かつては横峯さくらや上田桃子、最近では原英莉花や川﨑春花といったトッププレーヤーが優勝者に名を連ねる「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」。プロテスト合格した新人がNo.1の座を争う試合だが、今年は昨年合格の95期生と今年合格の96期生の2大会が同時に同じ会場で実施。96期生は髙木優奈が5アンダーで完全優勝を果たした。

「プロテストの合格が6回目で初めてよかったと思いました(笑)」

画像: ホールアウト後、同期の中野恵里花らから祝福を受ける髙木

ホールアウト後、同期の中野恵里花らから祝福を受ける髙木

優勝会見の終了間際、記者の質問に答えながら、こう語り笑いを誘った髙木。この理由について、「いま気づいたんですけど、昨年までは競技日数は2日間で賞金が180万円。今年は3日間で270万円。いままで受からなかったから、このレギュレーションの大会で優勝できたんですよ。だから本当によかったです」とのこと。

受け答えは柔らかで質問に対して端的に答えながらも、冗談を交えながらの会見は聞く人を飽きさせない。別日の話だが、JLPGAのスタッフによると、「私、口下手なんで、インタビューは10分くらいでいいですか(笑)」といいながら40分近く、相手を楽しませながら話し続けたらしい。コミュニケーション能力とゴルフ力の高さに、JLPGAの人気女子プロが一人増えたなと感じた。

本大会では、初日に4連続バーディを含む8バーディ2ボギーの66で2位以下に4打差をつけ、頭ひとつ抜けだした。2日目は10番ホールで「人生で初めての経験」という誤球ペナルティもあり、75と伸ばせなかったが、風速8.1m/sという強風の影響で他のプレーヤーも伸ばせず、1打リードで最終日を迎えた。2日目と打って変わって風速は2.4m/sと穏やかな天候のなかで実施された最終日は前半で4バーディ2ボギーと2つ伸ばし、リードを広げてバックナインに。後半を36でまとめ、トータル5アンダーで2019年の単年登録時に優勝したステップ・アップ・ツアー 「ANAプリンセスカップ」以来の勝利を完全優勝で手にした。

画像: ラウンド中にカメラマンへピースサイン。リラックスして試合に臨んでいた

ラウンド中にカメラマンへピースサイン。リラックスして試合に臨んでいた

JLPGAの規定変更により、プロテスト合格者のみがプロとして試合に出れるようになってから、「ゴルフがしたい。試合に出たい」という一心で、海外の試合に出場。また、原田香里や不動裕理といった女子ゴルフ界のレジェンドと一緒にラウンドするなかで、「レジェンドの方たちからは『自分を信じてゴルフをしないさい』と言っていただいて、コツコツやるしかない、自分を信じて好きなゴルフが上手になりたいと思うようになりました。その結果、技術もそうですが、メンタルも強くなり、昨日の誤球でも気持ちを切らさずにプレーできたんだと思います。そして、『誤球したからこそ、絶対に勝たなければならない、2打差で涙するのは絶対に嫌だ』と思って、最終日に臨みました」という。

気合の入ったプレーで後続を寄せ付けず有言実行。今後の目標を聞かれると、「QTの資格で来年は開幕戦から出られると思うので、シード獲得はもちろん優勝したいですね。私、ゴルフが上手くなりたいんです」と笑顔で語っていたのが印象的だった。

画像: 追い上げを見せた髙野愛姫。大学生である彼女は「来季の予定は監督などと話し合って決めます」と話す

追い上げを見せた髙野愛姫。大学生である彼女は「来季の予定は監督などと話し合って決めます」と話す

その髙木が優勝会見で「愛姫ちゃんがいいスコアで回っていた」と話題にした、髙野愛姫が2位に。その髙野は「3日間、調子が良かったのはあるんですが、いままでで一番楽しい試合でした。最終ホールでカメラマンさんがたくさんいて、緊張してしまった自分がいました。今後はこのような状況でも自分のプレーができるようになりたいです」と来季の抱負を語っていた。

PHOTO/Shinji Osawa

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