3月のジャパンゴルフフェアで「TR PROTO」として参考出品され、女子ツアーでは渋野日向子が使用したことでも注目されているフジクラ「TRAVIL」をゴルフステージ成城のクラブナビゲーター・吉田朋広がレポ―ト。

7月20日フジクラから全く新しいアイアンシャフトが発売されます。その名は「TRAVIL」。

この「TRAVIL」はボールの落下角にフォーカスして設計されたアイアン用カーボンシャフトです。素材にはカーボンと金属とゴムが使ってあり、飛距離を損なわずに理想的な落下角度でグリーンを狙えるシャフトに仕上がっているようです。

ネーミングの「TRAVIL」の「TR」は「TOUR RATED」の略で同社の「VENTUS TR」の「TR」と全く同じで「ツアーから求められたシャフト」の意味をもちます。

「AVIL」は能力や性能を意味する「ABILITY」のBを、勝利を意味する「VICTORY」の「V」に換えて造られた造語ですが、ネーミングからもこのシャフトがプロ・アスリートゴルファー向けのブランドだということがはっきりと伝わってきますね。

スペックは85(R、S)、95(R、S) 105(S、X)、115(S、X)の8種類が用意されています。今回は85と95を検証したいと思います。

画像: スペックは85 R(86.5グラムトルク2.7)、85 S (88 グラム、トルク2.7)、95 R (97グラム、トルク2.3)、95 S (99グラム、トルク2.3)で中元調子

スペックは85 R(86.5グラムトルク2.7)、85 S (88 グラム、トルク2.7)、95 R (97グラム、トルク2.3)、95 S (99グラム、トルク2.3)で中元調子

マットブラックの外観は多くのプロの意見を取り入れてデザインされたシンプルなもので、アドレス時に目に入るロゴは全て真裏に配してあります。85のRから打ってみました。

しっとりとなめらかなフィーリングで、もちっとした粘る感じがあるのにシャフトの中はしっかりと芯があります。振動数は272cpmですが、頼りない感じはありません。Rフレックスでもボールを拾ってくれるような動はもありません。手元側はしなやかで切り返ししやすく、しなり感があってボールのつかまり感もありますが、左に巻き込むことはありませんでした。アスリートモデルらしくしっかり打ち込めるシャフトです。

85のSは手元側の剛性が高くなり、切り返しが強めの方に良いでしょう。振動数は285cpmでシャフトの挙動に無駄な遊びがなく、しっかりした硬さを感じられるフレックスです。Sフレックスは先端剛性も高いのでインパクトでしっかり打ち込めればストレート系の高弾道になりますが、打ち込めないとボールの上がりにくさを感じます。

95のRは85のRと同様、トップでの間のとりやすさが印象的です。振動数は278cpmで粘る感じの重厚なフィーリングで、先端剛性は高すぎず、インパクトで厚くボールを押し込んでくれるイメージです。100グラム台のスチールシャフトユーザーでもフィーリング的に違和感なく使えるフレックスだと思います。

95のSはスウィングタイプによって印象は変わるでしょう。振動数は294cpmで、手元側の剛性が高くなり先端部分の剛性も高いのでしっかりした硬さをもったフレックスです。しっかりと切り返せてインパクトでしっかり打ち込めるプレーヤーでないと、ボールが上がりにくく感じるでしょう。スチールシャフトに比べると粘り感は少ないかもしれません。

「TRAVIL」の85と95をそれぞれ打ってみて感じたのはプレーヤーのスウィングの切り返しのイメージで弾道が大きく変わるということです。シャフト特性を生かすには、如何に切り返しのイメージが合うスペック選ぶのが重要なポイントとなるでしょう。

手元のしなり感は当然Rフレックスが感じやすいのですが、プレーヤーそれぞれの切り返しのタイミングやテンションのパワーによってはSフレックスでも十分な手元のしなりを生み出すことができます。

その際、自身のヘッドスピードはそれほど気にしないで良いでしょう。切り返しのイメージさえ合えばヘッドの操作性が上がり、インパクトで入射角が適正になりますので弾道は自然と高くなり、じゅうぶんな落下角を得ることができます。

参考までに振動数を入れてありますが、試打しないでイメージだけで判断して購入するのは失敗する確立が高くなるので避けてください。

ちなみに私は打つ前のイメージは85のSが良いかなと思っていましたが、実際に打ってみると最適なスペックは95のRでした。

シャフトが打ち出し角度を上げてくれる設計にはなっていますが、あくまでもプロに合わせた設計ですので、高さのメリットを感じにくい場合はボールの高さが出しやすいアイアンヘッドに装着して弾道の高さを安定させるマッチングも良いのではと思います。

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