実際にどんなミスが出ているのか。パー3でティショットを定点観測
「ゴルフはミスのゲーム」と言われるが、プロでもコースで完璧なショットを連発しているわけではない。ましてアマチュアなら大なり小なりミスショットが出るのは致し方ないこと。それをカバーしてくれるのが「やさしいアイアン」だとすると、まずはアマチュアゴルファーのミスの傾向を知る必要がある。
そこで、アマチュアゴルファーのアイアンショットの傾向を把握するべく、ゴルフ場で実際に調査してみることに。舞台は女子トーナメント「スタンレーレディス」の開催コースとして知られる東名カントリークラブ(静岡県)。月例競技の行われた某日、月例B(HC15前後)クラス、C(HDCP20~30前後)クラスのプレーを定点観測。総勢180名のティーショットを観察した。
パー3①打ち上げ実測137ヤード

この日はピンまで実測140ヤード弱だが、グリーン面が見えず距離感が難しい

グリーン奥からティーイングエリア方向
晴天微風。打ち上げのパー3でグリーン手前と左右にバンカー。実測137ヤードだが、ティーイングエリアからグリーン面が見えず距離感が難しい。手前のバンカーはアゴが高いのでキャリーでグリーンをキャッチしたいところ。この日のピン位置は右やや手前。グリーンは手前から奥に上りの傾斜が強いので欲を言えばピンの手前につけたい。
集計結果


ナイスオン以外のショットを見てみると、どちらのグループも手前中央のバンカーに外すケースが最も多い。HDCPの少ないBクラスに対して、HDCPの多いCクラスは手前バンカーのさらに手前に外すケースも多かった。グリーンオーバーはかなり少なく、全体としてはショートして中央バンカー、薄い当たりで右バンカー周辺が多かった。
パー3②距離のある189ヤードの難ホール

こちらは距離のあるパー3。UTなどアイアン以外のクラブでショットするプレーヤーが多いが、ショットの傾向を見る参考としたい。グリーン右手前にバンカー。左は窪地になっておりライ次第でアプローチが難しい。取材日のピン位置は花道が使えるほぼセンター。
集計結果


距離のあるパー3だけにナイスオンの割合は下がっている。ミスの傾向としては全体的にショートするケースが多く、どちらのクラスもミスの割合は似通っている。こちらもキャリー不足で手前、薄い当たりで右手前バンカー周辺というミスが多かった。
ちなみに女子ツアー「スタンレーレディス」では、ピン位置にもよるが右バンカー奥のラフに外すプロが多い。
選ぶべきは「芯を外してもしっかり距離が出てくれるアイアン」
どちらのホールでも、ドライバーほど飛距離が出ないクラブでのショットということもあり、OBやコース外へ行ってしまうようなミスはほとんど見られなかった。
HC15前後の月例Bクラスと、HC20~30前後の月例Cクラスの違いを見ると、ターゲットに対する左右のミスの割合に大きな違いは見られないものの、全体的に月例Bグループのほうがグリーン近くまで飛んでいることが分かった。
その結果、グリーンを外すとしても、より近い位置からアプローチでき、良いスコアにつながっている。
「ゴルフは手前から」といわれるが、届かずにスコアを落とすプレーヤーが非常に多い。まずはミスヒットしても狙った距離をロスなく飛ばせるモデルを選びたい。
ミスに強い代表ヤマハ「RMX VD/ Xアイアン」
グリーン手前の大きなミスを防ぐには、芯を外したときにどれくらい飛距離が出てくれるかが重要。つかまりのいいモデルなら右手前も防げて一石二鳥だ。

ヤマハ RMX VD/Xアイアン
その条件にピタリと合致するのが、ヤマハの「RMX VD/Xアイアン」。ネック形状に特徴のあるキャビティ構造のモデルで、トウ側に大きなタングステンウェイトを配置することで4000g・㎠の大慣性モーメントを実現している。芯を外したときの飛距離ロスの少ないモデルの代表格だ。
試打を担当してくれた内海大祐プロは、「ヘッドが大きいので安心感があります。慣性モーメントが大きいのでスウィング中にヘッドが開閉しにくいだけでなく、こうして吊るように持った状態でもフェースをスクエアに保ちやすいです。ワッグルしてみればフェース面の動かなさを実感できると思いますよ。スウィング中のフェース面の安定感が抜群です」と高評価。

「スウィング中のスクエア感が抜群。フェース面の開閉が極めて少ない」と内海プロ
芯を外して打った時にどうなのか。いつも通りのショットとトウ側でヒットしたショットを計測。試打は6番アイアン(ロフト25度)、9番アイアン(ロフト37度)で行った。

まずは6番アイアンを試打
「私が気持ちよく打つと、だいたい6番アイアンでキャリー185ヤード、総距離195ヤードほどですね。ストロングロフトの設計ですが、つかまりもよく、すごく飛びます。そのうえ、低重心の設計なのでボールも上がってくれますし、これならグリーンでボールを止められそうです。これは楽ですね」(内海プロ)

計測にはブラウザーを使用
「9番アイアンだと、ほぼキャリー150ヤード、総距離155ヤードですね。気持ちのいい弾き感があり初速も出ている印象ですが、高さもしっかり出てくれます。何度打っても弾道の再現率が高いです」(内海プロ)
つづいて、芯を外してトウ側でヒットしたときの打感や弾道をチェック。

極端に芯を外して(トウ側)で計測
「どちらもけっこう先で打ちました。アスリート系のアイアンだったら右手前でショートする感じですが、このクラブだと飛距離はほとんど変わりませんね。当たり負けした感触もなく、芯で打ったときよりも、わずかに右に飛んで、飛距離も少しだけ落ちるくらい。コースだったらナイスショットに見えるでしょうね」(内海プロ)

6番アイアン「トウ寄りヒット」試打結果

9番アイアン「トウ寄りヒット」試打結果
「最近ではロフトの立ったアイアンが増えていますが、当たったときに飛距離が出るだけでなく、芯を外したときにどう飛んでくれるかが重要です。キャリーを落とさず、しっかり高さが出てくれるクラブを選ぶのがスコアアップの近道だと思います。ヤマハRMX VD/Xアイアンは、まさにこの条件を満たしています。さらに直進性が高くつかまりもいいので、ターゲットの右手前に外すことが多い人にもピッタリ。ぜひ一度、体験してほしいですね」(内海プロ)
ベストスコア更新を目指して、「やさしいクラブ」を味方につけてはいかがだろう。

試打/
内海大祐プロ