
最終日、61で1万人のギャラリーを魅了した岩井明愛
大会初日いきなり10アンダー62をマークしライバルたちの度肝を抜いた岩井。最終日にはその記録を上回る11アンダー61の強烈なパフォーマンスで集まった1万人のギャラリーを魅了した。
通常ツアーではトップ10でフィニッシュした選手は翌週のトーナメントに出場できる。しかしHSBC女子世界選手権の出場者は66名で予選カットのないエリートフィールドのためトップ10ルールは採用されず、前週あれだけ注目された岩井に出場資格はない。
その現実にゴルフチャンネルのベテランキャスター、トム・アボット氏が「タフスクール(厳しい境遇)」とXに投稿。米ゴルフダイジェストも「ファンにとっては残念すぎる」と同情的な論調だ。
もちろんルールはルール。だがいま旬の選手、まして世界ランク25位の岩井を欠くのはツアーにとっても損失だろう。
前週タイで岩井と優勝争いを演じて勝利したエンジェル・インは大会前まで岩井姉妹のことを「まったく知らなかった」という。
「(大会前日の)プロアマパーティで初めてその存在を知りました。パーティでオークションに出ていた彼女のことを皆が“日本の天才でLPGAツアーのルーキー。双子の姉だ“と教えてくれました。そしたら突然木曜日(初日)に10アンダー! 2日間一緒の組でプレーして彼女がどんな選手なのかよくわかりました」
「アキエは素晴らしいプレーヤーです。彼女のゴルフは最高。これから良いことばかりが起きる、そう私は思っています」と最大限の賛辞を送っている。

優勝したエンジェル・イン
もう1つ岩井にとって残念なのはホンダLPGAタイランドには主催者推薦で出場したため準優勝にも関わらずCMEグループポイント(日本のメルセデス・ランキング)は“0“。同じくスポンサー推薦で出場した妹・千怜と竹田麗央もポイントを獲得できなかった。
HSBC女子世界選手権に出場する日本人は古江彩佳、西郷真央、笹生優花、畑岡奈紗、渋野日向子、山下美夢有と竹田の7名。今週末は誰がリーダーボードを賑わしてくれるのだろうか?
撮影/姉崎正