国内女子ツアー最終戦「JLPGAツアー選手権リコー杯」の初日を終え、首位は6アンダーで桑木志帆、1打差の2位に原英莉花、竹田麗央、2打差4位タイに鈴木愛、山下美夢有と続く。みんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が現地からのレポートをお届けします。

例年よりも暖かい宮崎CCに半袖で歓声を送るギャラリーもちらほら。気温17.6度、風速2m/sと絶好のゴルフ日和となりました。左ドッグレッグが多いコースレイアウトとコウライグリーン、グリーン周りのラフにはティフトン芝が混じる特徴のあるコースで桑木志帆選手が1イーグル4バーディノーボギーとアンダーパーのラウンドがなかった昨年の今大会から大きな成長を見せてくれました。

1シーズンを通して活躍した上位40名が出場する「JLPGAツアー選手権リコー杯」は注目すべき選手ばかりですが、今日注目したのは3連覇がかかるドローヒッターの山下美夢有選手と年間女王でフェードヒッターの竹田麗央選手の最終組。先週に今季2勝目を挙げた山下選手がどう臨むのか、フェードヒッターの竹田選手が左ドッグレッグの多いコースにどう挑むのかを見て来ました。

画像: 「JLPGAツアー選手権リコー杯」の初日を終え首位と1打差の2位タイで終えた竹田麗央(左)と2打差の4位タイで終えた山下美夢有(右)

「JLPGAツアー選手権リコー杯」の初日を終え首位と1打差の2位タイで終えた竹田麗央(左)と2打差の4位タイで終えた山下美夢有(右)

歴代優勝者を見てもドローヒッターばかりですが、竹田選手は松林でセパレートされた左ドッグレッグの左の木の上を高い弾道で越えて行きフェアウェイを捉えます。左の林のラインを目安に林を越えるスピードとパワーでコースをねじ伏せるようなプレーを見せています。

スピードは速くはないものの、硬く芝目のあるグリーンはラフからではボールが止まらずグリーン奥に外すと難しいアプローチが残りますが、竹田選手は高い落下角度でしっかりとボールを止めらるアドバンテージがあります。

490Yの9番パー5で残り209Yから3UTを一閃すると「当たりは良くなかったんですけど、良いところに跳ねて乗ってくれた」と1.5mのパットをしっかりと決め今季12個目のイーグルを奪います。その直後に11番パー5で桑木選手も残り226Yから3Wで乗せ5mを決め13個目のイーグルを奪い年間イーグル数の更新となり、残り3日でイーグル女王の争いにも注目が集まっています。

画像: フェードヒッターの竹田選手は左の林のラインからFW右サイドをとらえ、2オンしてイーグルを奪う

フェードヒッターの竹田選手は左の林のラインからFW右サイドをとらえ、2オンしてイーグルを奪う

竹田選手は1イーグル5バーディ2ボギーの5アンダーで終え、「もったいないボギーが今日あったのでそこをなるべく減らして頑張りたい」と締めました。確かに17番パー4のラフからの2打目をグリーン手前のアゴが高くピンに近いバンカーに落としたボギーは、もったいないボギーでしたが、まだ4日間の初日を終えたばかり。明日も風の穏やかな天気になりそうなので、残り54ホールでどれだけ伸ばせるかが勝負になります。

一方の山下美夢有選手は、ドローの曲がり幅のコントロールが先週よりも明らかに精度が上がっています。朝の練習場から曲がり幅の少ないドローボールやストレートボール、時にはフェードボールも操るコントロール性を見せていました。練習では弾道計測器トラックマンをセットし、今週コンビを組む清水重憲キャディを後方に立たせてスタンス向きなどのアライメントチェックをしながら入念に取り組んでいました。

画像: ドローヒッターの山下美夢有はセンターに打ち出したボールはFW左サイドをとらえ3オンでバーディチャンスを作る

ドローヒッターの山下美夢有はセンターに打ち出したボールはFW左サイドをとらえ3オンでバーディチャンスを作る

ターゲットに対してインサイドアウトのクラブ軌道が5度や7度と大きくなれば曲がり幅も大きくなるので、右を向き過ぎないようにチェックしていたようです。その調整の効果もあり、ドローボールの精度が上がっていることは間違いないようです。そのことをラウンド後の囲み会見で聞くと「先週よりは左右に曲るのが少なくなっていると思うので、攻めやすいというか、イメージどおりに打てているのが今日は多かったです。フェアウェイが狭く、ティーショットをフェアウェイに置くのが難しいので、明日はしっかりフェアウェイキープしたいです」と4日間大会の初日としては手ごたえを感じているようです。

キャロウェイの新アイアンをテストしていましたが投入せずにこれまで使用していたタイトリストのアイアンでスタートした原英莉花選手が5アンダー、体調不良でマスクをしながらのプレーになった鈴木愛選手は4アンダー、9番パー5でイーグルを奪った岩井明愛選手は3アンダーと明日以降スコアを伸ばして来るであろう選手ばかりの最終戦。明日も現地からのレポートをお届けします。

写真/岡沢裕行

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