今季から妹・千怜と共に米LPGAに参戦する岩井明愛。自身の2戦目となった「ホンダ LPGA タイランド」では、最終日に11アンダーのビッグスコアを叩き出し、首位と1打差の2位で終えそのポテンシャルを発揮した。
その岩井明愛にお気に入りのクラブを聞いてみると、「どのクラブも同じくらい気に入ってるのですが、強いて言うとドライバー」との答え。ターコイズブルーのドライバーの気に入っている点を聞くと、「やっぱり飛距離が出るところですね」と教えてくれた。
「ホンダ LPGA タイランド」ではフェアウェイを外さないドライバーショットからプレーのリズムを作り、ピンに絡むアイアンショットでビッグスコアを叩き出していた。

お気に入りのドライバーと1枚
約1年前から使用しているというドライバーを見てみると、ヨネックス「EZONE GT タイプS」(9度)をネック調整機能で2度フックフェースに調整。ドローヒッターの明愛は右に出してフェアウェイに着弾するしっかりつかまるヘッドが好みだという。そしてフェース下部が丸みを帯びていることで、岩井姉妹の代名詞とも言えるパー5の2打目で使う”直ドラ”もしやすい形状になっている。

岩井明愛のお気に入りの一本はヨネックス「EZONE GTタイプS」(ターコイズブルー)
そしてピンを攻めるアイアンは同じくヨネックス「EZONE CB511 フォージド」。フェースの高さを抑え適度に長いフェース長のフルキャビティヘッド。バックフェースの下部に反発性のあるカーボンを配置した低重心化と飛距離性能を備えたモデルだ。
この少し長めの重心距離があるゆえにドライバーとの相性がマッチしているのだろう。ドライバーからスウィングを変えることなくそのままのフィーリングで打てることで、ショットが好調なときはバーディチャンスを量産できている。

ピンを攻めるアイアンは同じくヨネックス「EZONE CB511フォージド」
国内ツアーから変更することなく海外の芝にも対応できているのはバウンス形状にもよるところ。適度な幅のソール形状に少ないバウンス角が洋芝でも抜けが良く、低重心のフルキャビティによって高さのある弾道を生んでいる。
そしてスコアメークに重要なウェッジは、同じくヨネックス「EZONE W501ウェッジ」。国内ツアーで使用したモデルをそのまま海外でも使用中。ロフト角58度はバウンス角12度と適度なバウンス角を持ちながら、リーディングエッジ側を少し削り落としてあるソール形状が芝に刺さりにくく抜けの良さにつながっていて、スピン性能の確保と様々なライや芝に対応するための工夫が見てとれる。

ウェッジはヨネックス「EZONE W501ウェッジ」
海外の抜けの悪い湿った芝質や逆目のライでは、ヒール側はわずかに浮かせてトウ寄りで打つ打ち方を見て、自分でも取り入れて練習している最中なんだとか。これは、トウ寄りで打つとインパクト効率が下がるため飛びすぎず、逆目のライからでも抜けが良くなるから。
多くの選手が取り入れる技術を習得し、進化し続ける岩井明愛。既に今年は実戦をフロリダ、サウジアラビア、タイと3戦こなして乗り込んで来た沖縄で昨年覇者の妹・千怜と上位争いする姿が見られそうだ。
写真/中村修