毎年新しいテクノロジーを搭載したパターヘッドがリリースされるのを、シャフトメーカーも黙って見ているわけではない。カーボンシャフトメーカーの雄、USTマミヤは2024年8月に同社ならではの高弾性カーボン技術を駆使したパター用シャフト「ALL IN(オールイン)」をリリース。その実力をさっそく試打分析した。

ヘッドやネック形状を選ばない
パターの重量増に対応したカーボンシャフト「ALL IN」 登場

黒を基調とした精悍なデザインの「ALL IN(オールイン)」。USTマミヤが2024年8月にリリースしたばかりの最新パター用カーボンシャフトだ。

画像: USTマミヤが2024年8月にリリースしたばかりのパター用シャフト「ALL IN」

USTマミヤが2024年8月にリリースしたばかりのパター用シャフト「ALL IN」

一般的にパター用のカーボンシャフトは、スチールシャフトよりしならず、捻じれないと言われる。そのメリットをまとめれば、

シャフトに余計なしなりやねじれが生じないため、
・インパクトの再現性が高まりショートパットが安定する
・ストロークが大きくなるロングパットでもヘッドの挙動が安定、距離感が向上する
・オフセンターヒット時の距離や方向のブレを抑制してくれる
と、いいことづくめ。

画像: ラインナップは上から100%カーボンの「GRAPHITE」、カーボンとスチールを複合させた「STRAIGHT」「RETROFIT」の3タイプ

ラインナップは上から100%カーボンの「GRAPHITE」、カーボンとスチールを複合させた「STRAIGHT」「RETROFIT」の3タイプ

「ALL IN」は、そんなカーボンシャフトのメリットをより精密に設計しつつ、近年主流の「大きく」「重く」「大慣性モーメント」のパターヘッドに対応した最新モデル。100%カーボンとカーボンとスチールの複合モデル、合計3タイプがラインアップされており、カーボンシャフトならではのメリットをヘッドやネック形状を選ばず存分に体感できる。

また、USTマミヤの「ALL IN」は高弾性カーボンの採用で、よりソリッドかつダイレクトに打感を伝えてくれるのも魅力のひとつだ。

パターといえばこの人、大本研太郎プロが「ALL IN」を試打インプレッション!

試打&解説/大本研太郎プロ

画像: おおもと・けんたろう。プロゴルファーをはじめ多くのゴルファーを指導するGPC恵比寿ヘッドコーチ。いち早くパッティングレッスン専用スタジオ「パットラボ」を開設するなどパッティングのレッスンやパター試打にも定評がある

おおもと・けんたろう。プロゴルファーをはじめ多くのゴルファーを指導するGPC恵比寿ヘッドコーチ。いち早くパッティングレッスン専用スタジオ「パットラボ」を開設するなどパッティングのレッスンやパター試打にも定評がある

画像: 「GRAPHITE」「STRAIGHT」「RETROFIT」の3モデルをさっそく試打

「GRAPHITE」「STRAIGHT」「RETROFIT」の3モデルをさっそく試打

まずは100%カーボンの「GRAPHITE」から試打をスタート。インナーホーゼル(下の写真のようにホーゼルの穴に差し込むタイプ)のネックに対応したモデルだ。

画像: 100%カーボンの「GRAPHITE」

100%カーボンの「GRAPHITE」

「『GRAPHITE』に黒いヘッドは、クラブがすべて黒で統一されてかっこいいですね。カーボンシャフトらしく、スウィング中にシャフトがよじれる感じはまったくありません。緊張した場面でもパターの芯に当てやすいシャフトだと思います。試打して感じたのは、初速が思ったより出てくれること。芯を外してもしっかり転がってくれる印象です」(大本プロ)

画像: 「GRAPHITE」を試打する大本プロ

「GRAPHITE」を試打する大本プロ

芯を外しても本当に転がりへの影響が少ないのか、約3メートルのパッティングをパター用計測器「クインテック」で計測した。

【芯で打った場合】

画像: 「GRAPHITE」で芯で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

「GRAPHITE」で芯で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

画像: Impact Ball Speed(ボール初速)に注目

Impact Ball Speed(ボール初速)に注目

Impact Ball Speed(ボール初速)に注目。インドアグリーンで3メートルのパッティングをジャストタッチで打った場合のボール初速は5.01mph。これが比較の基準となる。

【トウ側で打った場合】

画像: 「GRAPHITE」でトウ側で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

「GRAPHITE」でトウ側で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

画像: Impact Ball Speed(ボール初速)は5.01mph→4.84mphと変化が小さい

Impact Ball Speed(ボール初速)は5.01mph→4.84mphと変化が小さい

傍から見て明らかに分かるほどトウ側でヒット。その影響でフェースは1.96度オープンになったが、ボール初速は4.84mph。「ちゃんとカップまで届きましたし、ボール初速もフェースの開き具合もかなり小さいと言えますね。シャフトだけでなくヘッドの性能もありますが、これはいい数値です」(大本プロ)

【ヒール寄りで打った場合】

画像: 「GRAPHITE」でヒール側で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

「GRAPHITE」でヒール側で打った場合の計測結果 ※クインテックで計測

画像: Impact Ball Speed(ボール初速)は5.01mph→4.75mphとヒールヒットでも変化が小さい

Impact Ball Speed(ボール初速)は5.01mph→4.75mphとヒールヒットでも変化が小さい

ヒール寄りで打った場合は、ボール初速は4.75mph、フェースは0.82度クローズという結果に。

「ネックがあるのでトウ側で打った場合より、ヒール側で打ったほうがフェース面への影響は少なくなります。それでも0.82度のクローズ度合いは優秀ですね。初速の低下も少なく、打点をズレをカバーしくれるシャフトだと言えるでしょう」(大本プロ)

芯に当てやすく、芯を外しても転がりに影響が少ない。「ALL IN」の魅力を早くも実感する大本プロ。

ヘッドが効いているパター好きには、「STRAIGHT」「RETROFIT」

つづいて、カーボンとスチールを複合した「STRAIGHT(ストレート)」を試打。オーバーホーゼル(ヘッドから出ている突起にかぶせるように装着するタイプ)、インナーホーゼルのパターに対応したモデルだ。

画像: シャフトの先端にスチールが使われた「STRAIGHT」

シャフトの先端にスチールが使われた「STRAIGHT」

「スペックを計測すると34インチでパター重量は521グラム。バランスはE0でした。一般的には総重量550グラムぐらいのパターに近いバランスですね。この重さでこれだけヘッドが効いているのは珍しいと思います。シャフトはしなりませんが、ヘッドが効いているので、振り子のストロークがとてもしやすいです。ヘッドに仕事をさせやすい組み合わせですね。このモデルも芯に当てやすいです」(大本プロ)

画像: 「STRAIGHT」試打風景

「STRAIGHT」試打風景

最後に、先端に短いスチールが使われた「RETROFIT(レトロフィット)」。ベントタイプ、オーバーホーゼル、インナーホーゼルのパターに対応したモデルだ。もともと挿さっているシャフトをカットして、継ぎ足す形状になっているのが特長で、ベントネックのパターにも装着することができる。

画像: ネック形状を選ばない「RETROFIT」。インナーホーゼル、オーバーホーゼルのほか、ベントネックのパターにも装着可能

ネック形状を選ばない「RETROFIT」。インナーホーゼル、オーバーホーゼルのほか、ベントネックのパターにも装着可能

「こちらも試打パターは、34インチでクラブ重量523グラム。バランスはE1.5。『STRAIGHT』と同じく、ヘッドが効いているので一定のリズムで打ちやすいです。振り子のストロークがとてもしやすい組み合わせですね。ヘッドが自然に出てくれるので大事なパットでショートしがちな方にも良さそうです。私はこれがとても気に入りました」(大本プロ)

画像: 「RETROFIT」試打風景

「RETROFIT」試打風景

「3タイプどれも、シャフトが硬くてねじれない、芯に当てやすいシャフトです。ロングパットを想定して強めに打ってみても、やはり芯にめちゃくちゃ当てやすい。芯を外しても当たり負けしませんし、初速も出てくれるので小さなミスが大きな違いになるロングパットでも心強いですね」(大本プロ)

よりやさしく、より正確に。プレーヤーのミスをカバーするために、さまざまなパターヘッドが開発されているが、いよいよシャフトでもプレーヤーをサポートしてくれる時代になったということか。

ちなみに、「ALL IN」とは、「すべてのパットがカップイン!」と、「すべてのヘッドに装着できる」をかけたネーミング。性能にもネーミングにもUSTマミヤらしさが詰まった「ALL IN」。興味のある方は、ぜひ一度、試打してみてはいかがだろう。

PHOTO/Tsukasa Kobayashi
取材協力/GPC恵比寿

USTマミヤ「ALL IN」について詳しくは

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