地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

スピンがかかりやすく、ピンポイントに狙っていけるウェッジ

連載35回目は本試打企画の12回目に掲載されている「R-ONE GOLF」の北澤亮一さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回は「ロイヤルコレクション BBウェッジ」がオススメのクラブとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の北澤さんが「ロイヤルコレクション BBウェッジ」の特徴を語る

ロイヤルコレクション BBウェッジに対して北澤さんは、「BBウェッジの凄みはフェース面の独特なミーリング加工、そしてリーディングエッジの下の窪みにあると思います。窪みが芝に刺さるリスクを減らしてくれて、ミスがミスじゃなくなるようなやさしさも兼ね備えたウェッジだと思います。お客様によく言われることが、『軽く芝に噛んでしまっても平気』や『下り傾斜のアプローチや、ザックリのミス度合が軽くなった』など、アマチュアによくあるミスを減らしているというフィードバックを多く頂いています。スピンもかかりやすく、様々な場面にも適用できることが強みです」と語った。

北澤さんが思うBBウェッジのターゲット層は80台~90台がメインとのことで、「フェースを開いたりするにはある程度の練習量や度胸が必要だと思っています。開いてバウンスがでることで弾かれてしまうリスクを鑑みると、58度というややハイロフトのウェッジをスクエアに構え、そのままロブのような柔らかい球が打てる方がスコアが出やすいのかなと。また私たちが行くコースでは、プロのトーナメントで使用するフカフカな状態のバンカーより、砂が硬かったりカチカチなバンカーが多いと感じています。場面によって対処するより、砂が多い時も硬い時もスクエアに構えて打てる安心感が人気の理由だと思っています」とアマチュアが行くコースや場面に適したクラブ提案を心掛けていた。

画像: ロイヤルコレクション。通称「ロイコレ」(58度)

ロイヤルコレクション。通称「ロイコレ」(58度)

ロイヤルコレクション「BBウェッジ」の印象を堀越プロに聞いた。

「黒染めのウェッジは日差しが強い時でも反射が抑えられて見えるため、フェースの向きやボールが見やすくなる効果が期待できます。また黒のウェッジは珍しく、所有欲も満たせると思います。BBウェッジはリーディングエッジが窪んだ独特なバウンスの形状をしています。そしてバウンス自体が丸みを帯びていて、面ではなく点としてソールを使えるので、開いたり閉じたり操作がしやすいウェッジだと思います」(堀越プロ)

「リーディングエッジが細いため地面に抵抗なく入っていきますが、その直後に12度のバウンスが抵抗力となり深く入り過ぎることを防いでくれています。そのため『抜けが良い』という、芝に突っかからずに振り抜くことができます。また公式HPではフェース面、構えをスクエアにしてインパクトすることをお勧めしていますので、花道、バンカーではフェース面をスクエアにして試したいと思います」と今回のウェッジに対する印象を語った。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

あらゆるシチュエーションで試打を開始 !

①バンカー

画像: 「球が柔らかく出てくれます」

「球が柔らかく出てくれます」

「薄く硬い砂でも綺麗に抜けていくウェッジ」

「軟らかい砂ではバウンスが利いて砂の爆発が起こるので、深く潜り過ぎずに出すことができます。逆に、砂が薄い所や硬い所では丸みを帯びたグラインドのおかげで、弾かれずに出すことができました。ローバウンスだと球が遅く出る傾向がある反面、砂に潜り過ぎてしまうミスも出やすいです。58度のロフトは開かなくてもある程度高さが出てくれましたし、12度のバウンスが利きながらも球が柔らかく出てくれるので、バンカーが苦手な方でも抵抗なく打てるモデルだと思います」(堀越プロ)

②花道(20Y)

画像: 「開いても構えやすいです」

「開いても構えやすいです」

「操作性・寛容性を持ち合わせた1本」

「とてもいい音がしますね。クラブ全体のバランスがすごくいいです」と堀越プロは絶賛。

理由を聞くと、「バランスが良い理由として重心距離が長くて、重心深度が短いことです。手元のほうに重心があるので開いたり自由に打てる操作性があります。ボールを右足寄りに置いて低い球を打っても抵抗がなく、バウンスが地面に当たってからフェース面とボールが当たるため『スパッ』と抜けてくれる気持ちよさがあります。このウェッジは柔らかい球も低い球も打てるような『なんでも屋さん』なウェッジだと思います」と評価した。

総評

画像: 「ネック長が長めで重心距離が長く、操作性に富んだウェッジです」

「ネック長が長めで重心距離が長く、操作性に富んだウェッジです」

「『R-ONE GOLF』の店主が組んだ今回のウェッジは、自分で操作できる自由性、開いたり閉じたりができる中・上級者向けに感じました。中・上級者モデルのようなオーソドックスな形状ながら、実はお助け機能を搭載したやさしいウェッジという印象です。前回の連載を振り返ると、以前お借りしたバルドのドライバーも打ちこなせる楽しさを感じさせてくれましたので、球を操れる楽しさを教えてくれるようなクラブ作りが上手だなと感じました。操作性だけではなく、ザックリなどのミスにもある程度カバーしてくれる寛容性を持ち合わせたウェッジでした」(堀越プロ)

THANKS/大宮ゴルフコース

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