会場となった熊本空港CCは例年フェアウェイもグリーンも硬く速さのあるセッティングが特徴です。グリーンのスピードは11フィート、コンパクションは24と練習日よりも一段と硬く速く仕上がっていました。
初日に1オーバー41位タイと出遅れた竹田選手は、2日目にアイアンの距離感をマイナス5ヤードに修正し6アンダーでプレー。首位に3打差の3位タイへとジャンプアップしていました。どの選手もチャンスメークに苦しんだ硬いグリーンを攻略できたのでは、竹田選手の持ち球であるハイフェードにあったと考えています。
昨季のドライバーの飛距離は神谷そら選手に次いで2位でしたが「飛距離のスタッツはいつもチェックしている」と今季は1位を目指しドライバーを振り抜いています。大きな捻転から左サイドの回転を止めずにややカットの軌道で大きく振り抜き飛距離を出しています。
ドライバーでの適正な落下角度はランも稼げる35度から40度、アイアンでは45度が目安になると言われていて、番手が上がって45度を下回るようならUTやショートウッドをセッティングすることが必要になります。
硬く速いグリーンに止められたアイアンショットを見てみると、インパクト付近のクラブヘッドの入射角が浅いことに気が付きます。フェードヒッターは入射角が鋭角になりやすいため、ロフトが立って当たり弾道は中弾道になるケースが多いものです。それでもスピン量は確保されているため、ある程度ボールは止められますが、コンパクションが高くなるとボールを止めるには落下角度も必要になってきます。
竹田選手は、背骨をわずかに傾けながらも左に高く振り抜くフォローを取ることで、入射角の浅いアウトサイドイン軌道のハイフェードを持ち球に硬いグリーンに対応できるショット力を身に付けています。
オフには「アプローチとパットを重点的に練習したことで、簡単にはボギーを打たなくなって来た」とその成果は、開幕2戦目から5戦目まで優勝争いをし7戦目で初優勝を手にした結果に現れています。今季は躍進のシーズンになることは間違いないでしょう。