ゴルフに関する様々な理論に精通するインストラクター・大庭可南太が、ツアープレーヤーに見る「スウィングのリズム」について着目する!

こんにちは。ゴルフインストラクターの大庭可南太です。さて今週行われましたLPGAツアー「LPGAドライブオン選手権」では、ネリー・コルダ選手が1年2カ月ぶりとなる優勝を果たしました。終盤で3打差を縮めてプレーオフでの優勝というドラマチックな展開もあり、ネット上ではそのスウィングの動画があふれかえっていました。

画像: 東京オリンピックでも金メダルを獲得したネリー・コルダのスウィングは、ゆったりと流れるようなリズムで飛距離もある(写真/KJR)

東京オリンピックでも金メダルを獲得したネリー・コルダのスウィングは、ゆったりと流れるようなリズムで飛距離もある(写真/KJR)

ネリー・コルダについては人気選手ですのでスウィングの動画をご覧になったことがある方は多いと思いますが、とにかく「リキみ」がまったく感じれられない、流れるようなリズムのスウィングながら、当然ですがちゃんと距離も出ているわけですね。

「そりゃ手足が長くてスタイルがいいからそう見えるんだ」というご意見もあるでしょうが、男子のマキロイ選手同様、「誰もがマネしたいスウィング」の一例であることは間違いないでしょう。

じゃあ何をマネするかというと、ほとんどのアマチュアの方は「トップのポジション」とか「フィニッシュのスタイル」とか外見の「形」を気にされるわけですが、上級者になるほど「スウィングのリズム」「テンポ」といったことを意識される傾向があるように思えます。推しのプロの「形」だけをマネしても「なんか違う」となるのは、スウィングの本質である「リズム」に着目していないからかもしれません。

リズムとテンポ

とかく上級者ほど「良いリズムでスウィングできればだいたいナイスショットになる」といったことをおっしゃるのですが、そもそもリズムとは何でしょうか。

「リズム」は、古くは「チャー・シュー・メン!」に代表されるように、スウィング動作を行う際の拍子を指します。「チャー」で始動、「シュー」でトップ、「メン」でダウンスウィングを行うのであれば「三拍子」ということになります。これはプレーヤーによってそれぞれの「リズム」があり、たとえばバックスウィングをゆっくり上げる選手であれば、そこで二拍子を使って全体で四拍子にしても良いわけです。

「テンポ」はその拍子を遂行するまでの時間になります。同じ三拍子でも、短い時間で終えるのであれば「テンポ」が速いことになります。

「そうか、じゃあいろんなショットごとに、なるべく同じようなリズム・テンポで振ることが大事なんだな⁉」と思われた方は、それはそれで間違いではないのですが、もう一歩進んで「良いリズムとは何か」を考えていただきたいのです。

ブランコは必ず「良いリズム」で動いている

いわゆる「ギッコンバッタン」などと表現されるぎこちないスウィングと、上級者の「良いリズム」のスウィングに具体的にどのような違いがあるのかということですが、まず基本的な考え方としてゴルフスウィングは「振り子」の動作が基本になっているということです。つまりブランコが前後に行ったり来たりする「振り子」の動きは、必ず重力とマッチした「良いリズム」の動きになっているということです。そもそも「スウィング」とはそうした動作のことを指す単語です。

つまりブランコの動きのポイントを押さえておけば「良いリズム」のスウィングに近づけるはずなのですが、ここでは大きく二つのポイントに注目したいと思います。

「軸」の安定

一つ目は振り子運動が行われる時の「軸」の安定です。ブランコで言えば、座る部分を吊るしているところに強度がなければ、安定した振り子運動を行えないことになります。

ではこの「軸」がゴルフスウィングではどこになるのかですが、インパクトまでは「頭部」と言って良いと思います。

画像: 画像B スタンスの足の中央と、アドレス時点の頭頂部を結ぶ線上に頭部が位置していれば「軸」は確保されている。(ローリー・マキロイ/KJR)

画像B スタンスの足の中央と、アドレス時点の頭頂部を結ぶ線上に頭部が位置していれば「軸」は確保されている。(ローリー・マキロイ/KJR)

厳密にはアドレスからインパクトにかけて、(上級者の場合)頭部は「沈み込む」のですが、その際写真のように頭部が線の上から外れていなければ「軸」が安定していると言えます。

簡単に言えば「頭を動かすな」ということですが、やはり上級者ほど「頭部のポジションのキープ」ができていると思いますし、スウィングのリズムの自然なものになるはずです。

「半径」の安定=遠心力

二つ目は「振り子の半径の安定」です。実は振り子のテンポは、先端までの長さで決定します(「振り子の等時性」)。ということはスウィングの半径を一定の長さに保っておければ、リズムやテンポも安定するということになります。

しかしゴルフのスウィングでは、フルショットの場合には振り子よりも振り幅が大きくなりますし、またコックやアンコックなどの動作が加わるため、終始半径を同一に保つようにはなりません。ということは、「インパクトに向けて、安定したスウィング半径になる」ようにクラブを操作できることが必要になります。このためには「遠心力」を活用できることが必ず必要になります。

画像: 画像C 振り子は重力のみを動力源としているため、水平を超えた時点で半径を維持できなくなる。よって右のように遠心力を活用することが必要となる

画像C 振り子は重力のみを動力源としているため、水平を超えた時点で半径を維持できなくなる。よって右のように遠心力を活用することが必要となる

このように書くとなんだか複雑に思えますが、要は軟らかいものをしっかり振ることができれば、おそらく良いリズムで「スウィング」ができているはずなのです。そういうわけで、ホースだのロープだのタオルだのを振るというトレーニングを誰しもやっているわけで、それに近い効果を発揮する練習器具も星の数ほどあるわけです。

画像: 画像D まずは軟らかいシャフトの練習器具を使い、しっかい先端の重量を感じる感覚を養いたい。ロープ系の器具は先端が自分に当たる可能性があるので最初からフルスウィングしないこと

画像D まずは軟らかいシャフトの練習器具を使い、しっかい先端の重量を感じる感覚を養いたい。ロープ系の器具は先端が自分に当たる可能性があるので最初からフルスウィングしないこと

というわけで結論としては、「頭をなるべく動かさずに、軟らかいものを振る」という練習で「良いリズム」のスウィングの感覚が身についてくると思います。

ただこれで終わりではないのは、実際のゴルフのスウィングでは手首はロープではありませんので、正しい「手の使い方」をしない上手に遠心力を活用することができません。これについては次回紹介したいと思います。

This article is a sponsored article by
''.