圧巻だった。降雨のあとのウェットなコンディションにも山下は前半と後半、それぞれ3連続バーディを奪うなどノーボギーの64。2ラウンド連続ボギーフリーでトップから出た岩井千怜を逆転、6打差をつける貫禄のゴルフで90ホールの長丁場を戦い抜いた。
「来年LPGAツアーでプレーできることに興奮しています。きちんと準備して来年、ベストなプレーができるように頑張ります」と声を弾ませた山下。
宮里藍、畑岡奈紗に続き日本勢では3人目のトップ合格。宮里は米ツアー9勝、畑岡は6勝を挙げており山下にも期待がかかる。
今回の出場者のなかでは世界ランク最上位の14位。22年&23年連続JLPGA年間女王であり、今季海外メジャーのKPMG全米女子プロゴルフ選手権で2位、パリ五輪でも4位の実力者にとって当然といえば当然の結果。
しかしQシリーズは魔物が住む。そこで抜群の結果を出したのだから真の実力者の証。来季はシーズン序盤から朗報を届けてもらいたい。
その他の日本勢も健闘。首位から出た千怜は5番と11番で痛恨のダブルボギーを叩くも13番以降4つのバーディを奪って1アンダー71にまとめ単独2位。
岩井明愛は5バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの2アンダー70、通算16アンダー、5位タイに入った。ルーキーイヤーだった今年シードを守れずQスクール再挑戦となった吉田は通算13アンダー、単独9位。
馬場咲希は最終ホールのバーディでトップ25ぎりぎりの通算6アンダーまで伸ばし24位タイ。滑り込みでツアーカードを獲得した。
「今日は途中諦めそうになったこともありましたけれど、今年エプソンツアーで積んだ経験がこの結果に導いてくれたと思います」
最終ラウンドに進出した山口すず夏は残念ながらスコアを落とし、通算2オーバー61位タイで来季の出場権獲得はならなかった。
25年シーズンは今回合格した5人の日本勢に加えTOTOジャパンクラシックで優勝した竹田麗央も主戦場をアメリカに移す。
実力者が続々参戦することで米ツアーの勢力地図が塗り替えられるかもしれない。チームジャパンの進化は止まらない。