地域に根ざした大衆的な中華料理店「町中華」にスポットが当たって久しいが、同じように地域に根ざしたゴルフショップといえば「ゴルフ工房」がある。経験豊かなクラフトマンが使い手の要望に合わせ、ヘッドとシャフトを組む「カスタムクラブ(地クラブ)」が人気だ。そこで、人気工房がオススメするカスタムクラブを週イチで紹介 ! 試打者はゴルフダイジェストで四半世紀にわたり世に出たほぼすべてのクラブを打ってきた堀越良和プロだ。

「ウェッジの中間的な存在を作りたかった」(Modart代表・須田氏)

連載41回目は本試打企画の18回目に掲載されている「有限会社 プロフェッショナル・ゴルフワークス・レスキュー」の高村敏一さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はModart 「SD T2」がオススメとのことで、以前の連載同様、キング・オブ・試打の堀越プロに試打してもらおう。

開発者の須田満さんがModart 「SD T2」の特徴を語る

高村さんがオススメする「SD T2」の特徴を、Modart株式会社の代表取締役の須田満さんに聞いた。

「今年の3月に発売されたこのウェッジは、機械加工のフルミルドで削りだすことで、私が最初に作成したマスターモデルに限りなく近く再現することができます。研磨が終わった後は私が角を取り、人が作った温かみを持てるように手を入れています。そしてガンブルー加工にした理由は、ややブラウンのような色味があることで視覚的にやわらか“そう”な鉄の質感を生み出すことが目的できます」とクラブを持つ人間の感性を大事にし、目からくる情報を最大限に感じてほしいと話した。

画像: Modart 「SD T2」58度

Modart 「SD T2」58度

「『SD T2』ウェッジは誰でもとりあえず扱えるように、全てをオーソドックスに設定しています。基準になるウェッジを真ん中に置くことで、自分の中に基準や好みができていき、適切なソール幅、バウンス、グラインドが選びやすくなります。私が群馬や関西で開催しているフィッティング会ではそのようなことをすべて確認しながらお客様と相談し、決めていきます」と語ってくれた。

取材に明るくにこやかに話してくれた須田さんが、最後に自身の考え方を話してくれた。

「構えて打つまではプロと一緒です。できるできないで分かれているだけなので、それまではプロと同じようにこだわりを持ってほしいです。『アマチュアだから』という言葉を多く聞くのですが、人間が感じる感覚、イメージを持って頂いて、『ウェッジって楽しいクラブなんだ』と気付いてくれたら嬉しいです」とゴルフ愛を感じさせるコメントだ。

Modart「SD T2」の印象を堀越プロに聞いた

Modart「SD T2」ウェッジはまず見た目がとても良く、Modartの名前の由来でもある『MODEL』+『ART』を表した丁寧な仕上げと形状に対する強いこだわりが感じられます。特に構えた時の見え方が秀逸で、ネック周りの処理とスコアラインの入り方のバランス感覚がとても優れている印象を受けます。そしてシャフトからネック、ヘッドに対しての一体感があることで体の一部のように扱えるようなイメージが湧きますね」と構えた見た目を絶賛。

続けて堀越プロは、「このウェッジはガンブルー仕上げで、光沢のないマットな仕上がりが特徴的です。光を反射しないためフェース面がどこを向いているかがわかりやすく、そして温かみのある軟鉄本来の打感の良さを想起させてくれます。球がゆっくり出てくれるイメージが湧くことでアプローチの際に力むことがなく、プレイヤー本来の実力を発揮してくれると思います」と評価。

画像: 試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属

①バンカー

画像: 「オーソドックスなバウンスでスクエアでも打ちやすいですね」(堀越)

「オーソドックスなバウンスでスクエアでも打ちやすいですね」(堀越)

「どんな状況でも打てる優等生」

「ソール自体がややフラット目で、とてもオーソドックスなソール形状をしています。ネックからリーディングエッジの繋がりが良く、開いても扱いやすいウェッジです。砂が薄く硬い所ではスクエアに、多くて軟らかい所は開いて打つことで様々な状況から打てるウェッジとなっています。このウェッジはゴルフのレベル問わず、幅広いゴルファーに合うと思います」

②花道(20Y)

画像: 「反射が無く、懐も広いので構えやすいですね」(堀越)

「反射が無く、懐も広いので構えやすいですね」(堀越)

「イメージ通りの打感・スピンを再現」

「実際に打つとイメージしたような軟らかい打感とゆっくり出る球筋が印象的で、グリーンに着弾してからのスピンが『キュキュッ』っとかかるので打ち手が緩むことなく打つことが出来そうです。よく見るとネック長がやや長く、ネックの太さを太めにして重心を上げることでスピン性能を高めることが出来ているのかなと感じました。またバウンスもやや狭めのソールで、やや鋭角に入ってしまう方でもソールが刺さらず、また余分に当たることもない絶妙な塩梅となっています」(堀越)

総評

画像: 「打感とボールへの食いつきが非常に心地よいクラブでした」(堀越プロ)

「打感とボールへの食いつきが非常に心地よいクラブでした」(堀越プロ)

「今回試打したModart『SD T2』はこだわり抜いたヘッド形状と、構えたロフト通り素直にボールを運んでくれる優等生の様なウェッジでした。ソールはやや狭めの形状で、地面と接した後にスパッと振り抜ける抜けの良さも評価できます。またヘッド形状がシンプルで、プレーヤーの技術を引き立てる様な魅力があるので、初心者から上級者まで幅広いゴルファーにおすすめできる1本です」(堀越)

THANKS/大宮ゴルフコース

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