ヘッドの重心に直接シャフトが刺さっている「真っ直ぐ専用パター」
オデッセイ「AI-ONE」シリーズの最新パター「SQUARE 2 SQUARE」。その革新的な形状について、ゴルフ5プレステージ日本橋店の木村悠野フィッターは、「ハマる人にとっては最高のパターになり得る」と話す。
「『SQUARE 2 SQUARE』は、ヘッドの重心に直接シャフトが装着されていて、重心角が0度の設計なんです。だから自然に動かしたときにフェースの開閉が起きず、『真っすぐ』ストロークしやすい。フェースバランスを超えた究極の『真っすぐ専用パター』と言えると思います」(木村さん)

ゴルフ5プレステージ日本橋店勤務のフィッター木村悠野さん。「SAM PUUTLAB」を用いたパターフィッティングも得意(写真/小林司)

ヘッドは3種類。慣性モーメントが大きい“ツノ型”「#7」。大型マレットで横方向の縞模様が特徴の「ジェイルバード」。幅広の大型ブレード型「ダブルワイド」(写真/小林司)
パターにもライ角がある以上、ストローク軌道は「完全な真っすぐ」にはならないが、イメージとして「真っすぐ」を求め、そこに近づけることを目指すプレーヤーは少なくない。
ベントネックやセンターシャフトなど、クラブをフリーにしたときにフェースが真上を向く「フェースバランス」のパターは、フェースの開閉が起きにくいことを謳っており、「真っすぐ」をイメージする人に合いやすいと言われている。しかし実際は重心角はターゲットに対して90度であるため、完璧に真っすぐ動くわけではない。
その点「SQUARE 2 SQUARE」は重心角0度で、フェースがつねにターゲットを向く設計なのだ。

3モデルともヘッドの重心に直接シャフトが刺さった独特の形状で、重心角が0度(写真/小林司)
「オデッセイはこれを『トウアップバランス』などと表現していますが、これならパター自体にねじれるモーメントが生じないので、プレーヤーが何もしなければフェースがターゲットにスクエアなまま動きます。AIフェースでミスヒットにも強く、ヘッドの慣性モーメントも大きいので、真っすぐ振って真っすぐ転がすことを目指すなら、機能的にはこれ以上ないパターと言えるでしょう」(木村さん)

フェースの開閉が起きにくく「真っすぐ」ストロークしやすい(写真/小林司)
ハンドファーストやアームロックで構える人におすすめ
実はオデッセイは過去にも「トウアップ」や「バックストライク」など、重心角0度のパターを発売してきたが、いずれも定着には至らなかった。
その大きな理由の1つに、「構えにくさ」があったことは想像に難くない。
一般的なクランクネックやベントネックなどのパターは、シャフト軸線よりもフェース面が後方にある(オフセット)設計。そのためボールよりもグリップが前にあるハンドファーストになるのが自然だ。しかし重心角が0度になる設計ではシャフト軸線よりもフェースが前にくる形になるため(オンセット)、普段どおりのボール位置、手元の位置では構えられないのだ。
そこで「SQUARE 2 SQUARE」は、この構えにくさを解消するためにシャフトをターゲット方向に3.3度傾けている工夫が施されている。
これは、普通のパターがネックで作っているハンドファーストを、シャフトで作るという発想によるものだ。しかしそうするとロフトが立ってしまって転がりが悪くなる。そこで「SQUARE 2 SQUARE」は、6.3度ものロフトをつけることでシャフトを傾けて構えても適正ロフトでインパクトできるようにしてある。

ロフト角は6.3度あるのも特徴(写真/小林司)
一方で、こういった工夫によって「トウアップ」や「バックストライク」とも違ったある種の構えにくさが生じてしまう点も否めない。パターの機能に合わせて構えたときに、普通のパターのようにシャフトが真っすぐに見えないからだ。
「普段からシャフトを傾けて強いハンドファーストで構える人だったり、ロフトを立ててインパクトする、普通のパターが合わない人は、違和感なく構えられるかもしれませんが、そうでないなら、道具の持つ機能に合わせた構えで使う覚悟が必要です。『究極の真っすぐ』のために従来のパターのイメージを捨て、構えの違和感さえ克服できれば、劇的にパターが入るようになる可能性を秘めているパターだと思います」(木村さん)

ハンドファーストやアームロック的な構えに向いている(写真/小林司)

シャフトが傾いて見えるのがこのパターの正しい構えだ(写真/小林司)

シャフトが傾いて見えるのがこのパターの正しい構えだ(写真/小林司)

シャフトが傾いて見えるのがこのパターの正しい構えだ(写真/小林司)
その意味では、誰もが気持ちよく使える“優等生”ではなく、使い手を選ぶ “異端児” 。しかしクラブなりに構えて「真っすぐ」と感じられる人にとっては、最高のパターになり得るのだ。気になった方はぜひゴルフ5プレステージに足を運んでいただき、実際に構えてみてはいかがだろう。