“飛距離アップ”、ドライバーのシャフトをカスタマイズする際に、多くのゴルファーが求めることはコレだろう。しかし、飛ばしに自信のあるパワーヒッターほど、シャフト選択を誤るとコースで痛い目に遭うことになってしまう。叩いてもブレずに飛ばせる、現在PGAツアーをはじめ各ツアーで人気なのもこの手のシャフトだ。今回新たにこの領域に襲来したのがUSTマミヤの『LIN-Q』(以下、リンク)だ。同社のアッタスとは一線を画す、新シャフトの実力とは。

『リンク』は2024年シャフトウォーズの台風の目

毎年、ツアーでは早々に新シャフトの使用が始まり、秋口にそれらのシャフトが上市される。今年も赤いもの、黒いやつ、青いタイプ・・・など、各シャフトメーカーからニューモデルが発売になる。人気シャフトメーカーであるUSTマミヤからも新たなモデルが登場するが、従来のアッタスではなく『リンク』という別ブランドのシャフトだ。この『リンク』、ギアに詳しい方ならご存じかもしれないが、アメリカでは2019年にスタートしたブランドで、PGAツアーのトップ選手も複数名使用するなど、知る人ぞ知るシャフトだ。今回発売になるのは『LIN-Q BLUE EX(リンク ブルー イーエックス)』というシャフト。まずはどんな基本性能を持つのかを、クラブフィッティングなどを行う「4プラス」代表、吉川さんの元に持ち込み、分析してもらった。

画像: 東京・市ヶ谷他、調布、札幌に店舗を構えるフィッティング・ラボ「4プラス」の代表・吉川仁さん。スウィング解析機GEARS(ギアーズ)を活用したフィッティング技術には、プロ、アマチュアが厚い信頼を寄せる

東京・市ヶ谷他、調布、札幌に店舗を構えるフィッティング・ラボ「4プラス」の代表・吉川仁さん。スウィング解析機GEARS(ギアーズ)を活用したフィッティング技術には、プロ、アマチュアが厚い信頼を寄せる

「基本的にはアメリカ人向けに開発されたもので、今流行りの“逆輸入系”のハードなシャフト、その仲間と見ていいでしょう。振動数もそれなりに高いです。でも、じゃあガチガチかというとそうでもありません。他メーカーの同系列のシャフトよりもしなやかさはあると思います」(吉川さん)
4プラスでは、シャフトの性能を見る際に「4点剛性」をチェックする。振動数はあくまでシャフト全体の動く量を表すもの。4点剛性は場所による硬さの違いを示すもので、よりシャフトの性格が見えてくる数値だ。

画像: 「4点剛性」は先端から650㎜、550㎜、400㎜、250㎜の位置で硬さを計測。シャフトの上下の曲げ剛性を測りその平均値を撮る

「4点剛性」は先端から650㎜、550㎜、400㎜、250㎜の位置で硬さを計測。シャフトの上下の曲げ剛性を測りその平均値を撮る

「ひと言でいえばクセのないシャフト。中元調子ではありますが、数値的には手元側が結構締まっていて、一方で中と先はそこまで硬くはありません。ただこれはひとつの目安。特にこのシャフトは、高強度、高弾性の素材をふんだんに使っているので、数字とはまた違ったフィーリングが感じられるはずです」(吉川さん)

高級素材を惜しみなく採用

吉川さんが言う“高級素材”というのが、『リンク』に採用された3つの素材だ。

画像: 新たなテクノロジーによって、ゴルファーの潜在能力をインパクトで爆発させるという『リンク ブルーEX』

新たなテクノロジーによって、ゴルファーの潜在能力をインパクトで爆発させるという『リンク ブルーEX』

90度に交わるカーボン繊維にナノアロイ®技術適用樹脂システムをを配合した素材Qファイバーを、USTマミヤ独自のノウハウで配置し、程よくしなりつつもつぶれない動きを実現する「Q・Ply Core technology(キュー・プライ コア テクノロジー」。また、ロケットや航空機にも用いられている高強度・高弾性かつ超低重量の「トレカ®T1100G」を全長に採用。さらに「トレカ®M40X」を先端に配置することで飛距離性能と安定感を兼ね備えている。
トレカを採用しているシャフトは少なくないが、全長に使うとなると相当高額なシャフトになってしまうためその数は少ない。メーカー曰く、「同様に素材にこだわるいわゆる工房系のシャフトだと、もっと高価格のものがほとんど。逆にこの価格(5万5000円[税込])で抑えることが大変でした」とのことだ。

画像: シャフト先端には「トレカ®M40X」を配置

シャフト先端には「トレカ®M40X」を配置

そして、この「Q・Ply Core technology」がもたらす効果として、メーカーは次の5つを掲げる。

❶トップからスムーズで粘りのある切り返しで、飛ばしに必要不可欠な「安定感のあるタメ」をしっかりとつくる
❷ダウンスウィングからインパクトまでの横方向のブレをなくし、安定したインパクトを実現
❸先端側を高剛性にすることで、「押し感」の強いインパクトを可能に。エネルギーを増幅させ、飛距離アップ
❹フォロースルーも、ブレることなく打球の方向性がアップする
❺シャフト全体のフィーリング(打感)が良く、余韻が心地よい

さて、この謳い文句は果たして体感できるのか。実際に競技派ゴルファーの試打で検証してみよう

「振れば振るほど飛んでいく! 打っていて気持ちいいシャフトですね」(金井さん)

事前に試打していた吉川さんは、『リンク』の印象をこう語る。
「すごくハリ感があって弾きの良さがあります。いかにも逆輸入系のシャフトという感じ。数値的には手元が硬いのですが振るとしなりを感じられてタイミングが取りやすい。それでいてつぶれるような頼りなさはありません。手元から中がしなりますが、しなり戻りは速いので振り遅れ感もない。先はしっかりしていて、多少芯を外してもヘッドのブレを抑えてくれます。フェース面が変わらないから当たり負けせずに初速が出るシャフト、そんな印象です」

アマチュアの試打者は競技派シングルの金井将能さん。自身の現使用シャフトと『リンク』を打ち比べてみることに。スペックはいずれも60グラムのSシャフト、ヘッドはパラダイム◆◆◆の9度を使用した。

画像: 金井将能さん(HC5.4)。ヘッドスピードは42~43m/s、ベストスコア72の競技派ゴルファー

金井将能さん(HC5.4)。ヘッドスピードは42~43m/s、ベストスコア72の競技派ゴルファー

画像: テスト場所は、4プラス・東京調布スポーツパーク店。ギアーズ、トラックマンを用い、あらゆるシャフトでのフィッティングが可能な施設だ

テスト場所は、4プラス・東京調布スポーツパーク店。ギアーズ、トラックマンを用い、あらゆるシャフトでのフィッティングが可能な施設だ

画像: スウィング解析機「GEARS(ギアーズ)」を使い、シャフトとの相性を探った

スウィング解析機「GEARS(ギアーズ)」を使い、シャフトとの相性を探った

双方を打ってみるが、さすがの腕前でいずれもナイスショットを連発。ただマイシャフトのほうが若干打球にバラつきがあるようだ。そのあたりがギアーズの数値にも見て取れると吉川さんは言う。

【マイシャフト】
横しなり:51㎜
縦しなり:22㎜

【LIN-Q(リンク)】
横しなり:43㎜
縦しなり:34㎜

「マイシャフトは横しなりが51㎜と結構大きく、これは適正範囲を超えている。シャフト自体ははっきり言って硬いので、それを感じて自分で戻そうをしているからと推測されます。その結果、左右上下のバラつきが起こっているし、ハンドファーストにも打ちにくい。一方『リンク』のほうは横しなりが43㎜と適正の範囲内です。しなり感が合ってるのでバラつきが収まるし、インパクトのエネルギー効率も上がります。なおかつ、仮に力んで自分で戻す力が強まっても、高強度・高弾性の素材がブレを抑制するので、横しなりが大きくなりすぎることはないでしょう。縦しなり(トウダウン)はリンクのほうが多いですが、こちらは平均値よりも少ないぐらいですからまったく問題はありません」(吉川さん)

画像: 『リンク』のほうが打球のブレが減少した

『リンク』のほうが打球のブレが減少した

打球のブレの少なさに関して、金井さんも実感。ただ気になる点がひとつ。
「スピン量ですね。不思議なことに飛距離的にはほぼ一緒なのに、マイシャフトが2500回転前後なのに対して、リンクは3000回転程度。ここが低くなれば、もっと飛ぶんじゃないかと」(金井さん)

「では、一段スペックを上げてみましょう。重量帯は合っていそうなので、やや硬めに」(吉川)

6Sから「6SX」にして改めて打ってみることに。細かくスペックが分かれているので細かなセッティングが可能な点も『リンク』の特長だ。

画像: 細かなスぺックが設定されている

細かなスぺックが設定されている

金井さん、『リンク』の6SXに手ごたえを感じ、試打が止まらない。
「素直に振ってしっかりつかまってくれる安心感があります。無理につかまえにいかないから引っかけも出なくてとにかく安定する。安定するからどんどん気分良く振れて、飛距離が伸びる。ヘッドスピードも46m/sまで行きました! このシャフト、なんか楽しくなってきますね」(金井さん)

画像: 試打が止まらない金井さん。ヘッドスピードも3m/s上昇

試打が止まらない金井さん。ヘッドスピードも3m/s上昇

画像: 打ちこなせたらちょっとうれしい「6SX」。金井さんにはドンピシャ合った

打ちこなせたらちょっとうれしい「6SX」。金井さんにはドンピシャ合った

「マイシャフトがかなりハリのある硬いシャフトなので、ワンフレックス上げてちょうどいい感じ。6SXでスピン量もしっかり低くなりましたし、さらにしなり感が合っているのか自分でつかまえにいく動きがより少なくなって、安定感も増しました。多少フェースが開いてもしっかりシャフトが押し込んでくれるので、スピン量も大きく増えない点も『リンク』の見逃せないメリットですね」(吉川さん)

画像: つかまってくれる安心感からどんどん振れて、それが曲がらなさにもつながった、という金井さん

つかまってくれる安心感からどんどん振れて、それが曲がらなさにもつながった、という金井さん

高強度・高弾性素材をふんだんに使い、それを独自のテクノロジーで組み合わせてつくられた『リンク ブルー EX』。自分の持っているパワーをロスなくボールに伝えたい、かつブレないインパクトで安定性もアップさせたい、その結果飛ばしたい! そんな欲張りな肉食系ゴルファーの希望を叶えるシャフトになるかもしれない。

試打会情報はこちら

https://ustmamiya.co.jp/event/

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