや LIVゴルフで活躍しているダスティン・ジョンソンやブライソン・デシャンボーが使用しています。2022年3月に発売された「Aシリーズ」は、日本では高弾道のH(HIGH)シリーズと中弾道のM(MID)シリーズの2種類のシャフトを展開。

「Hシリーズ」は40、50、60グラム台、「Mシリーズ」は50、60、70グラム台の重量となっています。
今回は「G430 SFT」とのマッチングを考えて「Hシリーズ」の50、フレックス3(R)と組み合わせてみました。メーカー好評では57グラムトルク4.8となっています。

純正シャフトの「ALTA JCB BLACK」フレックスSとほぼ同じスペック(58グラム、トルク5.8)ですが、明らかにフィーリングには違いを感じられます。シャフトがよじれる感じがまったくなく、シャープに動き、インパクトエリアまでのスピード感がフィニッシュまで続きます。
実際の弾道のブレも少ない印象ですね。左右によじれない弾道はシャフトによる方向性の良さを感じさせてくれます。

Rでもシャフト振動数は245cpmと日本のRフレックスの基準よりは硬めの数値が出ますが、アメリカメーカーのシャフトだからハードなのでは? と心配することもなく、切り返しもしやすいのでヘッドスピード38m/sくらいから十分に打てる印象です。
弾道の高さも安定していて「Hシリーズ」でも上がりすぎることはありませんし、ドローの幅は少なくなりますがボールはしっかりとつかまりますし、大きく左に巻き込むようなボールは出ません。インパクトでボールにエネルギーを効率よく伝えてくれているのでボールスピードの速さも体感できます。バックスピン量は純正シャフトと比較しても減りますので弾道の高い「G430 SFT」でも吹け上がることなく、コースではランも期待できそうです。

ボールのつかまりは「G430 SFT」のヘッドにまかせて気持ち良く振り抜けばしっかりとつかまったボールが打てるクラブに仕上がります。ピンとLA GOLFのアメリカのメーカー同士の組み合わせは外観も含めて他のシャフトとは違ったマッチングのよさを味わえるでしょう。

画像: 相性のよさだけではなく、海外メーカー同士で見た目の格好よさにも魅かれる組み合わせ

相性のよさだけではなく、海外メーカー同士で見た目の格好よさにも魅かれる組み合わせ

より弾道が安定する三菱ケミカル「VANQUISH 5S」

2022年7月発売の三菱ケミカルの「VANQUISH」は40グラム台と50グラム台を展開する軽量シャフトです。5S(50グラムのS)で検証してみました。

鋭く動きレスポンスの良い先調子系のシャフトですが、「G430 SFT」と組み合わせると安定感も感じられますね。ヘッドのネック軸周りのモーメントの高さが影響しているのでしょう。スピード感はやや抑えられた印象で、先端部分の動きは安定していますが、「VANQUISH」の魅力の1つ、「ほどよくボールをつかまえる動き」は健在です。

「G430 SFT」を使う方はボールを右へ逃がしたくない人が多いのでこのマッチングで右へのミスが気になることはなくなるでしょう。フェースがインサイドからやや開きぎみに入る方でもボールのホールド性が高く感じられ、大きなスライスにはなりにくい印象です。それでいてしっかりと振れた時にボールが大きく左へ巻き込んでしまうミスも減らせる組み合わせです。シャフト振動数も245cpmと純正シャフト「ALTA JCB BLACK」の フレックスSに物足りなさを感じる方にも良いでしょう。

「VANQUISH」はシャフト全体にほどよいハリを感じられ、弾道も強く、バックスピン量も抑えられるのでコースで風にも強い弾道のボールが打てるでしょう。
「G430 SFT」のもつボールのつかまりのよさをいかして、さらに弾道安定性と飛距離アップを求めている方に試して欲しいシャフトマッチングです。長さはまず長めの45.75インチで考えてみるのはいかがでしょう。

画像: ほどよくボールがつかまり、飛距離が伸びる組み合わせ

ほどよくボールがつかまり、飛距離が伸びる組み合わせ

力があって右にミスする人にはフジクラ「VENTUS BLUE 6S」

ゴルファーの中にはパワーがあってもボールをとらえきれずにスライスに悩んでいる方も多くいます。今回はそのようなお悩みの方への組み合わせを一つ考えました。

フジクラのプロ・アスリートゴルファー向けシャフト「VENTUS BLUE」とのマッチングです。
今回の内容に合わせて60グラム台の6Sを装着してを検証してみました。
「VENTUS BLUE」はスウィングスピードの速さを受け止めるスペックを持ちながら、切り返しのタイミングが取りやすいシャフトです。6Sはハード過ぎず扱いやすさも感じさせてくれますのでスウィングの安定性が出しやすいと思います。

特にパワーがあってボールがつかまらない人はボールをつかまえようとして過度に手を返しすぎてしまい低めの引っかけボールが出る場合がありますが、ヘッドが素直に動いてくれますので、「VENTUS BLUE 6S」のようなプロ・アスリートモデルのシャフトとのマッチングでも自然にボールのつかまりを体感しやすくなります。

ヘッドは打点ブレにも強く、フェースも開きにくいのでボールが右へいきにくいうえに、シャフトは先端部分の「VELOCOREテクノロジー」で当たり負けしない強さを備えていますので、スウィングのパワーをしっかりとボールに伝えていくことができます。ボールのつかまりを求めているパワーのあるゴルファーにぴったりだと思います。クラブレングスは45.25インチでシャフト振動数は258cpm前後になります。このスペックを目安に選んでみて欲しいと思います。

「G430 SFT」のヘッドはロフト10.5度のみですので、弾道の高さが気になる方はスリーブ調整で-1と-1.5度のロフト調整が可能ですし、バック側のウェイトポジションも変更できるので弾道も調整できて活躍するクラブになると思います。

画像: パワーがあって右へのミスが止まらない人にいい組み合わせ

パワーがあって右へのミスが止まらない人にいい組み合わせ

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