渋野日向子がドライバーのG430MAXをはじめ、今季から多くのクラブをスイッチしたことは既報の通り。パターも例外ではなく、彼女は現在 PING 2023 ANSER 2D をエースとしてツアーを戦っている。今回はその新パターについて詳しくレポートする。

ANSERの操作性とDS72の寛容性をいいとこ取り

ピンとクラブ契約を結ぶ渋野は、長らくSIGMA2 ANSER(2018年12月発売)を愛用。全英女子オープン優勝の偉業もこのパターで成し遂げたのだが、昨年はPLDミルドパター DS72(最高品質削り出しヘッドのミッドマレット)を使うこともあった。

そして今シーズン、渋野がパートナーに選んだのが、PING 2023 ANSER 2D だ。

画像: 渋野は「好みの形状で、なおかつ安心感がある」と PING 2023 ANSER 2D を相棒にした   撮影/姉崎正

渋野は「好みの形状で、なおかつ安心感がある」と PING 2023 ANSER 2D を相棒にした   撮影/姉崎正

「インサートが柔らかく、以前使用していたSIGMA2に打感が似ている感じがするからです」とスイッチの理由を語る渋野。ピンのツアー担当が続ける。

「SIGMA2に近い打感のもの、またピン型が好みだがやさしさも欲しいとのリクエストがあり、ピン型より幅広なANSER 2Dをテストして、打感や転がり、見た目と実際のやさしさ(安心感)が気に入ったようです」

渋野が認めたANSER 2Dはその名の通り、トウヒールバランスの重量配分設計を施したANSERがベース。トウとヒールにタングステンを搭載し、重量配分を強調して、より寛容性を高めている。

「D」は「DEEP」を意味し、幅広のワイドソールを採用。座りがよく、ANSERの操作性とDS72の寛容性をいいとこ取りし、安心感もありつつ、自分で操作もできるモデルといえる。

画像: ANSERをベースに、ワイドソールを採用することで安心感と寛容性が向上

ANSERをベースに、ワイドソールを採用することで安心感と寛容性が向上

ロングパットもショートパットも自由自在

PING 2023 ANSER 2D の性能やいかに。みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修が、太平洋クラブ八千代コース(千葉県八千代市)で試打を行った。

最初に指摘したのが、「新ハードPEBAXインサート」の効果だ。
「金属フェースで聞き慣れた『コツン』『カツン』という音がしないですね。ただ、音はしないのだけど打感自体は伝わってきます」(中村)

画像: 柔らかな音ながらインパクトのフィードバックがある新インサートを採用

柔らかな音ながらインパクトのフィードバックがある新インサートを採用

トウとヒールに搭載されたタングステンについては、
「トウとヒールの、しかもフェース側に入っています。なので、ブレードの幅が広くなって重心が深くなりがちなのを、前重心にすることで操作性を高めています。

また、重心の深い大型マレットは(軌道がアッパーになりやすく)、ロフトがつきすぎることがあります。そうすると、ボールがスキッド(インパクト直後にわずかに地面から浮く)して、転がりに影響が出てしまいます。それを防ぐ狙いがあるのでしょう。

PING 2023 ANSER 2D はタングステンで左右(トウヒール)の慣性モーメントを高め、ソール幅を広くしてマレットに近い安心感とやさしさを出しつつ、前重心なので操作しやすい。ちょっと芯を外したときの転がりがすごく安定しています」(中村)

画像: フェース側のタングステンによって「操作性と転がりの良さが感じられる」と中村

フェース側のタングステンによって「操作性と転がりの良さが感じられる」と中村

また、ロングパットとショートパット、どちらにも威力を発揮するという。
「ブレードのいいところは構えやすさですが、一方で芯が狭く、シビアな打点を求められるところもある。ANSER 2Dはちょっと芯を外しても転がってくれるやさしさがあるので、ロングパットでの3パットを抑えます。

ショートパットについても、3メートルの距離で(狙いから)1度ずれると入らない』と言われています。『ANSER 2Dはスクエアに構えられて、ソールの幅があることで、カップに向かうラインがイメージしやすい。黒いヘッドと白いボールのコントラストも効果的で、よりラインが見えてくる感じです」(中村)

画像: 幅広ソールにはスクエアに構えやすくてラインをイメージしやすいメリットがある

幅広ソールにはスクエアに構えやすくてラインをイメージしやすいメリットがある

フォルムにも注目し、「所有感」という言葉が飛び出した。
「マレットとかもっとやさしいパターはありますが、ブレードタイプはシャープさがあってカッコいいじゃないですか。シャープでカッコいいと所有感も満たされますが、それでいてやさしさを両立しています」(中村)

標準シャフトとしてカーボンが装着されている。
「転がりがめちゃくちゃいい。シャフトがしなって戻るので、球の伸びがあります。ショートしやすい人にいいですね」(中村)

画像: 標準のカーボンシャフトは「転がりがいいからラインが切れにくい」と中村

標準のカーボンシャフトは「転がりがいいからラインが切れにくい」と中村

いっそ”しぶこ仕様”にするのもアリ?

ピンはウッドやアイアンだけではなく、パターもフィッティングで選ぶことができる。そのシステムを利用して、渋野と同一スペックの PING 2023 ANSER 2D を手に入れることも可能だ。そのスペックをお知らせしよう。

●渋野日向子のスペック
 ヘッド:PING 2023 ANSER 2D
 シャフト:ステンレススチール
 グリップ:PP58 ミッドサイズ(ブラック/ブルー)
 長さ:33インチ
 ロフト:3度
 ライ角:オレンジ(2度フラット)

画像: 渋野はスチールシャフトを使用。フィッティングで打ち比べて選びたい

渋野はスチールシャフトを使用。フィッティングで打ち比べて選びたい

標準の PING 2023 ANSER 2D と打ち比べた中村は、
「スチールシャフトはしなる感じがあまりないし、33インチと短めなこともあってボールが転がり過ぎることがありません。だからしっかりと打っていける印象。また、カーボンよりもフィードバックがある感じです」

自分にベストフィットのスペックを求めるもよし、”しぶこ仕様”でグリーンを攻めるもよし。スコアメイクも遊び心も、ピンなら自由自在だ。

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