ちまたで人気のシャフト3モデルを試打。タイプの異なる3モデルの特性やどんなプレーヤーにマッチするか?みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修に解説してもらおう。

フジクラのベンタスシリーズの青、黒、赤がPGAツアーでも席巻していますが、まだまだ注目すべきシャフトはたくさんあります。その中から話題のUSTマミヤ「アッタスV2」、三菱ケミカル「ディアマナWS」、グラファイトデザイン「ツアーAD CQ」の3モデルをトラックマンを使って試打計測してみました。それぞれフレックスは60グラム台のSシャフト、ヘッドはピンG430LS10.5度、ボールはインドアのレーダー式計測器に適したタイトリスト「プロV1x」RCTを使用して計測しました。

画像: 上から中調子のUSTマミヤ「アッタスV2」、手元調子の三菱ケミカル「ディアマナWS」、先調子のグラファイトデザイン「ツアーAD CQ」の3モデルをトラックマンを使って試打計測した

上から中調子のUSTマミヤ「アッタスV2」、手元調子の三菱ケミカル「ディアマナWS」、先調子のグラファイトデザイン「ツアーAD CQ」の3モデルをトラックマンを使って試打計測した

タイプの違う3モデルを試打すれば、どのタイプのシャフトが自分にマッチしているか感じ取れるはずです。その上で選ぶポイントは3つ。
(1)芯で当たる率が高いことを示すミート率が高い数値になるもの
(2)スウィングのタイミングがマッチすることを示す同じ弾道を描くもの
(3)飛距離を稼ぐスピン量2400rpm前後で打ち出し角が14~15度前後になるもの

ニュートラルな中調子「アッタスV2」

まずはUSTマミヤの「アッタスV2」から。開幕戦から原英莉花選手が投入するUSTマミヤの新製品で、10代目の「ジ・アッタス」の中調子をベースに全体的に剛性を上げ、ロートルク化したことでフニャフニャ感のないビシッとしたテイストに仕上がっています。1フレックス落としてしなりを感じながらシャフトに仕事をさせるも良し、自分でしならせて叩いても良しというニュートラルな性格が特徴です。

画像: 中調子のUSTマミヤ「アッタスV2」はロートルク化し全体にビシッとした感触。中弾道の低スピンで飛距離も出た

中調子のUSTマミヤ「アッタスV2」はロートルク化し全体にビシッとした感触。中弾道の低スピンで飛距離も出た

実際に打ってみると、低スピンの中高弾道になりました。シャフトがしなって走ってくれるというよりは、芯を多少外しても当たり負けせずに方向性とボール初速を助けてくれる印象です。ニュートラルな性格と大型ヘッドにもマッチする剛性感、芯を外した際のブレの少なさから、自分にどんなシャフトがマッチするかわからないという人はまずはこのシャフトから試してみることをお勧めします。

“白マナ系”で切り返しでしなりを感じる手元調子「ディアマナWS」

続いて三菱ケミカル「ディアマナWS」。いわゆる”白マナ系”と呼ばれる手元調子の最新モデルです。実は昨年秋のあるトーナメント会場の練習場で、三菱のツアー担当者がプロトタイプのシャフトを数本持ち歩いて選手に試打してもらっているシーンを目撃していました。普段からディアマナを使用する岡山絵里プロが2本打ち比べると、1本目は「う~ん」と首をかしげると2本目を試打した瞬間から、「これ、いい!」とすぐにでも実戦投入したいくらいの好感触。それがこの「ディアマナWS」なのでした。

実際に打ってみると、手元調子ならではの切り返しで感じるしなり感は、強く切り返すスウィングタイプには抜群の相性です。しなりを感じながら叩けるシャフトなので、フェードヒッターや左へのミスの傾向があるプレーヤーにマッチするでしょう。40グラム台のR2フレックスから80グラム台のTXまでラインナップされているので、自分に合うスペックが必ず見つかるはず。

画像: 画像B 三菱ケミカル「ディアマナWS」は切り返しでしなりを感じながら叩ける手元調子。左へのミスを軽減してくれるから安心して振り抜ける

画像B 三菱ケミカル「ディアマナWS」は切り返しでしなりを感じながら叩ける手元調子。左へのミスを軽減してくれるから安心して振り抜ける

手元調子系のシャフトが好きなプレーヤーは、試打してみることを強くお勧めします。最新モデルの手元調子のシャフトが現在のヘッドと組み合わされると、どんなシナジー効果が得られるのか?試してみる価値あります。

先調子でつかまった高弾道が打てる「ツアーAD CQ」

最後にグラファイトデザイン「ツアーAD CQ」です。このシャフトはつかまり重視の先調子。弾道を一段高く上げてくれてキャリーを伸ばしてくれます。大型ヘッドでつかまりにくいと感じるプレーヤーとドローヒッターには特にお勧めできます。

画像: 画像C グラファイトデザイン「CQ」は打ち出しの高いつかまった高弾道で飛ばしてくれる先調子。ドローヒッターにはお勧めしたいシャフトだ

画像C グラファイトデザイン「CQ」は打ち出しの高いつかまった高弾道で飛ばしてくれる先調子。ドローヒッターにはお勧めしたいシャフトだ

トラックマンの数値を見てください(画像C)。前出の2モデルはほぼストレートな軌道で試打しましたが、「CQ」では5.5度インサイドアウトのドローボールで打ってみました。右に打ち出してもしっかり戻ってきてくれる安心感があります。昨シーズンからドローヒッターの山路晶選手が投入していましが納得の特性を持っています。

キックポイントの異なる3モデルを試打することで自分にマッチするシャフトを選んでシーズンを迎えてみましょう。

最後にトラックマンの数値の見かたのポイントを一つ。ドローボールを打った画像Cでは、クラブパス(軌道)はインサイドアウト5.5度に対してフェースアングルは4.0度(オープン)となっています。インサイドアウトの軌道に対してフェース向きはわずかに内側を向いている(フェーストゥパスー1.5度)ことで、球は4度オープンのフェース向き通りに右に打ち出だされます。そしてフェース向きよりも大きなインサイドアウト軌道により、ボールのスピン軸が水平よりもわずかに左に傾くことで左に曲がる弾道を描きます。

フェードボールを打つ場合は、アウトサイドインの軌道と、それよりわずかに内側に向いたフェース向きでインパクトするとターゲットよりも左に打ち出され戻ってくるフェードボールになりますので、計測器のあるインドアで練習する際に参考にしてみてください。

This article is a sponsored article by
''.