「フェアウェイバンカー」とは、文字通りフェアウェイの途中、大体2打目や3打目を打つことになるであろう地点付近に配置されていることが多い障害物。
同じ砂のバンカーと言っても、グリーン周りに配置される「ガードバンカー」とは「脱出のコツが大きく異なります」と兼濱は言う。

フェアウェイバンカーから脱出する際のコツは?(写真は千葉県・太平洋クラブ八千代コース17番ホール)
「フェアウェイバンカーは、グリーン周りのガードバンカーと比較して、平坦でアゴが高くないケースがかなり多いです。なので砂をエクスプロージョンさせて高さを出す必要があまりないんです」(兼濱、以下同)
ガードバンカーではウェッジのバウンスを活かしつつエクスプロージョンショットを打つために、あえてダフりやすいアドレスを作るわけだが、フェアウェイバンカーの場合「一番避けたいミスは、ダフり過ぎて脱出自体ができなくなってしまうこと」だと兼濱。
これを避けるためフェアウェイバンカーからのショットでは、ガードバンカーとは真逆である「トップしやすい構えを作るのがオススメ」だという。
「アゴが低いのでトップしてもショットの勢いで脱出してくれる可能性は高いですし、距離に合った番手を選んでいればグリーンにも近づけることができます。フェアウェイバンカーの場合はダフリよりトップのほうが“良いミス”というわけですね。なので、最悪のケース……ダフリ過ぎて脱出できない可能性を消すために、あえてトップしやすいアドレスを作っておくんです」
トップしやすい構えの作り方は、まずクラブを短く持つこと。具体的には指1本ぶん程度短く持てばオッケーとのことだ。加えて、ボールの位置を普段よりボール1個分くらい右寄りに置くことで「最下点より手前でボールに当たる=トップしやすくなります」という。

グリップを普段より指1本ぶん短く握ることで、トップしやすい構えが作れる
「短く持つ、ボール位置を右寄りにする、このいずれもトップしやすくなる要因です。ガードバンカーでのショットのように、重心をしっかり下げる意識も必要ないですね。注意して欲しいのは、ボールを上げようとしないこと。バンカーだとつい高さを出したくなりますが、フェアウェイバンカーの場合は低くてもいいですから、トップする構えを作り、ボールにコンタクトできればオッケー。ナイスショットが出たら儲けもの、という気持ちで打ちましょう」

フェアウェイバンカーから打つ際の「トップしやすい」アドレス。ボール位置は右寄りで、重心もガードバンカーからのショットのように低くする必要はない
協力/太平洋クラブ八千代コース