前回、テーラーメイド「SIM2 MAX」を使い、純正シャフトを短尺化して性能をチェックしたゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広。今回は短尺専用に設計したシャフトを検証してみた

まずはフジクラから発売されているドライバーの短尺化に最適なシャフト「スピーダーSLK TYPE- D」から。

「スピーダーSLK TYPE-D」は2019年の春に登場し、リシャフトして短尺にするという新ジャンルを確立した「スピーダーSLK」をベースに飛距離性能をプラスしたシャフトです。「TYPE-D」の Dは「ディスタンス」の意味で短尺でも飛距離性能を犠牲にしない設計になっています。

40、50、60グラム台、3つの重量がありフレックスはそれぞれ1種類のシャフトです。1インチ短くしてもバランスがシャフトを短くする前と同じくに出るように設計されていて短尺化による不安要素にも配慮してあるのが特長です。

今回は「TYPE-D 50」 と「TYPE-D 60」を用意して検証してみました。

「TYPE-D 50」のシャフト重量は58グラム。全体にしっとりとしたしなり感があるフィーリングなのですが、トルクが少ないので引き締まった動きでレスポンスの良さを感じます。短尺でも「スピーダー」のネーミング通り、スピード感がありますね。

テストクラブのシャフト振動数は234cpmで適度なしなり戻りがあるので、ヘッドを戻しやすく、高いボールスピードを実現してくれます。打ち出しはロフト通りのイメージで、短尺化により弾道が低くなる心配はないでしょう。ドローボールが打ちやすく、スライス気味の方にも合うと思います。

短尺化によってミート率が上がり、ヘッドスピードが速くないスウィンガータイプの方でも振り抜きやすいシャフトです。

「TYPE-D 60」はシャフト重量が66gあり、重みを感じますが、「TYPE-D 50」同様のしっとりとしたフィーリングで硬くは感じません。シャフト振動数は238cpm、しなやかなシャフト挙動は扱いやすく、スムーズに振り抜くことができます。

短くしてもシャフト全体は硬くならず、部分的な動きがしっかりと感じられますし、剛性は高めでも先端部分の動きがありますので、慣性モーメントの大きなヘッドでもスクエアに戻しやすく、ボールをとらえやすいでしょう。

ボールスピードも速く、高い飛距離性能も実現しています。短尺化の最大のメリットであるミート率のアップは多くの方にも体感しやすく、ドライバーショットの安定性は確実に向上すると思います。

シャフトを短くしても飛距離性能を犠牲にすることなく、バランスダウン等のデメリットを感じさせないシャフトに仕上がっていますので、ドライバーのミート率を確実にアップしたい方にオススメのシャフトですね。

画像: フジクラのSLKには2種類あるがオレンジ色のほうが飛距離にこだわった「TYPE-D」

フジクラのSLKには2種類あるがオレンジ色のほうが飛距離にこだわった「TYPE-D」

カスタム系シャフトもショートレングス仕様のシャフトがあります。コンポジットテクノから発売されている「ファイアーエクスプレスSL」です。

ネーミングのSLは「ショートレングス」の意味で50g台の「SL5」と60g台の「SL6」の2種があります。「SL5」から打ってみました。

カラーリングはオレンジをメインカラーにした外観で、しなやかさがあって振りやすいシャフトですね。振動数は44.5インチで242cpmです。バランスは軽めでしたが、ヘッドの重みは感じやすく、手元側はややしっかりとしていてシャフト中間部分は少し軟らかい設計になっています。

先端部分の剛性はしっかりとしていながらも動きがあり、ショートレングス化によって弾道が低くならないよう打ち出し角度も高さが出るように設計されているのがわかります。ボールもとらえやすく、ドローボールは打ちやすいでしょう。ハード目にヒットする方にはやや物足りなさを感じるかもしれませんが、シャフト重量的にも振りやすく、スムーズな動きのシャフトですのでスイングでボールを運びやすく、ヘッドスピードが速くない方にも大きなキャリーボールで飛距離を稼げるイメージの使いやすいシャフトに仕上がっています。

続いて「SL6」。「SL5」に比べるとしっかり感が増していて、全体の剛性は高くなっています。短くても切り返しのタイミングは取りやすい設計になっているのも良いですね。

「SL5」と比べてもミート率を高めるために先端剛性はさらに高めに設定してあるのがわかります。慣性モーメントが大きなヘッドでも当たり負ける感じはないでしょう。振動数は247cpmで「SL5」よりも叩いていっても吹け上がりもない強い弾道が出ます。

あまりハードにヒットする設計のシャフトではないと思いますが、適度にシャフト重量もありますし、ある程度ヘッドスピードが速いアスリートゴルファーが使っても物足りなさを感じさせない短尺用のシャフトになっていると思います。

特に競技等に出るアスリートゴルファーの方は試合の緊張した場面でのドライバーショットでは一発の飛距離よりも方向性などのドライバーショットの確実性を重視する方も多いと思います。そのような場面でもこのシャフトは活躍してくれそうですね。

画像: コンポジットテクノの「ファイヤーエクスプレスSL」も45インチ以下の長さで使うには最適のシャフト

コンポジットテクノの「ファイヤーエクスプレスSL」も45インチ以下の長さで使うには最適のシャフト

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