5つある女子ゴルフのメジャー大会のなかで、もっとも権威のある「全米女子オープン」の最終日本予選会が4月22日、房総カントリークラブ房総ゴルフ場で開催。国内外のプロアマを問わず117名の選手が参加し、東コースと西コースの36Hを一日で回り、トップ5に入ると本戦である「全米女子オープン」に出れるというレギュレーションになっていた。なお、上位4名は確定したが、5位は6アンダーで並んだ木村彩子とアマチュアの入谷響のプレーオフは6ホールでも決着がつかず、明日6時30分から再開になった。

今年の「全米女子オープン」はペンシルベニア州にあるランカスターCCで5月30日~6月2日の日程で開催される。日本からは4月15日付のロレックスランキング順に、畑岡奈紗、古江彩佳、笹生優花、山下美夢有、岩井明愛、小祝さくら、西郷真央、岩井千怜、鈴木愛、櫻井心那、西村優菜、神谷そら、稲見萌寧、仁井優花、渋野日向子の15名の出場が決まっており、その他、先週のフジサンケイレディスクラシックで優勝した竹田麗央は「開幕週のロレックスランキングのトップ75」の資格で出場できる見通しだ。

会場であるランカスターCCは、全米最古の倶楽部として知られるシネコックヒルズGCなどと同じウィリアム・フリンの設計で、チョン・インジが優勝した2015年の全米女子オープン以来の開催となる。そのとき出場した大山志保が5位タイ、葭葉ルミが14位タイ、上原彩子が20位タイ、そして今回も出場する鈴木愛が32位タイという成績をみると、日本人選手との相性はそれほど悪くないように思える。

そして、今日の日本の最終予選会で通過が確定したのは下記の4名。

尾関彩美悠/初出場
河本結/4年ぶり2回目
藤田さいき/初出場
サイ・ペイイン/7年ぶり2回目

初出場を決めた尾関は第1ラウンドの西コースを66で回り、2位につけて第2ラウンドに入ると、勢いそのままに後半も5つ伸ばし、終わってみればノーボギーの12アンダーで首位通過。

「第1ラウンドの前半は本当にピンチの連続というか、パーを拾って拾ってのラウンドだったんですが、それを耐え続けていたら5連続のバーディが来て、波に乗れました。昨日場10時半くらいに就寝して、今日は4時くらいに起床。私にとっては睡眠が全く足りてなくて、午前中は倒れちゃうんじゃないかって思うくらいヘトヘトでした。第2ラウンドは元気になったのは、やっぱり5連続バーディが利いたんだと思います。昨年メジャーに出た同期から写真をみせてもらってコースとか本当に綺麗で、自分の調子も昨年よりは良くなってきたので今年は挑戦しようかなって。海外へは体力のあるうちにいっぱい挑戦したいので、今回の通過は本当に嬉しいです。メジャーのコースは難しいと思うので、練習をいっぱいしてまずは予選通過を目指します。チョン・インジさんの所作がすごく好きで、インジさんはもちろんですが、他の海外選手からとにかく何でも学んでいきたいと思います」

画像: 「海外にはあまり行ったことがないので食とか街並みとか楽しみです」(尾関)(撮影/姉崎正)

「海外にはあまり行ったことがないので食とか街並みとか楽しみです」(尾関)(撮影/姉崎正)

2020年以来2度目の全米女子オープンへ出場する河本結は尾関と同じく西コースからスタートし、65の単独首位で第2ラウンドの東コースへ。後半も危なげなくプレーを進め、9アンダーで予選通過となった。

「距離が短めだったので、セカンドを自分が得意な9番アイアン以下のクラブで打つことができて、ショットのおかげでこの順位になれました。川奈ではアップダウンと風の影響で疲れからカット軌道になる悪い癖が出ていたので、今日の朝にそれを調整できたのが良かったです。前回はアメリカでの苦い経験のなかでメジャーを戦ったので、苦しみが強かったので今回は楽しみたいと思います」

画像: 「今回の全米女子オープンは楽しんでプレーしたい」(河本)(撮影/姉崎正)

「今回の全米女子オープンは楽しんでプレーしたい」(河本)(撮影/姉崎正)

2年前の全英女子オープンが36歳で初の海外メジャーだった藤田さいきが、「67」、「69」の8アンダーとし、38歳で2度目の海外メジャーを決めた。

「房総カントリークラブはいま住んでいる場所から近く、よく練習させていただいているコース。ある意味ホームコースともいえる場所で出場権を得られて嬉しいです。実はプロになって36Hを1日で回ったことがなくて、まずは18Hと思ってスタートしました。そしたら第1ラウンドが良くて、もうハーフと思ったら、そのハーフも良くて、36Hやれちゃいました(笑)。全米女子オープンはとにかく出たことがなかったので、チャレンジしてみようと思っています。私も楽しみなのですが、海外好きの夫のほうが楽しみだと思います(笑)」

画像: 藤田は36ホール目でボギーを打ったが、普段ラウンドしているコースということもあり、安定したプレーを見せた(撮影/姉崎正)

藤田は36ホール目でボギーを打ったが、普段ラウンドしているコースということもあり、安定したプレーを見せた(撮影/姉崎正)

そして、「71」「66」と2ラウンド目のバック9で5つ伸ばし、7アンダーとしたサイ・ペイインまでがストレートインし、最後の1枠はプレーオフへ。木村彩子とアマチュアの入谷響のプレーオフは両者ともすべてパーで6ホールまで進むも決着がつかず、18時35分の日没を迎えてサスペンデッドに。最後のひと枠は明日の6時30分からのトータルで43ホール目に持ち越された。

画像: プレーオフに入る木村と入谷(撮影/姉崎正)

プレーオフに入る木村と入谷(撮影/姉崎正)

なお、サスペンデッドで通過者が決まらなかったのは初の出来事とのこと。

PHOTO/Tadashi Anezaki

※2024年4月23日18時32分、一部加筆修正いたしました。

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