2024年、発売開始から20周年を迎えた三菱ケミカルのフラッグシップブランド「ディアマナ」。同年9月に発売された「ディアマナBB」は一体どんなシャフトか? どんなゴルファーに合うか? 前編後編にわけてクラブナビゲーター・吉田朋広が徹底検証する。
 
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2025年2月7日にディアマナRBシリーズが発売されたが、今回は先週に引き続き2024年9月に発売されたディアマナBBの人気の秘密を検証するため、「43シリーズ」と「73シリーズ」をテストしていきます。まずは「43シリーズ」でも人気のあるスペックの43Sを中心に打っていきます。今回もテストヘッドはテーラーメイドSTEALTH2、シャフトレングスは45.5インチです。

画像: 2025年2月7日に発売したディアマナRB(写真上)、2024年9月に発売したディアマナBB(写真下)

2025年2月7日に発売したディアマナRB(写真上)、2024年9月に発売したディアマナBB(写真下)

Xは個性的なフレックス⁉︎「ディアマナ BB 43シリーズ」

ディアマナBBのようなアスリートモデルのシャフトの40グラム台を充実させている理由としては新たなユーザーの開拓はもちろんですが、50グラム台を使っている従来からのディアマナユーザーの受け皿としてのポジションの役目も担っています。

フレックス振動数
43R2226CPM
43R233CPM
43SR245CPM
43S252CPM
43X265CPM

43Sはシャフト重量48グラムでシャフト振動数は252CPM。シャフト手元のバット径も15.30とやや太くしっかりとした印象です。実際に打ってみてもシャフトフィーリングは手元部分が潰れに強く、中間部分は引き締まった印象のしっかりとしたフレックスです。インパクトエリアでの挙動は40グラム台でもBBらしい安定感があります。

安定したインパクトにはダウンスウィング時の切り返しが重要になりますので、Sフレックスはタメが作れるアスリートゴルファーの方に良いでしょう。

SRフレックスはSフレックスよりも明らかに扱いやすさを感じます。オーソドックスな中元調子のシャフトです。50グラム台のシャフトに重さと硬さを感じる方はSRフレックスを基準に選ぶのが良いでしょう。

画像: 「ディアマナBB43シリーズ」はR2からXまでの5フレックス展開

「ディアマナBB43シリーズ」はR2からXまでの5フレックス展開

RフレックスやR2フレックスは40グラム台の軽量シャフトに対してのイメージが変わるフレックスだと思います。手元側の剛性が落としてあることでシャフトに自然とタメができ、中間部から先はシャフトの動きが感じられ、インパクトエリアでのボールのつかまりがいい。フレックスのイメージよりも中弾道でスピン量の抑えが効いた弾道は、ディアマナBBのイメージに仕上がっています。

シャフトを軽く、軟らかくしたいディアマナユーザーはもちろん、ほかの軽量シャフトに物足りなさを感じている方にオススメです。

また、Xフレックスは個性的なフレックスだと感じます。手元側から中間部は硬めで、先端部分の動きも少なめです。硬めの軽量シャフトが好きな方が、しっかりと叩いてもブレの少ない直進性のある弾道イメージです。軽量シャフトのメリットをいかしてヘッドスピードアップも可能でしょう。軽量シャフトにスイッチしたいアスリートゴルファーは試してみても面白いフレックスです。

アマチュアゴルファーに人気の重量帯「ディアマナ BB 73シリーズ」

70グラム台のシャフトは近年プロの使用率は減ってきていますが、アマチュアゴルファーにはこの重量帯の方がスウィングが安定する方も多く、比較的人気の重量になります。とくにSフレックスはシャフト重量が70グラムですので、実際にヘッドに装着してドライバーのレングスになると60グラム台の後半のシャフト重量になります。

フレックス振動数
73S258CPM
73X262CPM
73TX270CPM

実際に打ってみてもディアマナBBらしい手元側にしなりを感じられ、気になる重さは感じにくく、スムーズに振っていけます。63Sのシャフト挙動とイメージとあまり変わらずに重量がアップするイメージですので、63Sだと軽く感じる方に73Sは良い選択だと思います。

Xフレックスは70.5グラムとシャフト重量はSフレックスとほぼ一緒ですが、手元側の硬度が一気に上がります。グリップの下に硬さを感じられる程ですので、フィジカル面で強いゴルファーに良いでしょう。

画像: 「ディアマナBB73シリーズ」と「ディアマナBB 83シリーズ」は3フレックス展開

「ディアマナBB73シリーズ」と「ディアマナBB 83シリーズ」は3フレックス展開

TXはXフレックスに比べて余分な動きは感じられず、シャフトの先端部分の動きも少なくなります。

興味深いフレックスなので打ってみましたが、私のパワーでは真っ直ぐ飛ぶもののボールは上がりづらく、バックスピンもかかりにくくなるのでキャリー不足です。当然ながら飛距離も出ませんでした。

73TXは63TXまでとは別物に感じました。このフレックスならボールの吹け上がりを抑えたいフィジカルが強いパワーヒッターが叩いても、しっかりとボールにスウィングパワーを伝えることができるでしょう。

気になる方は試打会等で試してみて下さい。

今回は2本立てでディアマナBBの人気の秘密を検証するために40・50・60・70グラム台の4つの重量帯のシャフトを打ってみました。

人気の理由はズバリ「弾道安定性能」とそれを実現する「豊富なスペックバリエーション」です。「ディアマナ」の中心モデル「青マナ」の系譜の最新モデルディアマナBBはシャフト挙動に大きなクセがなく、安定性の弾道が印象的な非常に完成度の高いシャフトでした。

画像: 完成度の高いディアマナBB

完成度の高いディアマナBB

アスリートモデルのシャフトながら軽量の43シリーズにはR2から用意されていますし、フィジカル面で強いゴルファー向けに83TXまで用意した豊富な重量。そして、フレックスバリエーションはシャフトに安定性を求める多くのゴルファーに選びやすく、求めるイメージを実現しやすいシャフトです。

ディアマナBBは三菱ケミカルのシャフトの中だけでなく、数多く存在するゴルフシャフトの基準的なポジションのシャフトになると思います。ディアマナのメインユーザーのアスリートゴルファーだけでなく、これからしっかりとスウィングを作っていきたいアマチュアゴルファーにも試して頂きたいと思います。

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