地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「徹底的にスピンを追い求めたウェッジ」

連載40回目は本試打企画の32回目に掲載されている「GOLF STUDIO BIGみぃー」の石川倫也さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はオリジナルウェッジ『BMG』がオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

工房店主の石川さんが『BMG』の特徴を語る

オススメする『BMG』の印象を工房店主の石川さんに聞いた。

「『BMG』ウェッジはバウンス10度に設計し、私自身が競技者としてプレーしている際にスピンを重要視しているため、溝や粗削りによるスピン性能にとことんこだわって作っています。大手メーカー以上にギリギリの溝を採用し、速いグリーンでもスピンを最大限かけてしっかりと突っ込んで寄せていけるようなウェッジになっています」と、自身の経験からグリーンで止まるウェッジを作成したという石川さん。

画像: GOLF STUDIO BIGみぃーのオリジナルウェッジ「BMG」

GOLF STUDIO BIGみぃーのオリジナルウェッジ「BMG」

「58度と寝ているロフトだといわゆる“ぽっこん”が出てしまうため、トウ側にボリュームを持たせることで包み込むようなイメージと、フェース面を工夫したことによって球が滑りにくく、運んでいけるイメージが湧くところがお客様から支持されています」と理由を話す。

画像: トレーリングエッジとリーディングエッジ両方を落としている

トレーリングエッジとリーディングエッジ両方を落としている

「製品ラインナップには今回のシルバーのほか、反射光が気にならないソフトブラック、そしてツアープロが好み、さらにスピン性能を上げるシルバーノーメッキとブラックノーメッキがあります。ノーメッキシリーズは球が滑りにくくスピンがかかりやすい反面、錆びなど手入れが難しいのでお客様と相談して仕上げは決めています」と様々な好みに対応できるバリエーションが人気の理由だろう。

BIGみぃーオリジナルウェッジ『BMG』の印象を堀越プロに聞いた

「こちらのウェッジは粗削りふうな見た目で、鋭い名刀のようなカッコよさがありますね。この工房さんは前回のドライバー『ITOBORI』のヘッドも無骨で硬派なソール形状で、工房店主さんのこだわりが強く反映されているクラブという印象がありました。今回のウェッジの特徴は前後のエッジを適度に落として操作性と抜けの良さを上げています。そしてトウ側にボリュームを持たせることで球を包んでくれそうな安心感と、左右の打点ブレにも影響されにくく安定したスピン量を確保する狙いがあると思います」

「また、工房オリジナルウェッジということもあり、溝がルール規制ギリギリまで削られていることも魅力の一つです。しっかりとスピンが入ることで下りが残っても緩むことなく打つことができますし、しっかりと止まってくれるイメージが出るため安心材料にもなると思います」と堀越プロは評価。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

①バンカー

画像: 「プレーヤーの思い通りにフェース管理ができますね」

「プレーヤーの思い通りにフェース管理ができますね」

「適度なバウンスが砂への潜り過ぎを防いでいる」

「実際にバンカーで打ってみると、しっかりとバウンスが効いている印象があります。バウンスがしっかりと作用することで砂への潜り過ぎを防ぎ、普段ショート気味の方もしっかりと距離感を出していけると思います。また、砂質に影響しますがフェースを開くことでさらに柔らかい球を打つことができますので、状況によって球筋を打ち分ける楽しさを味わえるウェッジだと思います」

②花道(20Y)

画像: スクエア、開くなどにも打点が安定。

スクエア、開くなどにも打点が安定。

「打点の安定感が距離感を生み出すウェッジ」

「打感がすごく良くて、球が低く出ているのでかなりスピン性能が高いウェッジだと思います。そして特筆すべきは打点の安定感です。前後のエッジを削っていて開いた時でも抜けの良さをキープしつつ、スクエアに構えて打った時はバウンス角が絶妙に計算されており、地面に当たる瞬間に球とコンタクトしてくれます。地面に潜らずフェースやや下目で当たるため、打点とスピン量が安定し狙った位置に運びやすいです」

「スウィングタイプは比較的シャロー気味な入射角のプレーヤー、ボールを拾っていくようなタイプに合う傾向があります。球離れもゆっくりでしっかりとフェースに乗る感覚もありますので、球の出方とイメージがとても合いやすいですね」(堀越)

総評

画像: 「打感とボールへの食いつきが非常に心地よいクラブでした」(堀越プロ)

「打感とボールへの食いつきが非常に心地よいクラブでした」(堀越プロ)

「『BMGウェッジ』は、心地よい打感とゆっくり出る球離れの良さ、そして適度に効いたバウンス角が打点を安定させ、安定したスピン量と距離感を作っていけるクラブだと思います。58度もあるロフトですが難しさは感じさせず、スクエアでも開いてもイメージした弾道が打てるウェッジでした。工房店主と相談しながら仕上げやライ・ロフトなどを調整していき、長く愛用できる、まさに“育てる”楽しさが生まれるクラブでした」(堀越)

THANKS/大宮ゴルフコース

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