前回、2024年に発売されたベンタスシリーズ「24ベンタスレッド」を検証したが、「24ベンタスブラック」は果たしてどんなゴルファーに合うのだろうか? クラブナビゲーター・吉田朋広が検証する。

2024年11月に日本市場に投入された「24ベンタス ブラック」はブラックシリーズ3作目となる最新モデル。ベンタスシリーズの元調子シャフトで世界のトッププロの使用率も高く、ツアープロからのフィードバックを元に設計されたハードスペックシャフトです。

画像: フジクラ「24ベンタスブラック」の50S・X、60S・Xを検証

フジクラ「24ベンタスブラック」の50S・X、60S・Xを検証

日本でのラインナップは50グラム台のS・X、60グラム台のS・X、70グラム台のS・X、80グラムのXとなっております。今回は50S・ Xと60グラムS ・Xを検証していきたいと思います。なお、テストクラブは前回同様にテーラーメイド『ステルス2』。

振りやすく非常に気持ちの良いフィーリング「24ベンタスブラック(5S)」
※シャフト振動数253CPM

シャフトデザインはベンタスそのものです。遠目に見ても一瞬でベンタスだと認識できるほど浸透したコスメに流行のマットブラックの外観は、あらゆるヘッドとのマッチングに違和感はありません。

50Sは24ベンタス ブラックのラインナップで最も人気のスペックになっています。シャフト重量は59グラムでバット径はやや太めの15.45。ワッグルした際は中間部から先にかけて動きがあり、ハードスペックなシャフトなのに扱いやすさも感じられます。

では早速打ってみましょう。

スウィング中はダウンスウィング時の手元側のタイミングがとりやすく、意外なほどにスムーズな切り返しができます。当然シャフト自体は硬くしっかりとしていますが、ワッグル時と同様、中間部からやや先の動きも感じますし、非常に振りやすくスムーズにインパクトまで導いてくれます。

画像: 50Sはシャフトに負荷をかけられる方はタメも作りやすく意外とスムーズに切り返しできる振りやすい

50Sはシャフトに負荷をかけられる方はタメも作りやすく意外とスムーズに切り返しできる振りやすい

VELOCORE PLUS を採用している先端部分はインパクト後のしっかりとした手応えを感じ取れますが、硬すぎる感じはありません。練習場での弾道は安定した中弾道で、ボールのつかまりも良く、私の基準だとややドローボールです。バックスピン量はやや少なめで、パワーを加えれば加えるほど前にいくボールが出るシャフトですね。

あまりハードなシャフトには感じず、振りやすい非常に気持ちの良いフィーリングのフレックスです。

24ベンタスブラックはプロ・アスリートゴルファー向けに設計されているシャフトですので、アマチュアゴルファーでトップからシャフトのほどきが早い方は硬く感じられると思いますが、シャフトに負荷をかけられる方はタメも作りやすく意外とスムーズに切り返しできる振りやすいシャフトです。

自身のパワーをボールに伝えてくれるしっかりとしたシャフトが好みのアマチュアゴルファーは、イメージしているよりも意外と振りやすく良い結果が出ると思います。初代ベンタス ブラック5Sよりもやさしい印象です。是非試して頂きたいと思います。

スッキリとした軽快な振り心地「24ベンタスブラック(5X)」
※シャフト振動数263CPM

シャフト重量は59.5グラムですが、手元側から先端部分にかけて大きくしなるポイントはなく、スッキリとした軽快な振り心地。Sフレックスよりも各部分が更に引き締まった印象です。Xフレックスらしく手応えのあるシャフト挙動ですが、ただ硬いだけのシャフトではなく先端部分のやや上の部分にしなりを感じられて、最後に少しインパクトで押し込んでくれる安心感がありますのでボールのホールド感があらります。

Sフレックスよりもボールのつかまりも抑えられている印象でバックスピン量も少な目です。ストレートフェードで狙いたい方はXフレックスのほうがストレスなく使いやすいでしょう。シャフトでも自身のスウィングパワーを余すことなくボールに伝えてもボールの吹け上がる心配もないと思いますので、シャフト自体の動きを求めず、シンプルに振りたい方にオススメです。

硬さの中にほんの少し軟らかいフィーリング「24ベンタスブラック(6S)」
※シャフト振動数263CPM

6Sは5Sの次に人気のスペックになります。

シャフト重量は66グラムシャフトのバット径は15.35と5Sよりも細くなります。振ってみると自然にタメが作りやすく、イメージよりも意外に切り返ししやすいシャフトに感じます。50グラム台の軽快なフィーリングと違う重厚なフィーリングで、シャフトの印象に違いを感じます。シャフト重量差からくる違いなのでしょう。硬さの中にほんの少し軟らかいフィーリングを感じることができます。

VELOCORE PLUSで硬く設計された先端部分のやや上部にはしなりを感じられ、インパクトエリアでヘッドをスクエアに当てやすく、インパクトは重厚。ハードにヒットしても打点ブレも感じないでしょう。特に芯に当てやすいのが印象的です。芯に当たるので、ボールスピードも高く、ミート率も上がります。

画像: 打点ブレも感じにくく、特に芯に当てやすいのが印象的

打点ブレも感じにくく、特に芯に当てやすいのが印象的

バックスピン量は少な目なものの、極端なロースピン設計にしていないのは世界のツアープロが使用するあらゆるメーカーのヘッドとのマッチングのしやすさを考慮してあるのだと思います。

ミートしやすく推進力のある強弾道が出るシャフトのため、ボールが吹け上がり気味で飛距離ロスがあるアマチュアゴルファーにも恩恵があると思います。6Sはヘッドスピードは気にせずに試してみて頂けるとイメージより意外に振りやすいと感じる方もいるはずです。

手元から中間までしっかりした硬さを持つ「24ベンタスブラック(6X)」
※シャフト振動数270CPM

手元側からシャフト中間部まで厚みのあるしっかりした硬さを感じることができます。これが世界のトッププロの使用者の多い初代ベンタス ブラック をブラッシュアップした24ベンタス ブラックの基準になるフレックスだと思います。

初代ベンタスブラックが発売した2021年以降、慣性モーメントが大きくなったヘッドも数々発売されてきています。24ベンタスブラックはそれらのヘッドの設計スペックも考慮した仕上がりに感じます。

画像: 「24ベンタスブラック」は初代ベンタスブラックと比べてシャフトに動きを感じられる仕上がりに

「24ベンタスブラック」は初代ベンタスブラックと比べてシャフトに動きを感じられる仕上がりに

一般的にヘッドの慣性モーメントを大きくするとボールスピードは下がります。ですが、シャフト全体に動きを持たせ、大慣性モーメントヘッドをスムーズに加速させやすくすることで、インパクトエリアからフィニッシュまでスピード感を持ったまま導きやすくなっています。インパクト時にはVELOCORE PLUS テクノロジーによる更なる打点ブレの抑制によるインパクトの高効率化によって高いボールスピードを実現しています。

よって、シャフト自体は初代ベンタスブラックと比べて動きを感じられる仕上がりになっていると思います。特にフィジカルが強いプレーヤーが使うと初代ベンタス ブラック 6Xよりもシャフト自体のしなりを感じやすく、ボールもつかまりやすいやさしい印象のシャフトに感じるでしょう。

今までベンタスブラックの6Xがハード過ぎて使い切れなかった方にオススメです。打ってみるとよくわかると思います。ぜひ試して頂きたいと思います。

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