年末年始、各メーカーの新商品攻勢が活性化する中で、今年も話題の中心にいるのが1月に発表されたテーラーメイド、ピン、そしてキャロウェイといった海外ブランドの最新ドライバーだ。今回発表された3社のドライバーはコンセプトが似ている点でゴルフ5の腕利きフィッターたちは注目しているという。

今年も目が離せないニュードライバー

今年も年明けから各社2024年モデルのドライバーの詳細が発表された。テーラーメイドは、「ステルス」シリーズ以来のカーボンフェースを踏襲しながらもブランドを一新した「Qi10」シリーズを2月2日に発売予定。ピンは昨年発売した「G430」シリーズの新モデルとして、※慣性モーメントが10K=1万g・㎠を超えたことをそのままネーミングした「G430 MAX 10K」を2月8日に発売予定。キャロウェイは前モデル「パラダイム」の名を継ぎつつ機能を大きく進化させた「パラダイム Ai スモーク」シリーズを2月2日に発売予定だ。

慣性モーメント(MOI)とは、モノが回転しようとするとき、止まろうとするときに必要になる力を数値で表したもの。数値が大きければヘッドが回転しにくく動きが安定する。小さければヘッドが回転しやすく球をつかまえやすくなるということ。

2024年モデルのドライバーの共通項は“飛んで曲がらない”

なかでもゴルフ5プレステージの腕利きフィッターたちがとくに注目しているのが、直進性・安定性を売りにしたモデルたち。テーラーメイドは「Qi10 MAX」、ピンはもちろん「G430 MAX 10K」、キャロウェイでは「パラダイム Ai スモーク MAX」がそれだ。

テーラーメイドとピンは、「慣性モーメント1万g・㎠超え」を売りにしているのに対し、キャロウェイは「進化版AIフェース」が特徴。着眼点を変えてきているように見えるが、いずれも「飛んで曲がらない」という点ではコンセプトが似ているとゴルフ5プレステージ広尾店勤務のフィッター中村柊介さんは話す。

画像: ゴルフ5プレステージ広尾店勤務の中村柊介フィッター。ゴルフの腕前も高く、クラブの造詣も深い

ゴルフ5プレステージ広尾店勤務の中村柊介フィッター。ゴルフの腕前も高く、クラブの造詣も深い

「テーラーメイドとピンは、ヘッドの慣性モーメントを極大化して、ミスヒット時のヘッドのブレを抑えることでの飛距離ロスの最小化を目指しています。キャロウェイは、慣性モーメントよりもフェースの進化を謳ってはいますが、やはりミスヒット時に初速が落ちず、どこに当たっても飛ぶドライバーを目指したという点では、やはり他社と目指すところは近いように思えます」(中村さん)

ドライバーは、もはやヘッドの体積や※COR値などが細かく規制され、芯で打った場合の初速アップは限界に近いところまで進化している。そんななかでコースで実際にプレーする際に実効性のある形で平均飛距離を伸ばすには、打点ブレをしても曲がらず、芯で打った場合と遜色ない飛距離を出せることが重要。この点においては各社とも意見が一致している。一方で、そこへのアプローチの仕方にはさまざまな可能性があり、各社が試行錯誤をしながら工夫を凝らしているのが現状なのだ。

COR値とは、反発係数のことで英語のCoefficient of Restitutionの略。
反発係数は、ルールで0.830までと定められており、0.830を超えるクラブはルール不適合クラブとされている。

そのなかで、テーラーメイドとピンは、慣性モーメントというアプローチを採用した。
これまで、慣性モーメントといえばヘッド左右の数値がメインで語られてきたが、この2モデルは上下方向の慣性モーメントも最大化し、左右・上下を足して考えるようになった点がおもしろい。実際に打っても、ヘッドがブレずに高い安定性を感じると中村さんは話す。

「『Qi10 MAX』は『ステルス2』よりも少しスピン量が増え、球が浮きやすく、扱いやすくなったように感じます。フェースは開閉させずに、カタマリとして振り抜ける感じがします。『G430 MAX 10K』は、ヘッドの重さを感じられ、その質量で飛ばす感じがあります。球の上がりやすさやつかまりは『G430 LST』と『G430 MAX』の中間くらいという印象です」(中村さん)

一方のキャロウェイの「パラダイム Ai スモーク MAX」は、これまで推してきた「ジェイルブレイクテクノロジー」を排したのが印象的。しかしこれは、100万通りものスウィングデータを解析してAI設計したフェースの性能が、もはや「ジェイルブレイク」を必要としないところまで進化したということでもある。

「芯を外しても本当に初速が落ちずに、不思議なほど飛びます。これがフェースの性能かと思うと、AI恐るべしですね。『ジェイルブレイク』がなくなったぶん、余剰重量がさらに大きくなり、重心設計の自由度が上がったこともあるのでしょうが、前モデル『パラダイム』よりもつかまる感じがあります。グリップは細めなことも影響があるかもしれません。オートマチックですが鈍すぎず、幅広いゴルファーが使えそうです。」

2024年モデルのドライバーは“軽・硬”で叩け!

2024年モデルのドライバーは、共通してミスヒットに強い。言い換えれば、多少の打点ブレを気にせず、思い切って振っていくことで飛距離アップが図れるのだ。その点からも、この3モデルは、軽め、硬めのシャフトをおすすめしたいと中村さん。

「シャフトの重量が、普段60g台の人なら50g台。普段50g台の人なら40g台でもOK。そのかわりフレックスをXなどに上げて暴れないようにするのがポイントです。これをビュンビュン振り回すのが、おすすめですね。」(中村さん)

画像: 普段よりも1スペック軽め、1フレックス硬めのシャフトで組んだら、シャープに振り抜けてヘッドの性能を引き出しやすく、面白そうだと中村さん

普段よりも1スペック軽め、1フレックス硬めのシャフトで組んだら、シャープに振り抜けてヘッドの性能を引き出しやすく、面白そうだと中村さん

「自分にXが振れるのか」と心配になる人も多いだろうが、軽めならXでも全然問題ない。
今年のニュードライバーは、軽・硬のシャフトで曲がらないヘッドをビュンビュン振り回すのが、飛ばしの方程式になりそうだ。

気になった方や、硬いシャフトを振ることに不安があるかたはぜひ一度ゴルフ5プレステージで実際に試打していただきたい。

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