「フジサンケイレディスクラシック」で史上4人目となる初優勝から2週連続優勝を飾った竹田麗央。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が川奈を制したスウィングを解説。

先週に引き続き竹田麗央選手のスウィング解説となりました。現地の川奈ホテルGC富士コースはアリソンバンカーで知られるC・H・アリソン設計の美しい景観のシーサイドコース。深いバンカー、うねりがあり様々なライのあるフェアウェイ、芝目の強いコウライグリーン、そして海風と幾つもの難関が選手たちを待ち受けていました。

初日、2日目はアウトコースから朝7時のワンウェイでのスタートで始まりました。初日好スコアを記録した上野菜々子、野澤真央、尾関彩美悠選手(3アンダー)はそれぞれ9時前後の早い時間のスタートでしたが、竹田選手は11時頃と風が強くなり始めていました。その中で前半で4連続を含む5つのバーディを奪うと後半はボギーを1つにまとめ4アンダーの首位でスタートしていました。

風の強くなった遅いスタート組からの4アンダーは風に負けない飛距離とショット力、パットが噛み合った証です。風の穏やかになった2日目、最終日でも好調は続き連日4アンダーの67を並べ2位に3打差をつけの完全優勝を飾りました。

初日のラウンド後に練習グリーンで竹田選手にコウライグリーンは得意なのか聞いてみると「得意ではないんです」との答え。ショットで奪ったバーディも多かったようですが、最終日には芝目の強くなる午後でも4つのバーディを重ねていることからも、しっかりとコウライグリーンに対応できていたことが伺えます。

画像: 「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝から2週連続の2勝目を飾った竹田麗央(写真/岡沢裕行)

「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝から2週連続の2勝目を飾った竹田麗央(写真/岡沢裕行)

最終日にショットインイーグルを含め4アンダーとスコアを伸ばし9位タイで終えた桑木志帆選手は「最終日になってやっとラインが読めるようになりイメージが出ました」と話していました。竹田選手が多くのチャンスをものにできたのはコウライグリーンの芝目と傾斜を合わせたライン読みが初日からできていたことで、明確にイメージできたことに違いありません。オフにはアプローチとパットを重点的に練習した成果が川奈でもいかんなく発揮されていました。

前回は入射角が浅く高弾道のフェードを打つアイアンショットを解説しましたが、ここでは今季ドライビングディスタンス1位を狙うドライバーショットを見てみましょう。

166センチの体型を生かした大きく構えたアドレスで立ち、腕とクラブで作る角度(画像Aの赤線)を保ったまま始動していていきます。そうすることで腕の動きが大きくなり過ぎず、手元が胸の前にある感覚でバックスウィングを取ることができます。

画像: 画像A アドレスで作ったクラブと腕で作る角度をキープしたまま胸を右に向けるようにテークバックする(写真/姉崎正)

画像A アドレスで作ったクラブと腕で作る角度をキープしたまま胸を右に向けるようにテークバックする(写真/姉崎正)

ゆるみのない下半身に支えられながら、右の太ももと股関節の角度がキープされ右足裏にしっかりと加重されたお手本のようなトップの形へと上がっています。

ダウンスウィングでは右腕に注目してみましょう。下半身の切り返しに連動して、右ひじは内側に絞り込むように下りてきます。わずかなアウトサイドイン軌道でフェードを打っていますが、右ひじが内側を向いたまま下半身の回転に引っ張られるように体の近くを通っています。

画像: 画像B 下半身のリードに連動し右ひじを内側に絞り込むように切り返すと、インパクト後まで右手を返す動きは入らない(写真/姉崎正)

画像B 下半身のリードに連動し右ひじを内側に絞り込むように切り返すと、インパクト後まで右手を返す動きは入らない(写真/姉崎正)

この右ひじの向きが変わらない使い方がフェースコントロールを生み、画像Bの真ん中と右の写真でわかるように、腰の回転量の大きさがビッグドライブを生む原動力になっています。フェードヒッターである竹田選手は体の回転を止めずに右腕を返す動きをインパクト後まで遅らせることで強い高弾道のフェードを打ち続け、硬く速いグリーンだった前週のKKT杯バンテリンレディス、難コースだったフジサンケイレディスクラシックを制したのでした。

初優勝から早くも2勝目を飾った竹田選手ですが、まだまだ快進撃は続き今季のポイントランク女王争いの筆頭に上がることは間違いないでしょう。

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