ミスの傾向に合わせてパターのトウハング(重心角)を選ぶことが大切
パッティングではタッチ=打感の強弱を最優先すべき、という関浩太郎プロ。狙った所に打ち出すストローク技術は、誰でも比較的簡単にマスターできるという。
「問題となるのは、人それぞれのミスの傾向です。練習を重ねていると、右に外しやすい、左に引っかけやすい、パンチが入りやすい、打ち切れないといった、自分なりのミスの傾向が見えてくるはず。これも、パター選びの重要なポイントになります」(関)

「パター選びはまず自分のミスの傾向を知ることから」と関プロ
パターにも他のクラブと同様に重心角があり、この数値は通常シャフト軸線とヘッド重心を結んだ線に対してフェースが被る角度を示している。テーラーメイドで人気の『トラス』シリーズでは、重心角(トウハング)の違う様々なバリエーションを用意している。

ホーゼルの形状や位置、重心の位置や深度等によってトウハングは変わってくる
「一概にトウハングが大きいからフェースが開きやすい、ということはありませんが、この数値や重心距離、ヘッド重量などトータルのスペックで左に引っかからない、右に逸らさないといったパターを選ぶことはできます。個人的な打ち方との相性なので、試打を重ねて見つけるのが正解です」(関)
新コンセプトの『スパイダーGT MAXトラス』なら、重心位置、トウハングを調整できる!
4月に、セレクトフィットストア限定で発売された『スパイダー GT MAX トラス』は、パターには珍しいカチャカチャ系で、スライディングウェイト調整機能を搭載。トウ側、ヒール側それぞれに前後移動できる40gのタングステンウェイトが配置されている。
ウェイトを固定できるポジションは左右3×3で9通り。重心位置は30㍉の浅重心から42㍉の深重心まで、1本のパターで試せるわけだ。トウハングも、6度から9度まで変えられる。

トウ側、ヒール側に配置されたスライディングウェイトを配置した『スパイダー GT MAX トラス』
ウェイト位置の違いが、どんなフィーリングや打球結果の違いにつながるのか、関プロに試打してもらった。
「素振りでヘッドの挙動の安定感がまったく変わりますね。浅重心ほどヘッドの動きを軽く感じて動かしやすく、逆に深重心だとズッシリ安定します。打球の転がりも、深重心のほうが振り上げたら勝手に下りてきて、後ろから押す感じが強くなります。浅重心は、振り上げただけでは下りてこないので、積極的に振っていく感じになります。オートマチックに打ちたいのなら重心を深めに、ある程度自分で打っていきたいのなら重心を浅めにと、自分の打ち方や好みに合わせて調整するといいでしょう」(関)

両ウェイトをフェース側に持ってくると浅重心に、後方だと深重心に。振り感はまったく別物に
つかまり具合の違いから
自分の好みが見えてくる
ウェイト位置でヘッドの挙動が変わると、打点もわずかにブレそうだが、その点は「トラスホーゼル」がしっかりサポートしてくれるようだ。
「このパターの活用法として、グリーンコンディションやその日の調子に合わせて転がりの伸びを変えたり、つかまり具合を変えたりするのもいいでしょう。また、普段はブレード派の方でも、その日のコンディションによって重心深度やトウハングを調整して使ってみるのも面白いと思いますよ」(関)

深重心にすると後ろからヘッドが押される感じで勝手に下りてきてくれる
そして、使用ボールについてもこんなアドバイスを。
「より良いパッティングを求めるのなら、パターとの相性を考えて使用するボールを選びたい。ディスタンス系とアスリート系というだけでなく、このパターにはこのボールで、このタッチ。1セットでいかないとダメです。だから、パターを替える際にはボールも併せて検討するのが正解です」(関)

「好みのフィーリングやタッチを求めてトウ側とヒール側を前後にずらすのもあり」(関)
6回にわたって『トラス』シリーズの実力を検証してみたが、「トラスホーゼル」だけでなく、テーラーメイドの基本的な重心設計やフェースインサートのこだわりも見えてきた。7月発売予定のセンターシャフト『TPトラス B1TC』も、ぜひ試してみてほしい。