ゴルフを始めたばかりのビギナーや初心者にとって、スウィングについての疑問は尽きない。埼玉県草加市のゴルフスクール「Tom's Bishon草加店」専属のJJコーチに「ビギナーが取り入れるにはまだ早い練習」について教えてもらおう。

世の中にはゴルファーの悩みに応じた練習ドリルがごまんとあり、雑誌やネット記事、あるいは動画などを通じてそれらを知識として取り入れ、実践することも容易なのが今の時代。

もちろんビギナーの悩みを解決する練習法もあるし、自ら改善を試みるのは素晴らしいことではあるが、一方で「ビギナーの方にはまだ取り入れるのはオススメしない練習もあります」とJJコーチ。

画像: ビギナーがまだ取り入れないほうが良い練習とは?(写真はイメージ)

ビギナーがまだ取り入れないほうが良い練習とは?(写真はイメージ)

「オススメしない練習は大きく3つ。ハンドファーストでインパクトするための練習、スウィング中のヘッド軌道を変える練習、そして飛距離アップの練習ですね。実際、自主練の範囲では解決できず体験レッスンに来られる方は大体この3つのどれか、もしくは全部をやっていることが多いです」(JJコーチ、以下同)

ではなぜ取り入れるのはオススメしないのか。それはスウィングを修正する過程で“勘違い”が起きやすいからだという。まずはハンドファーストの場合から説明してもらおう。

「ハンドファーストに関しては、大体の方がハンドファーストに構えて振ろうとするとアウトサイドイン軌道になりやすいこと、そしてヘッドを直線的に下ろしてしまいがちなことが理由です。結果ダフったり、ヘッドが地面にザクっと刺さっていて、真っすぐ飛んだけど飛距離は出ない、ただ球が高く上がっているだけ、なんてことになりがちです。もっと言えば、そもそもハンドファーストの度合いに関しても、過剰にやっていたり、その逆のパターンもありますね」

画像: ハンドファーストを取り入れようとするとヘッドを地面に対し直線的に下ろしてしまい(左・中)、結果としてダフリがち。そもそもハンドファーストの度合いも過剰になりがちだ(右)

ハンドファーストを取り入れようとするとヘッドを地面に対し直線的に下ろしてしまい(左・中)、結果としてダフリがち。そもそもハンドファーストの度合いも過剰になりがちだ(右)

次にスウィング中のヘッド軌道を変える練習。とくにビギナーの場合はスライスを嫌がり、その原因のひとつであるアウトサイドイン軌道をインサイドアウト軌道に修正しようとするパターンが多いと言うが、なぜビギナーにはオススメできないのだろうか。

「大体の方がインサイドアウトで振る際に、過剰にインサイドから下ろそうとしてスウィングが詰まってしまったり、意識し過ぎてクラブを上げる際も過剰にインサイドに上げて、結果アウトサイドからクラブが下りてしまう、なんてことが起こりやすいです。これはクラブを体に寄せて振る、打つといった動作に固執した結果ですね」

画像: インサイドアウト軌道を意識するあまり、ダウンスウィングで詰まってしまったり(左)、インサイドに上げ過ぎた(中)結果ダウンスウィングでアウトサイドから下りてしまう(右)こともある

インサイドアウト軌道を意識するあまり、ダウンスウィングで詰まってしまったり(左)、インサイドに上げ過ぎた(中)結果ダウンスウィングでアウトサイドから下りてしまう(右)こともある

そして無理な飛距離アップは言わずもがな。「無理に飛ばそうとすると自分の体勢を保てる範囲よりも力が入り、結果として体が傾き過ぎてダフリやトップ、場合によっては空振りまで起こってしまいます。あと、自分のスウィングスピードに足元が耐えられず、アドレス自体がズレてしまうなんてケースもありますね」という。

画像: 飛ばそうと力み、振るスピードが強くなることで、身体が傾き過ぎて(左)ダフリやトップ、空振りの原因に。また足元が踏ん張り切れずアドレスで作った姿勢そのものが崩れる場合もある(右)

飛ばそうと力み、振るスピードが強くなることで、身体が傾き過ぎて(左)ダフリやトップ、空振りの原因に。また足元が踏ん張り切れずアドレスで作った姿勢そのものが崩れる場合もある(右)

「そして3つの練習を早くから取り入れようとするビギナーの方に共通して言えるのは、これらの練習にトライするきっかけとなった『直したい自分のミス』が漠然と分かっていることです。例えばスライスの原因はアウトサイドイン軌道でカットに打っているからじゃないか。すごく高い球や、逆にバックスピンがかからない原因はハンドファーストでインパクトできていないからじゃないか。もっと飛ばせれば池やバンカーに捕まらずに済んだのに、といったように」

しかし問題なのは、3つの練習には上記のような起こりやすい勘違いがあるうえに「ビギナーの方の場合、そもそも練習ドリルで直せる範囲に、自身のミスの原因の根本がない場合も少なくない」ということだ。

「自分のスウィングの何がダメなのかを分析しないまま、もっと根本的に身に付けないといけないところがある状態で『○○を直す練習ドリル』の表面的な情報を鵜呑みにして『こう変えれば良くなるんだ』と実践してしまうと、良くなるものもなりませんし、余計に迷路にハマってしまいます」

ではどうすれば良いかと言えば「漠然と解決法だけを取り入れるのではなく、自分のスウィングの何が悪いのかを第三者に見てもらうのがシンプルかつ一番の近道ですね」とJJコーチ。

「そして聞く相手も身近な経験者ではなく、ちゃんとレッスンを生業にしてる人が正直一番早いし、一番効率がいいです。自分のスウィングをビデオなどで録画して『ここが悪い』と自己分析できるくらいの実力が備わっていない時期に先ほど挙げた3つの練習に執着すると、スウィングが迷走してしまいますから、まずは近くのゴルフスクールの体験レッスンなどを一回受けて、自分が悩んでるミスは練習ドリルで解決するのかを誰かにちゃんと診断してもらうだけでも、上達への取っ掛かりを見つけられると思いますよ」

協力/Tom's Bishon草加店

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