「JLPGA新人戦 加賀電子カップ(95期生)」で優勝を飾った台湾出身のウー・チャイェン。レジェンド涂阿玉の愛弟子のスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファー・中村修が解説。

2022年のプロテスト(95期生)に合格したウー・チャイェン選手は、QTランク127位で終え、今季はステップ・アップ・ツアーを中心に参戦していました。

5月の地元台湾で開催された「CTBCレディス」で2位になると、その後の試合で2位タイ、2位、5位タイと上位進出を続け、6月中旬の「ユピテル・静岡新聞SBSレディース」で初優勝を挙げます。快進撃はその後も続き、通算3勝を挙げ、賞金女王を獲得しました。

画像: 「JLPGA新人戦 加賀電子カップ(95期生)」で優勝を飾ったウー・チャイェン

「JLPGA新人戦 加賀電子カップ(95期生)」で優勝を飾ったウー・チャイェン

スタッツを見てみると平均ストローク、平均パット数(パーオンホール)、平均バーディ数など軒並み1位の数値が並んでいますが、1ラウンド当たりの平均パット数は5位、リカバリー率8位と今後の伸び代は、グリーンを外した際のアプローチとパットにありそうです。

3日間競技で開催された新人戦では風の強かった2日目に78を叩き、脱落かと思われましたが、最終日に66と爆発し、2位に4打差をつけ圧勝。それでは最終日にピンを攻め続ける攻撃的なプレースタイルをみせてくれたスウィングを見てみましょう。

身長155センチと小柄ですがドライバーの飛距離は240ヤードは飛ばしてきます。フェースを開かずにテークバックし右ひざを動かし過ぎないように止めながら大きく体をねじることで、足から体幹、背中の大きな筋肉を引き伸ばしエネルギーを溜め込んでいます。

画像: フェースを開かずにテークバックし、大きく体をねじることでバックスウィングのエネルギーを蓄える

フェースを開かずにテークバックし、大きく体をねじることでバックスウィングのエネルギーを蓄える

切り返しからインパクトの画像を見ると足首、ひざ、股関節の協調性、連動性、いわゆるトリプルアクションが見て取れます。ドライバーではこのトリプルアクションを大きくしっかりと使い、アイアンショットでは静かに使うことで距離感と方向性を確保しています。

画像: 足首、ひざ、股関節の連動性と協調性が整ったトリプルアクションで240ヤードを飛ばす

足首、ひざ、股関節の連動性と協調性が整ったトリプルアクションで240ヤードを飛ばす

このトリプルアクションは高さのある段差にジャンプして着地するボックスジャンプや、立ち幅飛びといったトレーニングで鍛えることができますが、年間を通して戦うツアープロたちの間ではいまや必須のトレーニングになっています。

昨季ステップアップツアーで5勝し、今季レギュラーツアーで4勝とブレイクした櫻井心那選手の後に続けるか。期待を込めて注目していきましょう。

写真/大澤進二

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