グリーン上だけじゃなくティーショットでもストライプの力をフル活用したい
5ピース構造のTP5シリーズに対し、ツアーレスポンスシリーズは3ピース構造。カバーはTP5シリーズと同様にキャストウレタンカバーを採用。これはテーラーメイドのほか限られたメーカーのみが採用できる高性能な技術だ。コアはソフトだが、2層目のマントルには、高弾性素材のHFM(HIGHFLEX MODULUS)を採用。それによりエネルギー伝達効率を高め、ボール初速アップにつながる。まさに飛んで止まるツアー系ボールを、アマチュアが扱いやすいように再設計したボールと言える。
ツアーレスポンスシリーズには白ボールもあるが、支持を集めるのは360°クリアパスアライメント™という帯がついた“ストライプ”モデル。今回、従来の「イエロー」に加え、「オレンジ」、「レッド」、「ブルー」が1セットとなった『ツアーレスポンス ストライプ マルチカラー』が新登場。さらに2色使いの「ブルー/ピンク」もラインナップ。好みの色でラウンドできる楽しみが増した。

オレンジ(左上)、ブルー(中)、ライトグリーン(右上)、ボルドー(右下)の4つが「マルチカラーパック」として1ダースにパッケージング。ブルーピンク(左下)も新色で展開
もちろんこのストライプ柄は、目標に合わせやすいという特長を持つ。今回はその使い方について深掘りするのだが、その前に色によって見え方はどう変わるのか、ギアにも精通する内海大祐プロに印象を聞いた。

内海大祐プロ。個々に合ったわかりやすいレッスンに定評がある。数々の試打を経験し、ギアにも精通する。オールデイゴルフ所属
「合計5色になったツアーレスポンスを並べてみて感じるのは、ストライプの“存在感”の違いですね。従来からのライトグリーンもかなり存在感があると思っていましたが、芝の上で見ると一番おとなしく感じます。ストライプの存在感が際立つのは個人的にはブルーです。主張が強い(笑)。アライメントをより意識したい人にはもってこいだと思います」

「左に行くほどストライプの存在感が強いです」(内海プロ)
テーラーメイドが“ビジュアル・テクノロジー”と謳うこのストライプは、グリーン上で目標に正確に合わせるために大いに役立つのだが、「ティーショットでも、使い方次第でスコアアップの大きな手助けになります」と内海プロ。
「ティーショットで打ち出したい方向にラインを向ける、これがティーイングエリアでは最もポピュラーな使い方ですね。つい右を向いて構えてしまうなど、狙ったところに正確にアライメントが取れない人にはかなり有効です」

打ち出し方向を狂いなくセットしたい人向け
そこから90度回し、フェース面とストライプが平行になるようにセットすると別の効果があると言う。
「フェース面とボールの面が揃う形になり、アドレス自体がものすごくスクエアになりやすい。足、腰、肩のラインが整い、練習場の打席に入っているかのような安心感があります。アドレスに不安がある人にはとてもいいですね」

スクエアなアドレスを作りやすい置き方
このフェース面と平行にセットする方法は応用が利くという。
「あえて右に向けることで、インサイドから入れて右に打ち出しやすくなります。逆に左に向ければ左から右に曲がるスライスを決め打ちしやすい。またフェース面と平行な状態からターゲット方向に傾けると、視覚的に“上から”入れたくなるので、左右幅の狭い打ち下ろしのホールなどで役立つと思います。アイアンであればこのひと工夫がアゲンスト対策になりますね。逆側(後方)に傾けるとアッパーに打ちやすい構えに自然に導いてくれる。突っ込みグセも解消されそうです」

右に打ち出したい場合はストライプを右に向ける

左からスライスで攻めたいときは左に向ける

打ち下ろしで球を上げたくないときは目標方向に傾ける
もうひとつのボールをセットできる状況、グリーン上ではどうか。
「これもティーショットと同様です。ラインを目標に向ければ“どこに打ち出すか”を明確にできる。パットではこれがとても大事です。フェース面とラインを平行にするセットアップは、やはり構えをスクエアにしやすいですし、インパクトで開いた、かぶったというようなミスも減りそう。プロでもこの置き方を採用しているケースが見られます。狙ったラインに打ち出せないなら目標に向ける、スクエアにヒットできない人はフェースと平行に置く、自分のウィークポイントをカバーする効果は非常に高いですね。またフェース面と直角に置いたパターンでストライプがよれずに転がっていれば、転がりの良いパットが打てている証拠。練習でも本番でも確認すればストロークがよくなっていくでしょう」

フェース面と直角に置くポピュラーな合わせ方

フェース面と平行に置く。スクエアヒットを意識しやすい
カラバリが増したことで、ストライプの“主張の強さ”も選択できるようになった。加えて、ティーショット後の視認性の高さも見逃せない。2打目地点に向かうときにいち早く「俺のボールあそこだ」とわかれば、それ以降の戦略がスムーズに立てやすくなる。これも『ツアーレスポンス ストライプ』の魅力のひとつだ。
ツアーボールよりも打感がソフト。
不思議と曲がりのミスをカバーしてくれる
『ツアーレスポンス』の性能についても見ておこう。引き続き内海大祐プロが、TP5と比較しながら試打。4つのショット(①ドライバー、②7I、③ウェッジ[30Y]、④パッティング)でテストした。
【①ドライバー(使用クラブ:ステルス2プラス)】

ボールがフェースに乗って“運ぶ”感覚が味わえるツアーレスポンス
「TP5はツアーボールのなかでもソフトなほうですが、それでも『ツアーレスポンス ストライプ』の軟らかい打感は際立ちます。フェースとの接触時間が長くて、ロフト以上の高弾道で飛んでいく感覚です。TP5のほうが初速が速く感じますし、弾き感も強く中弾道。球を操作できる感じも強い。一方の『ツアーレスポンス ストライプ』は、ゆっくり大きな弾道で飛ぶ。操作感は薄いですが、逆を言えば非常に“曲がりづらい”ボール。ティーショットが左右に乱れがちな人には、曲がり幅を抑えてくれる効果が期待できます」
【②7番アイアン(使用クラブ:P790)】

ツアーレスポンスは打感がソフトで高弾道
「中弾道のTP5、高弾道の『ツアーレスポンス ストライプ』、これはアイアンでも変わりません。『ツアーレスポンス ストライプ』のソフトな打感はアイアンでは非常に好感が持てます。このもっちりした打感は“運ぶ”感じが出ますね。それでいて大きく曲がらない点はドライバー同様。ツアーの名を冠しているだけのことはあり、スピン量も適度に入ります。高さとスピンで止められるので、少々の硬いグリーンでも問題ないでしょう」
【③ウェッジ[30Y](使用クラブ:MG4)】

打感、弾道の高さに明らかな違いが出る
「ここでも感じるのは打感の差。『ツアーレスポンス ストライプ』はかなりソフトです。この距離に来ると、TP5との弾道の高さの違いがよくわかります。TP5は低く出てギュギュっとスピンで“止めに行く”感じが出るのに対し、『ツアーレスポンス ストライプ』はポーンと上がって高さとスピンで“止まる”感じ。下手投げで目標に運ぶイメージで、やさしく寄せられます。またストライプがあることで、落ちてから止まる最後のひと転がりまでをしっかり確認できる。ランがどれくらい出ているのかがインプットされるので、使い続けることで距離感が磨かれそう。こんな副次的効果もありますね」
【④パッティング(使用クラブ:TPリザーブ トラスヒール】

ボールの転がりが鮮明なのでストロークの良し悪しも判断できる
「3mと1mで打ちましたが、短い距離になるほど打感・打音の違いが影響してきます。TP5に比べ『ツアーレスポンス ストライプ』はよりソフトな打感。こういうボールはショートパットでしっかりヒットしたい人に向いています。しっかりした打感・打音のボールだと転がりすぎてしまいそうで、インパクトでつい緩んでしまう人にも合うでしょう」
内海プロ曰く、「ツアーボールのテイストがありながら、より“オートマチック”な性能でゴルフをシンプルにしてくれる」という『ツアーレスポンス ストライプ』シリーズ。カラバリの増えたストライプによるビジュアル・テクノロジーも含めたその性能は、きっと好スコアに貢献してくれるはずだ。
テーラーメイド
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PHOTO/Yasuo Masuda
THANKS/浅見ゴルフ倶楽部